神戸弘陵学園高校（兵庫）にとってプレミアリーグに初挑戦した2016年は、苦難の連続でした。

谷純一監督の下、培ってきたポゼッションサッカーを携えて臨み、名古屋グランパスU18（愛知）との開幕戦では初勝利を収めました。しかし、その後に待ち受けていたのは、谷監督が「県内やプリンスリーグ関西では自分たちが主導権を握る時間が圧倒的に多い。しかし、プレミアでは正反対の戦いだった」と言うハイレベルな相手との戦いでした。

リーグの折り返しとなる第9節まで勝利から見放されたチームは方向転換を図ります。まずは守備の意識を高め、攻撃もカウンターを主体としたスタイルにシフトチェンジ。第10節で勝利をつかんで長いトンネルから脱すると、後半戦は3勝3分け3敗で勝点を積み重ね、「なんとか残留にこぎ着けました」（谷監督）。決して順風満帆な1年目ではありませんでしたが、「精神的な粘り強さや体を張ること、1点の重みを痛感した一年。サッカーの本質である、ボールを奪う、ボールを守るという意識は本当に高くなった」（谷監督）とチームにはかけがえのない経験が残りました。

「守備をさぼると残れないのがプレミアリーグ。そこは選手も意識高く取り組んでくれている」と谷監督。昨年苦しみながら培った粘り強い守備は今季のチームにもしっかりと根づいています。

プレミア2年目の今季はここまで2分け1敗。順調なスタートとは言い難いですが、谷監督は「第3節が終わって無得点のゲームがない。シュートも昨年に比べて多く打てている」と手応えを語ります。昨季、7得点を挙げた竹村史明選手（MF #10）を軸に、「今年は個人で突破できる選手もいる。カウンター、ポゼッション、セットプレーからの3つのパターンで点が取れたらいい」（谷監督）と多彩な攻撃パターンでゴール量産を目指します。

第4節では、プレミアリーグ初参戦の米子北高校（鳥取）と対戦します。キャプテンの渡邉一也選手（MF #13）が抱く「縦に速い印象」は監督、選手間で共有済み。対戦相手によって警戒すべきポイントは違いますが、「一年間プレミアリーグを経験したことで、どこが勝負どころか分かるようになり、負けないゲーム運びができるようになってきた」と渡邉選手が言うように、今年の神戸弘陵はスタイルにとらわれずに試合中でも流動的に戦い方を変えることができます。戦術の幅や柔軟性は昨年体得した神戸弘陵の新たな特徴と言えます。

チームスローガンは、心を同じくして共に力を合わせることを意味する「和衷協同」。共通意識を持ちながら、相手によって柔軟に戦い方を変えるサッカーで今季初勝利を手繰り寄せます。

監督・選手コメント

谷純一 監督
昨年はなかなか試合の主導権を握ることができませんでしたが、今年は守るだけではなく、個人での突破や試合の流れの中で自分たちの時間をつくって得点に結び付け、チームとして進化していければと考えています。プレミアリーグでレベルの高いチームと対戦することで得られるものは多くあります。昨年一年間は、相手のレベルの高さを体感しましたが、伸び盛りの選手たちなので努力をすればそのレベルに追いつく、追い越すということができると思っています。

MF #13 渡邉一也 選手
個人的には、ディフェンスラインの裏へ抜け出すこと、競り合いに勝つこと、走れることが特徴だと思います。味方が運んできてくれたボールを前線でしっかりおさめて、ゴールという結果でチームに貢献したいです。勝点3を取るためにメンバー18人と応援してくれるメンバーが一つになり、和衷協同の精神で戦います。サッカーは1点でも多く得点を取ったチームが勝つスポーツなので、目に見える数字にこだわって勝ちきれるチームになりたいと思います。

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プレミアリーグWEST第4節

4月29日(土)
11:00　大津高校 vs サンフレッチェ広島F.Cユース（大津町運動公園球技場）
15:00　ヴィッセル神戸U-18 vs 東福岡高校（いぶきの森球技場）
4月30日(日)
11:00　アビスパ福岡U-18 vs セレッソ大阪U-18（レベルファイブ スタジアム）
13:00　神戸弘陵学園高校 vs 米子北高校（みきぼうパークひょうご 第1球技場）
16:00　ガンバ大阪ユース vs 阪南大学高校（ガンバ大阪グラウンド）

高円宮杯U-18サッカーリーグ2017 プレミアリーグ

2017/4/8(土)～2017/12/10(日)
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