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浦和レッズ、3度目のアジア制覇ならず ~AFCチャンピオンズリーグ2019~
2019年11月25日
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2019の決勝第2戦が11月24日(日)に埼玉スタジアムで行われ、2年ぶり3度目の優勝を目指した浦和レッズはサウジアラビアのアルヒラルに0-2で敗れて、2戦合計0-3で準優勝に終わり、昨年の鹿島アントラーズに続く日本勢3連覇はなりませんでした。
アルヒラルは2002年に発足したACLでは初優勝で、前進のアジアクラブ選手権を含めると2000年以来のアジア制覇、2011年のアルサッド(カタール)以来8年ぶりの西地区クラブがアジアの頂点に立ちました。12月にカタールで行われるFIFAクラブワールドカップにアジア代表として出場します。なお、アルヒラルFWバフェティンビ・ゴミス選手が11得点を挙げて大会得点王になり、大会のMVPにも選ばれました。
11月9日にアウェイで戦った第1戦を0-1で落した浦和は、逆転優勝するには2点差以上の勝利が必要です。
浦和の先発にはGK以外は第1戦と同じ顔触れで、累積警告で出場停止だったGK西川周作選手が復帰。得点が期待される前線には、今大会ここまで8得点でACL日本人最多得点を26と伸ばしているFW興梠慎三選手、広州恒大(中国)との準決勝第1戦で得点を挙げたMFファブリシオ選手、攻守にハードワークするMF長澤和輝選手を配置。両ウィングの橋岡大樹選手と関根貴大選手が絡んだ攻撃展開を狙っていましたが、立ち上がりから相手の積極的な攻撃に守勢に回る時間が長くなりました。
18日に来日して調整を重ねてきていたアルヒラルは、第1戦と同じ先発を用意。引き分けでも優勝が決まる状況でしたが、元フランス代表FWゴミス選手の1トップに、元イタリア代表MFセバスチャン・ジョビンコ選手、ペルー代表MFアンドレ・カリージョ選手、サウジアラビア代表のMFサレム・アルドサリ選手とMFサルマン・アルファラジ選手が前線に顔を出し、連係のとれた攻撃で浦和のゴールに迫ります。
浦和はこれにDFの鈴木大輔選手、槙野智章選手、岩波拓也選手を中心に対応。ボールを奪って攻撃に転じようとしますが、相手の攻撃を警戒する浦和は選手間の距離が遠く、サポートが不足。うまく攻撃を組み立てられず、セカンドボールも相手に獲られる場面が増えて苦戦します。
それでも前半9分に左サイドからのクロスに橋岡選手が右足でゴールを狙って相手GKに止められ、25分には左サイドで関根選手のパスを受けた興梠選手が攻め上がってクロスを入れると、長澤選手がゴール前で落し、関根選手が走り込んでシュートを放ちます。しかし、これは相手DFに阻まれました。
37分にも左の関根選手のクロスを右サイドの橋岡選手が中へ折り返し、MF青木拓也選手がペナルティエリア手前で左足を振りますが、枠を捕えることができません。
その直後に、アルヒラルはカウンター攻撃からゴミス選手がペナルティエリア左に切り込み、近い距離から浦和ゴールを狙いますが、GK西川選手がセーブします。
前半を0-0で折り返し、まずは1ゴールを奪いトータルスコアをイーブンに戻したい浦和は、後半開始早々に右サイドから前線の興梠選手へ長いパスを入れ、落したところを関根選手が右へクロスを上げて橋岡選手が走り込んで頭で合わせますが、これは相手DFに止められます。
試合を決めたいアルヒラルは50分、左サイドの仕掛けからゴール前でゴミス選手が合わせ、自身のリバウンドにも鋭く反応して連続シュートを狙いますが、GK西川選手と守備陣で対応します。
浦和は56分に右サイドから橋岡選手と長澤選手で仕掛けてクロスを入れ、ファブリシオ選手が頭で合わせますが、相手GKに止められました。
浦和は63分にMF柏木陽介選手、71分にはFW杉本健勇選手を投入しますが、相手の攻撃に防戦に回る流れは変わらず、69分にはジョビンコ選手の右クロスにゴミス選手がペナルティエリアで受けて右足シュートを打たれますが、再び西川選手のセーブで浦和は難を逃れます。
しかし74分、ついにゴールを割られます。右サイドからカリージョ選手から、中央のアルファラジ選手、左のジョビンコ選手とテンポよくつないでゴール前へ折り返すと、中央に顔を出したアルドサリ選手が右足で合わせてゴールを揺らし、勝敗を決定づけました。
