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G大阪、パトリック選手の2得点で全北現代とドロー
2021年06月30日
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2021東地区グループステージのグループHの試合が6月28日(月)(日本時間29日)にタシュケントで行われ、ガンバ大阪は韓国Kリーグ4連覇中の全北現代モータースと対戦し、2点のビハインドからFWパトリック選手の2ゴールで追いついて2-2で引き分けました。
4年ぶり10回目の出場のガンバが全北と対戦するのは2015年大会準々決勝以来で通算3大会目。前回の顔合わせでは1勝1分けで4強に進出しましたが、過去2大会での韓国勢との対戦では2016年の水原三星(1分1敗)、2017年の済州ユナイテッド(2敗)とも勝っていません。白星でこの記録を止めたいところですが、試合は思わぬ展開で始まりました。
ガンバは勝利した25日のタンピネス・ローバーズFC(シンガポール)戦から先発2人を入れ替え、システムを従来の3バックに戻して臨みましたが、開始2分で相手に先制を許します。全北GKからのロングボールを前線でテンポよく繋がれ、FWスタニスラフ・イルチェンコ選手に決められました。
ガンバは長いボールを織り交ぜながらワイドに組み立て、MF井手口陽介選手やCKの流れからMF矢島慎也選手が相手ゴールに迫る場面を作りますが、ゴールが生まれたのは再び全北でした。
前半17分、イルチェンコ選手のシュートのリバウンドを、福岡出身で昨季から全北でプレーするMF邦本宜裕選手が左足で捉え、全北がリードを広げました。
反撃に出るガンバは左サイドでDF藤春廣輝選手の攻撃参加からチャンスを作り、27分に藤春選手からのクロスボールにゴール前のスペースに入ったパトリック選手が頭で合わせて1点を返します。
さらにその4分後には、左右に大きく振る展開から同点に追いつきます。左サイドのFW宇佐美貴史選手からペナルティエリア右へ詰めた矢島選手へクロス。これを矢島選手がダイレクトで逆サイドへ折り返し、顔を出したパトリック選手が右足で合わせてゴールネットを揺らしました。パトリック選手は2試合連続得点で、今大会3得点目です。
追加点が欲しいガンバですが、後半開始早々に左サイドで攻撃を活性化させていた藤春選手が足を傷めて交代します。後半半ばにFWレアンドロ・ペレイラ選手とMF倉田秋選手をベンチから送り出し、宇佐美選手、MF小野瀬康介選手らが絡んで攻撃を組み立てますが、相手ゴールを脅かすまでにはいきません。
初戦に続く勝利が欲しい全北は、後半からブラジル人FWグスタボ選手を入れて、イルチェンコ選手との2トップで得点を狙います。65分にはロングボールをイルチェンコ選手が落とし、これを受けたグスタボ選手が右足を振ります。後半終盤にもクロスボールに反応したグスタボ選手が頭で合わせますが、GK東口順昭選手のセーブもあり、ゴールを割ることはできません。
両者とも最後まで追加点は奪えず2-2で試合終了。勝点4で並び、ガンバが得失点差で首位を維持しました。
ガンバ主将のDF三浦弦太選手は試合開始直後の2失点を振り返って、「非常にもったいなかったが、そこからとり返すパワーを出せたのは収穫」と受け止める一方で、「立ち上がりの失点は改善しないと。無失点でいけば非常に有利に試合を進めていける」と話していました。
ガンバは7月1日の第3戦でタイのチェンライ・ユナイテッドと対戦します。チェンライはこの日、タンピネス・ローバーズ(シンガポール)を1-0で下して初の勝点3を手にしています。
名古屋が3連勝、山﨑選手がハットトリック
バンコクで行われているグループGでは、28日に名古屋グランパスが第3戦で地元タイのラチャブリFCと対戦し、FW山﨑凌吾選手の前半のハットトリックなどで4-0の快勝を収め、3連勝で首位をキープしました。
前半途中から突然降り出したスコールの中、積極的に攻撃を仕掛ける名古屋は前半26分、CKの流れからFWマテウス選手が入れた鋭いクロスに山崎選手が頭で合わせて先制。その5分後には再び山﨑選手が、DF吉田豊選手の縦のクロスに相手DFの間に入ってヘディングで2-0とし、前半終了間際にはFW前田直輝選手のシュートのリバウンドに反応して左足で決めてハットトリックを達成しました。
カウンター攻撃で反撃を試みるラチャブリに対して、名古屋は後半も主導権を握って試合を進め、途中出場のFW齋藤学選手が69分にドリブル突破から追加点をマーク。その後も前田選手や交代出場のFW柿谷曜一朗選手、MF森下龍矢選手らが相手ゴールを脅かしました。
山﨑選手は「悪天候で難しい試合だった」と振り返り、「いつもDFにはゼロで押さえてもらっている。得点で貢献できてよかった」と安堵と喜びの表情を見せていました。
G組のもう1試合では浦項スティーラーズ(韓国)がジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)に4-1で勝利。2勝目で2位に浮上しました。
