ピックアップマッチ

ヴィッセル神戸U-18　3-2（前半0-2、後半3-0）　京都サンガF.C. U-18

高円宮杯U-18プレミアリーグWEST第10節を7月18日（土）、19日（日）を行い、ヴィッセル神戸（兵庫）は京都サンガF.C. U-18（京都）と対戦しました。

「勝てば上位に行けるし、負ければ下位争いに沈む大事な試合」。神戸・野田樹選手がそう意気込んだように、後半戦の初戦となった今節は、中位に位置する両者にとって今後を左右する重要な一戦でした。

先手を取ったのは京都。まずは19分、中央をドリブルで仕掛けた島村拓弥選手のスルーパスに反応した沼大希選手がGKとの1対1を冷静に流し込んで先制すると、23分には荻野広大選手がミドルシュートを突き刺し、2-0とリードします。早い段階でビハインドを背負った神戸でしたが、時間経過とともにパスワークを生かした攻撃で相手ゴールに迫るなど、巻き返しの兆しを見せてハーフタイムを迎えました。

後半は2枚の攻撃カードを切った神戸が、素早いパス回しで京都を左右に揺さぶり、攻勢を強める展開に。55分には途中出場の野原健太選手が打ったシュートのこぼれ球を、中坂勇哉選手が押し込んで神戸が1点差とすると、78分には後半からピッチに入った佐々木大樹選手がペナルティーエリア内で倒され、PKを獲得。「周囲を見たら、誰も蹴りたそうな感じではなかったので、自分が蹴るしかないと思った」という中坂選手が決めて同点にしました。

神戸の勢いは止まらず、87分には中坂選手のパスを野原選手が決めて逆転に成功。終了間際に京都はPKのチャンスを得ましたが、これを決めることができずに、そのままタイムアップ。神戸にとって、3試合ぶりの白星は「今日の勝利で、上位争いに絡めると思う。シーズン後半戦は勝点を積み上げて、優勝を目指したい」（野田選手）と大きな価値を持つものとなりました。

監督・選手コメント

野田知 監督（ヴィッセル神戸U-18）
試合前の狙いどおり、風下を取れたのは良かったのですが、中盤の運動量が少なく、奪ってからのボールロストが多かったです。これから攻めようというときにミスをすると苦しい展開になってしまいますし、軽い守備も目立ちました。ただし、前半途中から押し込む時間がつくれていたので後半は継続しようと指示を出しました。狙いはテンポ良くボールを動かし、サイドを使うこと。うまくいったとは言い切れませんが、前半よりは攻撃が機能したと思います。

野田樹 選手（ヴィッセル神戸U-18）
立ち上がりから京都のロングボールを使った攻撃を意識していたのですが、試合の入り方が悪く、体も動いていませんでした。一人ひとりの守備が軽く、ボールが奪えなかったことに加え、攻撃の連動性もなく、チャンスらしいチャンスをつくれませんでした。でも、京都との開幕戦で2点をリードされながらも追いついていたので、後半も諦めずにやろうと。やるしかないという気持ちが出せたからこそ、タイトに守ることができ、攻撃でもドンドン前に行けたのだと思います。

森岡隆三 監督（京都サンガF.C. U-18）
前節の広島戦に続いて勝たせてあげることができませんでした。ブロックをつくって守り切れることを意識して試合に入り、前半はうまくいっていたと思います。それでもわれわれはこれまでの試合で逆転負けすることが多く、1失点するとどうしてもネガティブになってしまいます。今日の試合でも1失点した後、相手に傾いた流れを止めることができませんでした。選手は良い部分を出してくれていたので、今後はそれを結果に結び付けたいです。

廣川裕太 選手（京都サンガF.C. U-18）
神戸はボール回しがうまいチーム。自分たちは練習から、引いて守ってクロスに対応する意識を高めてきました。前半は守備陣が焦らずに対応し、2点を奪えたので良かったと思います。でも、後半は相手にボールを持たれてしまって、2点のリードがあったにも関わらず気持ちで負けていました。焦って簡単にボールを蹴ってしまい、ミスも多くなったことが敗因かと思います。これまで走り勝てた試合もないので、そこが今の課題だと思います。

その他の試合結果

サンフレッチェ広島F.Cユース　0-3（前半0-1、後半0-2）　履正社高校
東福岡高校　1-3（前半1-1、後半0-2）　セレッソ大阪U-18
名古屋グランパスU18　1-1（前半1-1、後半0-0）　ガンバ大阪ユース
大分トリニータU-18　0-1（前半0-0、後半0-1）　京都橘高校

サンフレッチェ広島F.Cユース（広島）と履正社高校（大阪）の一戦は、林大地選手のゴールを皮切りに、3得点を奪った履正社が快勝しています。セレッソ大阪U-18（大阪）は前半終了間際に東福岡高校（福岡）に追い付かれたものの、後半に井上泰斗選手が2得点を加え、3-1で勝利。首位をキープしています。名古屋グランパスU18（愛知）とガンバ大阪ユース（大阪）は1-1で折り返した後半に、両者スコアを動かすことができず勝点1を分け合う結果となりました。アウェイで大分トリニータU-18（大分）に挑んだ京都橘高校（京都）は、堤原翼選手の得点により1-0で勝利。連敗を6で止めています。