アルヒラルはアディショナルタイムにも右サイドを突破したカリージョ選手のクロスに、ゴミス選手が右足を合わせて自身今大会11得点目となるゴールで追加点を奪い、2-0で試合を終えました。
監督・選手コメント
大槻毅 監督(浦和レッズ)
アルヒラルの関係者、サポーターにお祝いを述べたいと思います。1戦目のビハインドをしっかり返そうと試合に入りましたが、前半に1つ獲れず、その後少しずつ前に行かなければ行かなくなり、1点獲られて前に出るしかなくなって、2失点目はその流れでした。難しい試合でした。アルヒラルも非常に良いチームでしたが、どのチームとも、どちらに転んでも分からないところをここまで来られたのは選手の頑張りとパフォーマンスがあってのことで、感謝しています。決勝でもう一つ先を引き出して上げられず、大変申し訳なく思っています。
1戦目から2戦目へ良い準備をして成果を出してこられたと思いますが、西アジアへの移動など環境に適応する点で、以前はできていたが今回できなかった決勝第1戦の前の合宿など、クラブとしてもう少し取り組めるところがあると思いました。こういうことを我々だけでなく日本のサッカーの経験として蓄積されていくこと、特にクラブ単位の大会での蓄積が非常に重要だと思います。
GK 西川周作 選手(浦和レッズ)
西アジアのチームに、チームとしての力、個の力でも、外国人選手に差を付けられることがあったと思いますし、そこは全員が悔しい思いをしています。まだまだやらなくてはいけないということに尽きます。この悔しさをどう活かすかはみんな、自分自身だと思うので、必ず活かしたいと思っています。
DF 岩波拓也 選手(浦和レッズ)
獲られるのが一番苦しい展開だと思っていた。0-0をいかに長くできるかが、今日の鍵でした。相手はかなりハードワークできる選手たちで、前回は少し落ちたのに今回は90分間落ちなかった。相手の勝利に対するメンタルなのか、悔しさを持ってここに来たのかは分からないですけど、全てにおいて上回られたのは事実かなと思います。
DF 鈴木大輔 選手(浦和レッズ)
相手が後半少し前に出たところを耐えて自分たちの流れにできたら良かったのですが、自分たちが耐えて流れになりそうな、ボールを持ったところの時間帯で逆にカウンターを食らってしまいました。11人の総合力というのがアルヒラルはすごく高くて、個のところだけでなく、11人のチームとしてやられたと感じました。
MF 関根貴大 選手(浦和レッズ)
守備でもうまくはめられてしまったというのがありました。今まで対峙してきた中でもこれだけ能力の差を感じたのは初めてで、個人的に今までで一番なにもできなかったですし、自分の弱さを改めて知る2試合になりました。
MF 阿部勇樹 選手(浦和レッズ)
決勝まで来られたのは偶然ではないと思いますし、負けたからと言ってそれを全部なくすのではなく、なぜ決勝まで来られたのか、ポジティブなところを考えたい。決勝ですごくいいチームと戦えて、チームとしても選手としても悔しさの中に感じたものがあると思うので、それを活かしていかないといけないと思います。
ラズヴァン・ルチェスク 監督(アルヒラル)
ゴミス選手がたくさん得点してくれたことに感謝したい。難しい試合が続いたが、しっかり勝ててうれしく思います。みんなでハードワークしたことでこのタイトルを獲ることができましたが、何と言っても選手抜きにはありえないことです。彼らに感謝したいと思います。
FW バフェティンビ・ゴミス 選手(アルヒラル)
MVPなど個人賞はうれしいですが、チームで優勝できたことが一番です。当初は個人技があるだけの選手の集まりだったのを、監督が組織として戦えるチームにして、強さを引き出してくれました。自分をクラブに呼んでくれて、20年近く獲れてなかったアジアタイトルも獲れて、監督のおかげです。感謝します。
大会期間:
プレーオフ:2019年2月5日(火)~19日(火)
グループステージ:2019年3月4日(月)~5月22日(水)
ラウンド16:2019年6月18日(火)~8月13日(火)
準々決勝:2019年8月27日(火)~9月18日(水)
準決勝:2019年10月1日(火)~10月23日(水)
決勝:第1戦/2019年11月9日(土)、第2戦/2019年11月24日(日)
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