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「準決勝以降が楽しみ」阿部勇樹さん×大久保嘉人さん特別対談 天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会

2022年09月02日

「準決勝以降が楽しみ」阿部勇樹さん×大久保嘉人さん特別対談 天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会

天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会は9月7日(水)に準々決勝が行われます。ここでは昨シーズンをもって選手生活にピリオドを打った阿部勇樹さんと大久保嘉人さんにご登場いただき、天皇杯の思い出や今大会に期待することなどを聞きました。

○オンライン取材日:2022年8月2日

――盟友とも言える二人は、奇しくも同じタイミングでスパイクを脱ぐことになりました。昨シーズン限りでの現役引退の知らせを聞いたときは、どのように思いましたか。

阿部 (大久保)嘉人はあと2年くらい現役を続けると思っていたけど?

大久保 まだやろうと思えばできたけど、急にもういいかなと思って。阿部ちゃんこそあと1年はプレーすると思っていたけど。

阿部 2年前、3年前からそろそろ引退するかもしれない、と家族に話をしていたから。2020年シーズンを終えたとき、「まだやりたい」という熱が昔ほど湧いてこなくて……。それもあって、やりたい気持ちはあったけど、決断したかな。嘉人はやり切った感じだったの?

大久保 そうだね。もう十分かなって。次のステップに行こうと。この年齡になってくれば、若い頃と同じメンタルではないので……。

阿部 嘉人は、家族に相談したの?

大久保 いや、相談はしなかった。自分から「引退する」と言わないと、来年も続けてしまうから。一人で決めて、その後に家族に伝えたかな。

――最後の舞台は二人とも天皇杯の第101回大会でした。

大久保 僕のラストゲームは準決勝。対戦相手は阿部ちゃんのいる浦和レッズで、しかも会場は思い出深い埼玉スタジアム2002です。昔からヤジをよく飛ばされましたからね(笑)。でも、終了の笛が鳴ったとき、ここで現役を終わるのもいいのかな、としみじみ思いました。

阿部 僕の場合、3回戦以降は試合に出ていなかったから、リーグ戦がラストという感覚でしたね。優勝できたのは良かったですが、最後は嘉人とピッチの上で戦いたかったですね。

――二人がピッチの上で対戦した天皇杯は、2016年11月12日の第96回大会・4回戦でした。会場は等々力陸上競技場。先制ゴールは大久保さんのPKでした。

大久保 そのゴールは覚えていないけど、試合はPK戦になったんですよね。

阿部 スコアは延長戦まで点を取り合って、3-3。

大久保 僕はPK戦の記憶ばかりが残っています。一人目のキッカーが僕で、しっかり決めたんですよ。

阿部 嘉人もそうだった? 僕も後攻の一人目のキッカーでした。一発目はポストに当てたのですが、相手GKが先に動いたという判定で蹴り直して、決めたのを覚えています。

――二人ともPKは、あまり失敗していないイメージがあります。

阿部 嘉人は昔からPKは、あの蹴り方(ゆっくりとした助走からキック)だった?

大久保 いや、キャリアの途中で変えたんだよ。

阿部 嘉人の考えは、まさにフォワード気質。僕は楽しんで蹴っていました。どのようにGKをだましてやろうかなって。一発勝負のノックアウト方式でのPK戦は、天皇杯ならではの緊張感があります。

――二人とも10代の頃から天皇杯に出場し、数多くの試合を経験してきました。同大会の魅力は、どこにあると思いますか。

大久保 やはり、元日の決勝。準決勝までに負けた選手たちも、正月休みで実家に帰省すれば、こたつに入ったりしながら、テレビで試合を見ますからね。大勢の人たちが注目するなかでプレーできるのは魅力です。あのピッチに立てば、分かると思いますよ。1年が天皇杯の決勝から始まるのは、すごく気持ちいいんです。

阿部 天皇杯は高校、大学を含め、全国に数あるサッカーチームが参加するなか、頂点を決める大会です。決勝は、その中でもたった2チームしか戦えないわけですから。特別な場所ですよね。僕も幼い頃から元日の決勝は、テレビで見てきました。もちろん、プロになってからも。ずっと憧れの舞台でした。

――ただ、今年の第102回大会は異例の日程になっています。決勝は元日ではなく、10月16日に日産スタジアムで開催の予定です。

阿部 11月、12月にFIFAワールドカップカタール2022が開催されるので、スケジュールが変わってくるのは仕方ありません。

大久保 10月に決勝があるというのは今までにない日程ですね。

――今大会はすでに準々決勝まで進み、8強に絞られています。大久保さんがかつて所属したセレッソ大阪、ヴィッセル神戸、東京ヴェルディが残っています。最後に展望を聞かせてもらっていいですか。

大久保 J2の東京ヴェルディが奮闘すれば、盛り上がるでしょうね。セレッソ大阪も前回、準決勝で負けているから、今年は決勝まで行ってほしい。ヴィッセル神戸はリーグ戦で苦しんでいますが、カップ戦では優勝のチャンスもあると思っています。どのチームも頑張ってほしいです。ところで浦和は負けたの?

阿部 3回戦でJ2のザスパクサツ群馬に負けて……。

大久保 こういうことがあるのも天皇杯。だから、面白いんです。

阿部 最近の調子を見ると、セレッソ大阪が気になりますね。浦和で一緒にプレーした槙野智章選手、汰木康也選手が所属するヴィッセル神戸も頑張ってほしいです。

大久保 優勝経験を持つJ1勢の鹿島アントラーズ、京都サンガF.C.、リーグ戦で好調のサンフレッチェ広島もいますし、今回はどこが優勝するのか分かりません。ここからが楽しみです。

※お二人による特別対談は、試合会場などでご購入いただける大会プログラムに掲載しています。

【1回戦】5月21日(土)、22日(日)[予備日:5月23日(月)]
【2回戦】6月1日(水)、8日(水)
【3回戦】6月22日(水)[予備日:6月29日(水)]
【ラウンド16(4回戦)】7月13日(水)、20日(水)

【準々決勝】9月7日(水)[予備日:9月28日(水)]
【準決勝】10月5日(水)
【決勝】10月16日(日)

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