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ベスト4が出そろう!静岡学園は23年ぶりの4強入り 第98回全国高等学校サッカー選手権大会
2020年01月06日
第98回全国高等学校サッカー選手権大会は1月5日(日)に、等々力陸上競技場と駒沢陸上競技場の2会場で準々決勝4試合を行いました。
ピックアップマッチ1
矢板中央高校(栃木) 2-0(前半2-0、後半0-0) 四日市中央工業高校(三重)
ベスト4入りをかけた一戦は、矢板中央のペースで試合が進みました。後方からボールを動かす四日市中央工業に対し、「矢板中央のFWに求められるのはハードワーク、空中戦、球際。立ち上がりに前からボールを奪いに行き、相手に長いボールを蹴らそうとした」と明かす西村碧海選手と多田圭佑選手の2トップが高い位置からの守備を徹底。奪ってからは、「ボールを跳ね返してカウンターを意識した」(長江皓亮選手)とシンプルに前線へとボールを入れて、速攻を狙いました。
すると、12分には自陣左でボールを持った加藤蒼大選手のロングフィードから、柿崎貴翔選手がゴール前にクロス。ゴール前で待ち受けた多田選手が豪快に決めて矢板中央が均衡を崩しました。続く20分には相手DFでのボール回しを多田選手が高い位置でカット。そのままドリブルでGKとの1対1に持ち込み、最後は冷静にゴール右隅に流し込みました。後半は、2点のリードを守るべく、相手がボールを持ったらピッチ上の選手全員でブロックをつくり、森夢真選手を中心に反撃を狙った四日市中央工業の攻撃をシャットアウト。狙い通りのゲームプランで試合を進めた矢板中央が2-0で勝利し、2年ぶりの準決勝進出を果たしました。
ピックアップマッチ2
徳島市立高校(徳島) 0-4(前半0-3、後半0-1) 静岡学園高校(静岡)
徳島市立と静岡学園による第2試合は、「相手は5バックで絶対に中をやらせない守備をしてくる」(川口修監督)という静岡学園の想定とは裏腹に前半のうちに試合が動きました。16分には、小山尚紀選手の仕掛けから左CKを奪うと、「自分が良いキックすれば点が取れると思っていた」と振り返る井堀二昭選手がゴール前に浮き球を展開。阿部健人選手が打点の高いヘディングで合わせて、静岡学園が均衡を崩しました。
今大会初となるCKからの得点によって勢いに乗った静岡学園は、22分にも左サイド高い位置でFKを獲得。井堀選手が上げたクロスは、川口監督が「(今大会2点を奪い)気持ちが前向きになっている」と話す岩本悠輝選手が頭で決めて2点差に。40分には右サイドをドリブルで攻め上がった松村優太選手のクロスから、岩本選手がヘディングシュートをたたき込み、3点リードで試合を折り返しました。
後半も静岡学園は攻撃の手を緩めません。積極的にサイドを仕掛けて、徳島市立のエリアで試合を進めます。70分には、左サイドを抜け出した松村選手がゴール前にパス。相手DFに当たり、ゴール前にこぼれたボールを岩本選手が豪快に決めてタイムアップ。4-0で快勝した静岡学園が23年ぶりとなる4強入りを決めました。
監督・選手コメント
長江皓亮 選手(矢板中央高)
昨年は試合に出られずに終わりました。ベスト8で負けた青森山田高校戦もベンチで試合を見ていて、悔しかった気持ちを今日の試合にぶつけました。県予選では全試合で失点していたのですが、3回戦の鵬学園高校戦で初めて無失点で勝てました。今日ももう一回、守備から試合に入ろうと話していました。空中戦で勝って、セカンドボールを拾うという意識を全員で統一できたと思います。僕自身も失点の責任を感じていたので、また無失点で勝ててうれしいです。
伊室陽介 監督(四日市中央工業高)
対策はしてきたのですが、矢板中央の強度の中で我々の良さが出せませんでした。まだベスト4に行くだけの力がないと感じた試合です。相手が前から奪いに来るのは分かった上で、相手の一列目と二列目で引き付けていこうとミーティングで繰り返し言ってきました。それができないのは一年間の積み上げの差で、相手はプリンスリーグの中で揉まれてきたのに対し、我々は三重県1部リーグ。そうした日常の差が結果につながったと思います。パスのズレを無くしたり、ボールを出した後に関わったり、質を高めないと今日のように強度が高い相手には通用しないと感じました。
川人太陽 選手(徳島市立高)
今日の試合は全員で「ここまで来たんだから楽しもう」と声を掛け合って、試合に挑みました。結果は残念でしたが、みんなで最後まで頑張れたのは良かったです。大会を通じてもっと攻撃をしたかったけど、僕たちは守備のチーム。残念な結果に終わりましたが、守備の力は見せることができたと思います。個人としては昨年より落ち着いてプレーできました。昨年は守備ばかりだったのですが、3回戦ではボールを持てる機会もあったので、手応えを感じました。後輩たちを上の舞台まで連れてくることができたので、彼らにはベスト8以上まで行ってほしいです。
川口修 監督(静岡学園高)
今大会はCKから点が取れていなかったので、一発決めようと昨日も練習しました。今日のゲームは、CKから点が取れたことに価値があり、選手たちも決めたかった形で決まったので気持ちが乗っていったように感じます。また、選手には「できるだけゴールに近いところでボールを奪えればチャンスになる」と伝えていました。攻撃も守備もやらなきゃいけない場面があります。駄目なときは誰かが分かっていなくて失点したり、チャンスを逃しますが、選手権予選から意思統一できているのが結果につながっています。
第98回全国高校サッカー選手権大会
大会期間:2019/12/30(月)~2020/1/13(月・祝)
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