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第26回全日本高等学校女子サッカー選手権大会 前年覇者の十文字を破った大商学園などが2回戦を突破
2018年01月01日
「第26回全日本高等学校女子サッカー選手権大会」は12月31日(日)、兵庫県内で2回戦が行われました。
ピックアップマッチ 1
大商学園高校 1-0(前半0-0、後半1-0)十文字高校
三木総合防災公園第2陸上競技場での第1試合では、大商学園高校(関西2/大阪)と、十文字高校(関東4/東京)が対戦。前回大会の決勝と同一となったこのカードは、緊張感ある一戦となりました。リベンジを目指す大商学園は、ボールホルダーへの激しい寄せで十文字にリズムをつくらせません。互いに蹴り合う展開になりますが、大商学園は予測や中盤の林みのり選手をはじめとするボールを奪う力、十文字はサイドバックも含めた最終ラインの体を張ったプレーで、粘り強く守備を続けました。
その中で十文字は、個人による突破も織り交ぜてチャンスをつくります。23分にはスピードある横澤千聖選手が抜け出してFKを奪い、小林一歩選手が蹴ったこのセットプレーは、クロスバーをかすめました。また、右サイドの三谷和華奈選手のドリブルも、脅威となっていました。一方の大商学園も、前線の西山皐月選手がスピードで怖さを発揮。35分に最終ラインの裏を取った場面では、シュートはGKの指をかすめてポストに嫌われました。
後半に入っても、互いにハードワークしつつ隙をうかがう展開が続きます。ここで違いをつくったのは、大商学園が50分に切った2枚目の交代カードでした。ピッチに入った藤原安佑選手は1分後、左サイドで縦パスを受け、少し遠目の位置から思い切ってシュート。これが均衡を破る先制点となりました。
大商学園はその後も、西山選手のスピードを生かして追加点を狙います。十文字は負傷を抱えているキャプテンの蔵田あかり選手を投入して、逆襲を狙いました。瀧澤選手を中盤に、中盤から「より決定力があるので」(石山隆之監督)と小林選手を前線へと位置を変えて、まずは1点を目指しますが、最後までゴールネットは揺らせず。大商学園が前回覇者を破り、6大会連続のベスト8入りを決めました。
ピックアップマッチ 2
岡山県作陽高校 4-0(前半3-0、後半1-0)開志学園JSC高等部
三木総合防災公園陸上競技場での第2試合は、岡山県作陽高校(中国1/岡山)と開志学園JSC高等部(北信越1/新潟)が対戦しました。5度目の本大会挑戦で初めて2回戦進出を果たした開志学園は、その勢いを序盤に見せます。少ないタッチでテンポよくボールをつなぎ、作陽陣内でプレーを続けました。しかし、シュートにつなげられずにいると、素早い逆襲を受けてシュートに持ち込まれ、冷や汗をかきます。すると、ここから試合の風向きが大きく変わっていきました。
作陽は16分にCKから森本紗也佳選手が先制点を決めると、その2分後にはサイドを鋭く破り、クロスから初村和香選手が追加点。28分には長いFKが直接ゴールマウスへと蹴り込まれると、これをGKが処理しきれずにゴールイン。瞬く間に3点の差がつきました。
リードを奪った作陽は全体が連動してボールを奪えるようになり、リズムを取り戻しました。ボールを横に速く動かして開志学園を揺さぶり、中盤中央でボール奪取力と展開力を見せる山﨑涼帆選手らが一気にサイドを変えれば、スピードある選手たちが縦に切り裂きます。
後半に入っても、作陽の勢いは止まりませんでした。49分には、最終ラインから谷口清夏選手が果敢に飛び出しインターセプトすると、そのままワンツーパスからロングシュートにまで持ち込みました。さらに次々と交代カードを切り、さらにそれに伴い選手のポジションも変えながら、相手に奪いどころを絞らせないプレーを続けます。
