高円宮杯U-18サッカーリーグ2016 プレミアリーグWESTが4月9日(土)に開幕し、ヤンマースタジアム長居で行われた第1試合では、セレッソ大阪U-18（大阪）と大分トリニータU-18（大分）が対戦しました。C大阪は鈴木冬一選手のゴールで先制したものの、守備の乱れを突かれて、逆転を許す展開となりました。それでも、84分に鈴木選手が2点目を奪い、試合を振り出しに戻すと、90＋3分には自陣から相手ペナルティーエリア付近まで攻め上がった舩木翔選手が左足を一閃。このシュートが決まり、C大阪が3-2で接戦を制しました。続いて行われたヴィッセル神戸U-18（兵庫）と東福岡高校（福岡）の一戦は、両者ともに譲らない拮抗した展開となります。1-1のまま終盤を迎え、藤川虎太朗選手と佐藤凌我選手の得点で神戸を突き放した東福岡が、3-1で勝利を収めています。

舞台を万博記念競技場に移して行われた第3試合は、前年王者のガンバ大阪ユース（大阪）と大津高校（熊本）が対戦。「開幕戦ということで選手が硬かった」と宮本恒靖監督は語りますが、開始4分に佐藤倭選手の得点でG大阪が均衡を崩します。以降、G大阪は2点目を奪えず、後半は大津に攻め込まれる時間帯もありましたが、守備陣が要所を抑えて無失点をキープ。71分には食野亮太郎選手がチームの2点目を叩き込み、連覇に向けて好スタートを切りました。

4月10日(日)の第1試合では、京都サンガF.C.U-18（京都）とサンフレッチェ広島F.Cユース（広島）が顔を合わせました。互いに序盤から見せ場をつくりながらも、決定力を欠き、前半はスコアを動かすことができません。後半も一進一退の攻防が続く中、広島がサイド攻撃で流れを引き寄せると、69分には川井歩選手のクロスボールを山根永遠選手が合わせて先制に成功。このゴールが決勝点となり、広島が勝点3を手にしました。

WEST第1節を締めくくったのは、今シーズン初めてプレミアリーグに参入する神戸弘陵学園高校（兵庫）のゴールラッシュでした。名古屋グランパスU18（愛知）の梶山幹太選手が、「一人一人が粘り強くてプレーしにくかった」と振り返ったように、神戸弘陵は試合開始から球際の強さで名古屋を圧倒すると、前半のうちに2得点をマークします。後半もペースを落とさず、72分には竹村史明選手がダメ押しとなる3点目を奪って3-0で完勝。神戸弘陵がプレミアリーグ初勝利を飾りました。

コメント

村田一弘 監督（セレッソ大阪U-18）
前半は体が重くて自分たちの長所であるプレッシングの強度を欠き、チーム全体が間延びした状態になってしまいました。先制点を取ることはできましたが、相手を押し込むだけのプレッシャーやスピード、パワーが足りなくて残念でした。攻撃も守備も厚みがなく、ボールが行ったり来たりする忙しい展開になりましたが、後半はコンパクトに戦うための守備を全員で統一することができ、最後は意図する戦いができたと思います。

宮本恒靖 監督（ガンバ大阪ユース）
選手たちは、立ち上がりの得点で落ち着いて試合に入りましたが、それ以降は思うような試合運びができませんでした。大津高校が前線の選手をめがけて早めにロングボールを送ることを予想し、自分たちは開幕戦に向けて１週間、守備の準備を進めてきました。チームとしてしっかりと対策ができていたと思いますし、相手の攻撃をはね返すだけではなく、周りの選手がボールを拾うなど、90分間安定したパフォーマンスを発揮できたと思います。

食野亮太郎 選手（ガンバ大阪ユース）
今年のチームは昨年、スタメンを張った選手やベンチ入りを経験した選手がほとんどいません。試合前はみんな自信を持てず、「勝てるのかな？」という声もありました。僕自身、昨年の開幕戦を経験していますが、自分たちが最上級生となると責任感が生まれるので、試合前日はとても緊張しました。それでも、最初のボールタッチで良いプレーができたことで波に乗ることができ、ゴールも奪うことができました。開幕戦ということを考えれば、今日の試合はとても満足しています。

森岡隆三 監督（京都サンガF.C. U-18）
昨年、広島さん相手に2試合で10失点を喫しました。開幕戦に向けて、より粘り強く守ることを意識して準備してきました。自分たちの長所である攻守のアグレッシブさは変えていないつもりですが、今日は守備の意識が強過ぎたように思います。また、試合の序盤は開幕戦特有の硬さも感じました。焦らず守ることはできたと思うのですが、もっとボールを動かすことができれば、チャンスの数も増えていたかもしれません。

竹村史朗 選手（神戸弘陵学園高校）
プレミアリーグの開幕戦ということで緊張しましたが、やってやるという気持ちを強く持つことができました。最近は練習試合でずっと調子が悪くて、試合が始まるまでは心配だったのですが、今日は2点を決めた上にアシストも記録することができてうれしいです。個人としては、試合前日にご飯など炭水化物と睡眠をしっかりとって綿密に準備したことがよかったです。チームとしては、焦らずに自分たちがやるべきことをできたことが勝因だと思います。

松田浩 指導者養成サブダイレクター（高円宮杯U-18サッカーリーグ2016 プレミアリーグ　テクニカルスタディグループ）
それぞれチームの特徴が出ていて、今後が楽しみです。大差がついた試合もありましたが、力の差は小さかったと思います。サッカーは必ずしも結果と内容が伴うわけではないということが表れた5試合でした。結果を分けるのはディテール（細かい部分）なので、細部にまでこだわって、少しでも大人のサッカーに近づいてほしいです。

試合結果

2016年4月9日(土)
セレッソ大阪U-18　3-2 （前半1-1、後半2-1）大分トリニータU-18
ヴィッセル神戸U-18　1-3（前半1-1、後半0-2）東福岡高校
ガンバ大阪ユース　2-0（前半1-0、後半1-0） 大津高校

2016年4月10日(日)
京都サンガF.C. U-18　0-1（前半0-0、後半0-1）サンフレッチェ広島F.Cユース
神戸弘陵学園高校　3-0（前半2-0、後半1-0）名古屋グランパスU18

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