ピックアップマッチ

大宮アルディージャユース　2-1（前半1-0、後半1-1）横浜F・マリノスユース

高円宮杯U-18プレミアリーグEAST第6節が6月25日(土)と26日(日)に開催され、大宮アルディージャユース（埼玉）はホームのNACK5スタジアム大宮で横浜F・マリノスユース（神奈川）と対戦しました。

6月4日(土)に行われた第40回日本クラブユースサッカー選手権（U-18）大会関東大会の準々決勝でも対戦していた両チーム。その試合では、横浜FMが1-0で勝利しましたが、この日の立ち上がりも横浜FMユースが攻勢に試合を進めます。中盤でマークを外しながら、最終ラインの裏へパスを出していきます。

その後も横浜FMのプレッシングが機能し、大宮を押し込む時間帯が続きます。それでも36分、一つのプレーが流れを変えます。大宮はそれまでサイドにボールを運ぶことが多かったものの、2トップの一角に入っていたFW奥抜侃志選手が相手陣内の中央にできたスペースでボールを受け、ドリブルでシュートに持ち込みます。

このプレーは得点になりませんでしたが、「サイドに散らしておきながら、中央が空くのを待っていた」と振り返る奥抜選手は、40分に相手の最終ラインの選手からボールを奪うと、そのままゴール前に独走。着実にゴールネットを揺らし、大宮に先制点をもたらしました。先制された横浜FMは、この後反撃に出ますが、決定機を生かし切れずに前半を折り返します。

後半に入ると、試合は完全に大宮のペースになりました。「守備を改善したら、それが機能した」と、MF山田陸選手が振り返ったように、横浜FMの攻撃を寸断し、ほとんど敵陣で試合を進めていきます。その中で、58分に右サイドからMF山本剛嗣選手がクロスを上げます。ボールは逆サイドに流れましたが、DF笹原大選手の折り返しを、山本選手が打点の高いヘディングで合わせて、リードを2点に広げます。

2点をリードされた横浜FMは、MF椿直起選手を起用して反撃に出ます。高い技術を持つ椿選手の突破からチャンスをつくり、87分には同選手の折り返しからFW渡辺力樹選手が1点を返しました。その後も、横浜FMは大宮を押し込みましたが、同点ゴールを奪えないままタイムアップ。大宮が2-1で勝利し、プレミアリーグ3試合無敗としています。

監督・選手コメント

大塚真司 監督（大宮アルディージャユース）
横浜F・マリノスとはクラブユース選手権の関東大会で3週間前に戦い、そのときは敗戦していました。今日は同じ相手に二度負けられないということで、しっかり準備してきました。準備してきたことをみんなが表現してくれた、良いゲームだったと思います。チームは成長していくべきですし、成長していると思います。（開幕後に）3連敗して、自分たちに足りないところを見つめ直し、チームのメンタリティー、戦術、技術を磨いてきた結果が、今日の勝利につながったのではないかと感じています。チャンピオンシップに出場するという目標は揺らぎません。そこに向けて、今日は良い試合ができました。

奥抜侃志 選手（大宮アルディージャユース）
先制点の場面は、相手DFがボールを持って後ろを向いていたので、チャンスかなと思って寄せたら運よくボールを奪うことができ、そのまま仕掛けてシュートを打ちました。決めることができて良かったです。（横浜FMには）クラブユース選手権で負けていたので、借りを返そうという気持ちがありました。あの試合を戦ったことで、今回は相手のシステムを把握し、セットプレーもうまく対処することができました。これで3戦無敗なので、今後もこの勢いをキープして戦っていきたいです。

松橋力蔵 監督（横浜F・マリノスユース）
自分たちでゲームを難しくしたかなと感じています。そこから大宮のペースになり、後手に回ってしまいました。今回の試合は、リーグ戦が再開して、一つでも上を目指すという意味で大切な一戦でした。プレミアリーグの中断期間、別の大会（クラブユース選手権）に出て、決勝まで勝ち進むことができました。今節は、チームの成長度合いを確認する楽しみな試合だっただけに残念です。大宮がボールを動かす中で、自分たちは前線でのプレスが機能しなくなり、チーム全体が下がり気味になってしまいました。

吉尾海夏 選手（横浜F・マリノスユース）
守備面で、チーム全員で連動してボールを奪おうと話して試合に入ったのですが、なかなか連動できなくて、選手と選手の間のスペースを簡単に使われてしまいました。そこから相手の形をつくられて失点を招いたことが、一番の反省点です。今季、自分たちはポゼッションから得点するスタイルを目指しているのですが、ここまでは自陣でボールを回していても、なかなか前に運べず、ゴールも決めることができていません。課題を克服している手応えはあったのですが、今日の試合はプレミアリーグ中断前のような状態に戻った感じで負けたので、ショックも大きいです。もっとコミュニケーションをとって、チーム全体で良い形をつくり出せるようにしたいと思います。

その他の試合結果

アルビレックス新潟U-18　1-2（前半0-2、後半1-0）柏レイソルU-18
青森山田高校　2-1（前半0-1、後半2-0）FC東京U-18
鹿島アントラーズユース　3-2（前半0-1、後半3-1）流通経済大学付属柏高校
清水エスパルスユース　0-1（前半0-1、後半0-0）市立船橋高校

柏レイソルU-18（千葉）は中村駿太選手が前半に2得点を挙げ、アルビレックス新潟U-18（新潟）に2-1で勝利。3位の青森山田高校（青森）は首位・FC東京U-18（東京）との上位対決に競り勝ち、2位に順位を上げました。鹿島アントラーズユース（茨城）は、終盤まで流通経済大学付属柏高校（千葉）に1-2でリードされていましたが、87分に出津真哉選手、その1分後に蒔田泰広選手が得点し、3-2で逆転勝利を収めています。FC東京と入れ替わる形で首位に立ったのは市立船橋高校（千葉）。清水エスパルスユース（静岡）戦は、前半に野本幸太選手が挙げた1点を守り切って1-0とし、粘り強く勝点3を上積みしました。

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