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高円宮杯第29回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会 茨城県内で1回戦がスタート
2017年12月17日
U-15年代の男子最強チームを決定する「高円宮杯第29回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会」が12月16日(土)に開幕し、茨城県内の各会場で1回戦16試合が行われました。
ピックアップマッチ1
青森山田中学校 1-3(前半1-2、後半0-1)大宮アルディージャジュニアユース
ケーズデンキスタジアム水戸での第1試合では、史上初の全国中学校体育大会4連覇を成し遂げた青森山田中学校(東北1)と、大宮アルディージャジュニアユース(関東4)が対戦しました。
先手を取ったのは大宮でした。開始3分、青森山田陣内でロングボールをうまく処理すると、大澤朋也選手が右サイドからゴール左に流し込みます。しかし、前半に勢いをつかんでいたのは青森山田でした。守備に回ると素早い横へのスライドで相手のパスコースを消し、ロングボールを蹴らせてはしっかりセカンドボールを回収。攻撃に移ると素早く縦にボールを動かし、大宮ゴールを目指します。先制された2分後にはPKを奪い、これを藤原優大選手がしっかり決めて追いつきました。
イニシアチブを握られていた大宮ですが、良い形でハーフタイムに入ることに成功します。42分、ドリブルでボールを動かせる柴山昌也選手がピッチ中央でボールを持つと、左に流れながら逆サイドへパス。顔を出していた須藤直輝選手が今度は左へスルーパスを送ると、飛び出してきたGKの鼻先で合わせた大澤選手のシュートがゴールへと収まりました。前半のラストプレーで、勝ち越すことに成功します。
前半からボールを広く動かして青森山田を揺さぶろうとしていた大宮は、リードして臨んだ後半にさらに加速します。相手のライン間に選手たちが次々と顔を出して縦へのパスも増え、個人の突破も出てくるようになりました。48分には、CKから追加点。こぼれ球を中山昂大選手が押し込みました。青森山田も、54分には粟津瑠来選手が最終ライン裏へと抜け出し、63分にも小野暉選手の右サイド突破からのクロスに合わせてシュートに持ち込みますが、前者はGKの好守に防がれ、後者はわずかに枠を外れました。青森山田は74分の選手交代などで打開を図りますが、流れを手放さなかった大宮が、決勝に進出した2013年度大会以来となる2回戦進出を決めました。
ピックアップマッチ2
京都サンガF.C. U-15 3-3(前半1-2、後半2-1、延長前半0-0、延長後半0-0、PK3-5)アビスパ福岡U-15
ケーズデンキスタジアム水戸 補助競技場での第2試合では、京都サンガF.C. U-15(関西3)と アビスパ福岡U-15(九州3)が対戦しました。開始5分、試合は早くも動きます。右サイドからのスローインを受けた石橋翔太選手が、少し距離がある位置からゴールへ向けてキック。このボールがそのままゴール左上に吸い込まれ、先制のゴールとなりました。京都が徐々に落ち着いてボールを動かすようになりますが、29分にはロングボールを京都DFがクリアしきれなかったところを拾い、最後はゴール前で受けた藤原尚篤選手が追加点を蹴り込みました。
京都は長短のパスで阪上天政選手の抜け出しを狙いますが、決定的な形にはいたりません。それでも2点目を奪われた2分後には、反撃の姿勢を形にします。右サイドでつなぐと、遠山悠希選手が逆サイドのゴール左隅を射抜きました。
点を取り合う展開で、次の得点を奪ったのは福岡。追加点は意表を突くような形で決まりました。50分、ハーフウェーラインを越えたあたりでボールを持った右サイドバックの砂川海人選手がドリブルでするすると相手をかわしてペナルティーエリアへ。そのまま左足を振り抜き、ゴールネットを揺らしました。
2点差とされた京都は、一気にギアを上げます。攻め込んだ選手が思い切ってゴールを狙うようになると、57分、ゴール左の角度がないところから上野剛選手が左足を振り抜き、1点差に迫ります。バーをかすめる一撃など福岡の反撃に冷や汗を流す場面がありつつも、京都は前への推進力を強めます。すると72分、ゴール前の混戦から日野歩選手が決めて3-3と試合を振り出しに戻しました。京都のシュート数は、後半だけで13本に上りました。
延長戦に入っても、両チームの必死のプレーは続きます。福岡は藤原選手のシュートがGK正面へ、京都は右サイドの突破からエリア内まで侵入して打った中野桂太選手の一撃がサイドネットと、互いに惜しい場面がありつつ、得点にはいたりません。試合はPK戦へともつれ込み、GK吉田翼選手が1本セーブした福岡が、2大会ぶりの2回戦進出をつかみ取りました。
17日(日)には2回戦8試合が行われ、ベスト8が出そろいます。
監督・選手コメント
谷口大晟 選手(大宮アルディージャジュニアユース)
事前に青森山田がロングボールを蹴ってくることは知らされていたのですが、パワーに圧倒されました。最初はボールが収まらず相手のペースになっていましたが、前半途中からボールを持って時間をつくることで、自分たちのペースにできました。監督からはハーフタイムに、裏に蹴ってくる相手のプレーに対してチャレンジ&カバーをしっかりやることと、ボールを失う回数が多かったので、もっと丁寧にプレーするように言われました。守備陣も声をかけ合いながらできたので、良かったです。夏のクラブユースではベスト8という悔しい結果に終わったので、今回は全員で力を合わせて必ず優勝したいと思っています。
上田大貴 監督(青森山田中学校)
立ち上がりと前半終了間際の失点が全てかな、と思います。良い守備からショートカウンターを決めていくというプランでしたが、あれだけ技術が高い相手には、一瞬の隙や個人の突破から違いをつくられてしまいます。この大会はJクラブと戦える数少ない機会であり、その舞台で勝つことを目標に「中体連代表」という気持ちで臨んだので、一番欲しいのは結果でした。3年生は次に、もっと厳しい高校の大会に飛び込んでいきます。ここでやれたこととできなかったこと、そして成功と失敗の体験を、今後のサッカー人生に財産として生かしてほしいと思います。
手島和希 監督(京都サンガF.C. U-15)
先に失点してしまったことで、リズムが出てくるまでに時間がかかってしまいました。それでも、ピッチ上でうまく切り替えてやってくれたと思います。1年間ずっとやってきて、成長の跡を目にすることができました。今日の試合で失点した後も、ずるずると引きずることはありませんでした。この結果は悔しいですが、これで終わるわけではありません。それぞれ、これからのサッカー人生でこの試合を活かして、さらに頑張ってほしいと思います。
森山公弥 選手(アビスパ福岡U-15)
試合前は、ロースコアの戦いになると予想して、厳しい戦いになるから皆で勝ち抜こうという話をしました。ストロングポイントを個々が出せるように、声をかけ合って盛り上げて、自分たちで仕掛けていこうと思っていました。僕たちは点を取られた後が弱みになので、失点の後は皆で落ち着こうと声をかけ合いました。まずは一昨年のベスト8に並ぶことを目標としていたので、ここから上を目指すために、もう一度まとまっていきたいと思います。
高円宮杯第29回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会
大会期間:2017年12月16日(土)~2017年12月28日(木)
会場:1回戦~準々決勝:茨城県内会場 / 準決勝~決勝:味の素フィールド西が丘(東京都)
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