対する開志学園も懸命にパスをつないで突破口を探し、隙と見るや個人の突破も披露。69分には交代出場していた間宮あさひ選手の強烈なシュートが、作陽GKを襲いました。開志学園も後半にシュート5本を放ちましたが、上回ったのは作陽でした。後半11本目のシュートはアディショナルタイム、山田優衣選手のクロスに残り10分を切ってから交代で入っていた高橋萌々香選手が合わせたもの。これがチーム4点目となり、作陽が2大会ぶりの準々決勝へと駒を進めました。
準々決勝は1月2日(火)、兵庫県内の各会場で行われます。
監督・選手コメント
石山隆之 監督(十文字高校)
大会前に(選手の)怪我が多かったり、チームの調子を上げることができない中で迎えた強豪との2回戦でしたが、臆することなくぶつかりました。チャレンジャーだという気持ちで戦いました。去年は初優勝しましたが、連覇するような力や底力はまだありません。だからこそ、1年間プレッシャーを受けていたのは事実です。でも、力が伸びてきていたのは事実なので、もう少し試合をさせてあげたかったし、ちょっと寂しいですね。選手が毎年入れ替わる高校サッカーでは、次を見越して継続して人を育てていくことが必要だと思います。
MF #6 藤原安佑 選手(大商学園高校)
交代で入る時には、相手の背後にスペースが空いているので、相手の間に入って起点をつくれと言われました。皆の気持ちが、私のシュートに込められていたと思います。去年の3年生の先輩たちも応援に来てくださっていたので、先輩たちの分までリベンジの気持ちを持って戦いました。今年はインターハイでの1回戦負けでチームの甘さに気付かされて、そこから選手権に向けて44人の全部員で頑張ってきました。1試合ずつ積み重ねるにつれて強くなり、毎試合決勝だと思って戦いたいと思います。
八木秀一 監督(開志学園JSC高等部)
今年一番のゲームができたと思います。開始早々はこちらのペースだったと思うのですが、チャンスを決められないうちに相手の1、2本目のシュートで決められ、それが差になってしまったのかなと思います。私が3月に監督に就任してから、ポゼッションしてボールをつないで崩していくサッカーに、ずっとこだわってきました。結果的に今日が最後の試合になりましたが、3点取られた後も強い相手に対して、自分たちが取り組んでいたことが出せていたのは、すごく良かったと思います。
DF #4 蓮輪真琴 選手(岡山県作陽高校)
私がゴールを決めた場面では、昨日FKを仲間に合わせにいっていたら決まらなかったので、直接狙ってみました。守備陣もゴール前で厳しく守れたし、攻撃陣がしっかり決めてくれたので、良かったと思います。今年のチームの一番の強みは、皆が皆のために戦えることです。チームワークには自信があります。次の相手は、私が1年生の時に試合に出させてもらい準々決勝で負けてしまった修徳高校です。自分たちが今までやってきたことを出したら、負けることはないと思うので、やることをやって勝ちたいと思います。
その他の試合結果
修徳高校(関東1/東京) 1-0 広島文教女子大学附属高校(中国2/広島)
岡山県作陽高校(中国1/岡山) 4-0 開志学園JSC高等部(北信越1/新潟)
大阪学芸高校(関西4/大阪) 0-0(PK:5-4) 神戸弘陵学園高校(関西3/兵庫)
福井工業大学附属福井高校(北信越2/福井) 2-1 神村学園高等部(九州1/鹿児島)
大商学園高校(関西2/大阪) 1-0 十文字高校(関東4/東京)
鳴門渦潮高校(四国1/徳島) 1-1(PK:5-4) 日本航空高校(関東5/山梨)
松商学園高校(北信越3/長野) 3-2 鳳凰高校(九州2/鹿児島)
藤枝順心高校(東海2/静岡) 1-0 日ノ本学園高校(関西1/兵庫)
第26回全日本高等学校女子サッカー選手権大会
開催期間:2017年12月30日(土)~2018年1月7日(日)
会場:三木総合防災公園(兵庫県三木市)、五色台運動公園(兵庫県洲本市)、いぶきの森球技場(兵庫県神戸市)、しあわせの村(兵庫県神戸市)、神戸総合運動公園(兵庫県神戸市)
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