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皇后杯 JFA 第40回全日本女子サッカー選手権大会 前回女王の日テレなどベスト16が出そろう
2018年11月26日
皇后杯 JFA 第40回全日本女子サッカー選手権大会は11月25日(日)、各地で2回戦8試合が開催され、富山県総合運動公園陸上競技場では2試合が行われました。
ピックアップマッチ1
伊賀FCくノ一(なでしこ2部/三重) 1-2(前半0-0、後半1-2)帝京平成大学(関東7/千葉)
第1試合では、伊賀FCくノ一と帝京平成大学が対戦しました。伊賀FCは1年でのなでしこ1部復帰を決めており、帝京平成大は関東大学女子リーグ1部初制覇に続いて初の皇后杯出場と、勢いのあるチーム同士の対戦となりました。
なでしこ2部で優勝を果たした伊賀FCは全体をコンパクトに保ち、球際でも厳しさを出し、サイドを起点に相手ゴールへ迫ります。対する挑戦者の立場の帝京平成大は、「ワイドが空いたり、縦を崩せるという点は狙っていた」(矢野喬子監督)と、粘り強い守備からスピードある前線を走らせてチャンスをうかがいます。大竹麻友選手や今田紗良選手がロングパスで抜け出す形を何度か見せ、14分、35分と枠内へのシュートにまで持ち込みました。
伊賀FCは後半に入ると、前半には押し込みながらも一つも獲得しなかったCKを連続で奪います。相手陣でFKを蹴る機会も増えていくと68分、セットプレーのチャンスを生かします。左CKのこぼれ球をつなぐと、ゴール前で森仁美選手が頭で合わせて、ついに均衡を破りました。
しかし、この先制点がさらなる試合のうねりを生み出します。追う立場になった帝京平成大は、チーム全体が相手ゴールへ向けて走力をアップ。すると86分には素早く送り込まれた自陣からのFKに懸命の走り込みを見せた佐久間未稀選手が相手クリアを体で防ぎ、こぼれ球をパス。最後は今田選手が豪快にたたき込んで試合を振り出しに戻しました。すると学生チームはさらに勢いを増し、アディショナルタイムには市川碧選手の左サイド突破からのクロスを、河野有希選手がたたき込んで逆転。終盤の劇的な展開で、帝京平成大学がもちろん初めてとなる3回戦へと進出しました。
ピックアップマッチ2
日テレ・ベレーザ (なでしこ1部/東京) 6-1(前半5-0、後半1-1)JFAアカデミー福島(東海1/静岡)
第2試合では、日テレ・ベレーザ (なでしこ1部/東京)とJFAアカデミー福島(東海1/静岡)が対戦しました。奇しくも昨年の2回戦と同じカードで、前回大会は6-0でベレーザが勝利していました。
序盤から、すでにリーグとリーグカップの2冠を達成している日テレが、高い個人技を有機的に結びつけるさすがのプレーで押し込みます。開始8分、籾木結花選手はボックス内に走り込んでボールを呼び込むと、GKもかわして先制点。籾木選手は17分に長谷川唯選手の浮き球パスを競り合って田中美南選手へのアシストとすると、20分には長いドリブルからシュートにまで持ち込み自身2点目のゴール、31分には相手GKからのボールを拾って躊躇なくシュートと、早くもハットトリックを達成。さらにリーグMVPの田中選手が追加点を奪い、日テレが前半だけで5-0と大量リードを奪いました。
後半早々にも日テレが追加点を奪い、ゴールラッシュが続くかと思われました。足を止めずに懸命に戦い続けるac福島でしたが、ボールの奪いどころを絞り切れず、ボールを回収しても攻めに焦りが見えるばかりでした。それでも日テレがシュートに持ち込む場面が減っていくと、ac福島が意地を見せます。79分、敵陣中央でボールを受けた遠藤純選手は、ドリブルで少し持ち上がると、遠目から思い切ってシュート。これがゴール右隅に決まり、ac福島が昨年の対戦では奪えなかった得点を手にしました。
日テレは交代枠を使い切った後に脱水症状となった選手が出て10人での戦いを強いられますが、逆に再度ギアを上げたようにボールを動かします。ac福島も必死に食らいつき続け、結局6-1でタイムアップ。日テレは連覇に向け、ac福島は昨年の点差を1つ縮めてと、ともに一歩を踏み出す試合となりました。
これでベスト16が出そろい、12月1日(土)と2日(日)に行われる3回戦で、準々決勝進出を争います。
監督・選手コメント
大嶽直人 監督(伊賀FCくノ一)
残念な結果と言うしかありません。いつものセカンドボール回収や縦への推進力を出せず、引いた相手の裏を突くボールも出せない時間が続いたことで、この結果になりました。1点取ったからといって重心を下げるのではなく、恐れず次のゴールを奪いにいくのが私たちの目指すサッカーです。ただ、引いている相手によるカウンターへのリスク管理が甘かった。来年から戦う1部のチームとの対戦も楽しみにはしていましたが、まずは目の前の勝負をどう戦うかが問題です。今日は私たちの弱点がたくさん出て逆に良かったと思うし、それをいかに選手たちが跳ね返すか、来季に向けてすごく良い勉強になると思いました。
矢野喬子 監督(帝京平成大学)
すごく難しい試合でしたが、選手たちが体力的にも技術的にも強い相手に対してよく戦ってくれました。テーマとしている守備面の強化を特に出せた試合でした。いくら攻撃力があっても守備がもろいと勝てないと話してきた3年間の詰み重ねが、今年につながっているように思います。それに最近大事にしている失点後に崩れない守備を今日もしっかり出せるなど、粘り強い戦いが結果に出ました。監督として皇后杯に出るのは何だか変な感じがしますが、立場が変わったことで、チームがどうやって支えられているのかすごくよく見えてきました。人のつながりや支え合いにもっと早く気付けていたらと思いますが、選手ではなくとも再び皇后杯にかかわれることをすごくうれしく思います。
籾木結花 選手(日テレ・ベレーザ)
得点を意識するというより、自分のポジションに求められる役割を、全力でこなそうと思っていました。前半からシュートチャンスをつくれたり、得点できたことは少しは自信につながったと思いますが、試合ごとに成長するということを考えると、改善点はまだまだあると感じました。最後の失点は余計でしたし、後半は選手やポジションが変更になって、うまくいかないことが多くありました。そういう時にどううまく合わせるかを課題として、次につなげていきたいです。連覇はそれほど強く意識していませんし、油断できない戦いが続くと思うので、毎試合変わらぬ気持ちで頑張りたいです。
遠藤純 選手(JFAアカデミー福島)
去年の対戦では一度も攻める場面がなく、自分たちの特長である攻撃力を出せずにすごく悔しい思いをしました。攻守の切り替えの瞬間に全体の意識が攻撃に移らず後手になる部分はありましたが、皆で声をかけ合いながら修正しました。シュートを打った瞬間のことは全然覚えていませんが、ゴールネットが揺れた時はすごくうれしかったです。自分で得点できたこともそうですが、チームとして1点取れたことなど、成長したと思える部分は大きいです。このチームでの試合は最後になりましたが、私自身も次のステージへ上がりますし、これで終わりにせず頑張りたいと思います。
開催期間:2018年11月3日(土・祝)~2019年1月1日(火・祝)
【1回戦】 2018年11月3日(土・祝)・4日(日)
【2回戦】 2018年11月24日(土)・25日(日)
【3回戦】 2018年12月1(土)・2日(日)
【準々決勝】 2018年12月22日(土)
【準決勝】 2018年12月29日(土)
【決 勝】 2019年1月1日(火・祝)
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