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プレミアリーグ出場チームの現状~FC東京U-18・中村忠監督インタビュー
2020年05月22日
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、各種大会は中止・延期となっています。その中で、U-18年代最高峰の高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2020に出場するチームはどのような活動をしているのでしょうか。今回はFC東京U-18の中村忠監督に話を聞きました。
※このインタビューは5月14日(木)にウェブ会議システムを利用して行いました。
――現在の活動状況を教えてください。
中村 FC東京U-18は2月24日(月・祝)からチーム活動を自粛しています。
――選手たちに個別の練習メニューを渡すなどの対策はしているのでしょうか。
中村 当初は活動自粛期間を1カ月程度と想定していたので、再開時にフィジカル面が著しく落ちることがないよう、フィジカルトレーニングのメニューを用意して「フィジカル維持に向けて各自で取り組んでください」という形で始めました。5月からはウェブ会議システムを導入し、コーチの指導で週1~2回、学年ごとにオンラインで体幹トレーニングをしています。その時にトレーニングや連絡事項を伝えるだけでなく、選手同士で歓談したりして、気持ちが離れないようにもしています。
――個々のトレーニング状況はどのように把握しているのでしょうか。
中村 新2、3年生については、自主トレーニングをした日はその内容をメールで送ってもらうようにしています。あとは電話で週1回は必ず会話をしています。新1年生が入ってきてからは他のコーチにも分担してもらい、全選手が週に1~2回、スタッフと会話する形を取っています。さらにオンライントレーニングも取り入れたので、選手たちは「多いな」と思っているかもしれませんが(笑)。
――何か良かった面などはありますか?
中村 我々が出したメニューの達成率を、選手たちはよくパーセンテージで出してくるのですが、やることができなかった日は正直に「ゼロ」と書いてくる選手もいますし、毎日のように「100パーセント」と出してくる選手もいます。内容についてメールや電話で確認をしているので、普段より会話ができている印象はありますね。自主トレでけがをしたり、具合が悪くなったりした時はコーチが対応してくれますし、テクニカルな部分も映像などを送って課題を提供してくれます。私自身は進路など全般的な部分の会話をすることが多いですし、それぞれが違う角度で、選手とコミュニケーションがとれています。
――選手たちはメンタル的に厳しい状況を過ごしていると思いますが、監督からは具体的にどのような話をされたのでしょうか。
中村 活動エリアが東京という最も感染リスクが高い地域なので、まずは手洗い・うがいを怠らず、夜間の外出、不要不急の外出を避けて、公園での自主トレなど最小限の外出にとどめること。また、学校の課題があったり、リモート授業が始まっているところがあるので、勉学を疎かにしないように伝えました。それから、こういう時だからこそ家の手伝いなどもしっかりやりなさいと。サッカー面については、成長していくために必要なことがそれぞれあるので、この自粛期間がマイナスになるのではなく、この部分が強くなった、うまくなった、賢くなった、と成長できる期間にしてほしいというのは強く伝えています。
――高体連ではインターハイ(全国高等学校総合体育大会)が中止になるなど、選手たちのアピールの場が失われてしまう状況が起こっています。
中村 FC東京U-18の選手の場合はトップチーム昇格が目標であり、今シーズンも多くの選手をトップチームへ登録(2種登録)を予定していますが、まだJ3リーグが開幕せず、トップチームも練習ができていないので、U-23の試合に出場したり、トップ昇格に向けてアピールしたりといったことができていません。特に3年生はその部分で焦りを感じているようです。昇格できなかった場合は大学進学が大きな選択肢になりますし、この活動自粛の影響で昇格や進学ができない、という事態にならないよう各方面と連絡を取り、選手本人や保護者の方に随時、伝えるようにしています。
――プレミアリーグは本来なら4月に開幕し、毎週末、全国トップレベルのチームと対戦するというサイクルがありました。それが後ろ倒しになったことで、1試合にかける思いはより強くなると思います。
中村 いつ開幕するかはまだ分かりませんが、選手たちには「開幕後に自分の力をしっかり示しなさい」と伝えてあります。ピッチで表現することがサッカー選手の役目ですし、そのための準備をしっかりしてほしいですね。
――U-18年代のファン・サポーターの方へのメッセージをお願いします。
中村 選手たちからは「早くこの状況が終わってピッチに立ちたい」いう気持ちが伝わってきます。プレーできる状況になったら全力で試合をして、観戦に来られた方たちに「やはり高校生の試合は面白いな、彼らはすごいな」と思ってもらえるように準備していきますので、楽しみに待っていてください。
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