セレッソ、傑志に逆転勝利で2連勝
セレッソ大阪は、タイのブリーラムで27日に行われたグループJ第2戦で香港の傑志と対戦。先制を許したものの、FWアダム・タガート選手とDFチアゴ選手の後半の得点で2-1の逆転勝利を収め、2連勝でグループ首位を維持しました。
高温多湿の暑さの中、セレッソは守りを固める相手にボールを保持し、粘り強く攻撃を仕掛けますが、経験豊富な選手を揃えた傑志がカウンター攻撃1本で先制します。FWクレイトン選手の折り返しに、韓国や中国リーグなどで活躍したFWデヤン・ダムヤノビッチ選手が右足を振って得点。傑志のこの試合最初のシュートがゴールになりました。
セレッソが追い付いたのは69分。MF坂元達裕選手が右サイドを突破して中へ折り返し、相手GKが弾いたところをタガート選手が押し込みました。さらにその2分後には、チアゴ選手がミドルレンジから低い弾道の強烈なシュートを決めて、一気に逆転しました。
2試合連続での得点となったチアゴ選手は、「相手が固い守備をしてきて難しい試合になったが、そういう試合ではミドルシュートが必要だと思った」と振り返り、セレッソのレヴィ・クルピ監督は「選手たちは最後まで諦めず、勇気とパワーを持って逆転を目指して勇敢に戦い続けた」と選手たちの姿勢を称えていました。
セレッソは30日の第3戦でタイのポートFCと対戦します。ポートはこの日、広州FC(中国)に3-0で勝ち、1勝1敗で傑志と同率で2位に並びました。広州は2連敗です。
川崎が若手主体の北京に7発の快勝
川崎フロンターレは29日(日本時間30日)、タシュケントで若手主体の北京FC(中国)に7-0と圧勝。前半交代出場の2得点のFW知念慶選手など6選手が得点する攻撃力を発揮して、2連勝でグループI首位をキープしました。
第1戦から先発メンバー6人を替えて臨んだ川崎は、左右の揺さぶりをかけて開始7分でFW長谷川竜也選手が先制。1分後にはFW小林悠選手が自らのシュートのリバウンドを右ポストに詰めたFW遠野大弥選手へ送り、遠野選手が落としたボールをMF橘田健人選手が右足で決めて早々に2-0としました。
北京は、今月上旬にUAEでのFIFAワールドカップアジア2次予選に臨んだ中国代表選手が新型コロナウイルス感染防止対策で帰国後の隔離期間にあり、国内リーグの日程の都合もあって、他の中国勢と同様に若手主体のチーム編成で臨んでいます。序盤は勢いとスピードを活かして攻撃を試み、FWリー・ボシ選手が川崎ゴールに迫る場面を作りましたが、早々の2失点で後ろへシフト。その後は川崎が押し込む展開となりました。
前半途中で小林選手が足を傷めて交代を余儀なくされましたが、チームは得点を続け、41分に遠野選手が加点。後半開始早々には橘田選手が倒されて獲得したPKを知念選手が決め、51分にはDF山村和也選手がCKから得点します。56分にはMF脇坂泰斗選手がミドルシュートで、その3分後には知念選手が右クロスに合わせて自身2点目をマーク。最後まで攻勢を緩めず、終わってみれば相手の2本に対してシュート33本の猛攻でした。
脇坂選手は「前節立ち上がりで失点したので、まずは先制点を取ろうと試合前から離していた。先制してその流れで畳みかけることができたのはよかった」と振り返り、異なる選手が得点したことについて「どこからも点を獲れるようなチームになっていかなければならないので、点差が開いた展開でも、それができたことはよかった」と話しました。
次戦は7月2日にフィリピンのユナイテッド・シティFCと対戦します。ユナイテッドは第2戦で大邱FC(韓国)に0-7で敗れ、現在2連敗でグループ最下位です。
コメント
松波正信 監督(G大阪)
韓国チャンピオンに対して非常にいい戦いをしたのではないかと思います。先制、2点目と獲られた中でも自分たちのやりたいことをしっかり出して、価値ある勝点1だったと思います。相手がシンプルにボールを入れてきて、我々が前がかりになったところでスペースが生まれて簡単に失点してしまいました。セカンドボールに対しての反応やポジショニングは少しアバウトなところがあったので、ディテールのところをもっと詰めていかないと、ああいう2失点につながってしまいます。ビハインドの中で追いついたところは良かったですが、後半もチャンスは何回かありましたし、それを決めて勝ち切るというところができなかった。そこは取り組んでいかないといけないですし、しっかり分析して次につなげたいと思います。
DF 藤春廣輝 選手(G大阪)
入りは相手に圧倒されて2点入れられたのですが、慌てることなくしっかりボールを持って回せました。早い段階で1点獲れて「いける」という雰囲気になったので、2点目が獲れたのも大きかったと思います。(1点目の場面は)パトリック選手が見えていたので、ダイレクトで上げた方がいけるかなという判断でした。いいところに行って狙い通りでした。0-2から勝点1を獲れたのはガンバにとってプラスです。他にもチャンスがあったので、精度をもっと上げていけばあと2、3点は獲れたと思います。
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