ピックアップマッチ

富山第一高校　2-2（前半1-1、後半1-1）　東福岡高校

昨冬の全国高校サッカー選手権大会王者・富山第一高校（富山）と、夏の全国高校総合体育大会（インターハイ）を制した東福岡高校（福岡）。夏冬の高校チャンピオンがぶつかった一戦は、最後まで目が離せない展開となりました。

「この一週間、自分たちの方が強いんだという気持ちで練習していた」（村上寛和選手）と気合い十分で挑んだ富山第一を尻目に、東福岡が先手を奪います。8分、赤木翼選手がサイドを崩すと、最後はゴール前のパスに木藤舜介選手が飛び込み、スライディングでシュート。東福岡に先制点をもたらしました。その後も押し込む東福岡に対して、富山第一は体を張った守備で防ぎ、速攻で反撃を開始します。32分に左サイドからゴール前に切り込んだ西村拓真選手のゴールで試合を振り出しにすると、後半開始直後の47分には前線のスペースでパスを受けた坂本裕樹選手がドリブルシュートを決めて、逆転に成功しました。

以降も激しい守備を続けつつ、積極的に交代カードを切って逃げ切りを図る富山第一。しかし、東福岡は最後まで攻撃の手を休めず、相手ゴールへと迫ります。すると85分、坂井翔太選手がペナルティーエリア左からフリーでシュートを放ち、最後は相手GKが弾いたボールを藤川虎太朗選手が押し込み、土壇場で同点に追い付きました。試合は2-2のままタイムアップ。互いの意地がぶつかった一戦はドローに終わりました。

監督・選手コメント

大塚一朗 監督（富山第一高校）
僕たちは「インターハイのチャンピオンに勝ちたい」という勢いがあったことが良かったと思います。いつもサイドを崩されていたので、練習からそこを破られないよう意識していました。ふと気を抜くと先制された場面のように突破されましたが、選手たちはよく頑張ってくれました。

村上寛和 選手（富山第一高校）
勝点3を手に入れることができると思っていたのですが、最後に詰めの甘さが出てしまいました。全国高校サッカー選手権大会に向けて気持ちを引き締める意味で、良い薬になったと思います。シーズン後半戦は攻守両面で収穫が多いですし、今後も勢いを維持したいです。

森重潤也 監督（東福岡高校）
ミスパスが多かったですし、普段の練習で実践していることが全く出せませんでした。富山第一のように厳しく守る相手に対しての準備が足りなかったと思います。選手たちが「これで大丈夫」と思ってプレーしていた部分が今は通用していないですし、多くの課題が残りました。

小笠原佳祐 選手（東福岡高校）
早いうちに同点、そして逆転に成功したところまでは良かったのですが、そこで満足してしまったのかもしれません。内容は悪くないと思いますが、勢いに乗って相手をたたみかける場面で、得点を積み重ねることができませんでした。失点の時間帯も含めて改善する必要があります。

その他の試合結果

サンフレッチェ広島F.Cユース　1-4（前半1-1、後半0-3） ガンバ大阪ユース
名古屋グランパスU18　1-2（前半0-2、後半1-0）　セレッソ大阪U-18
ヴィッセル神戸U-18　2-1（前半0-0、後半2-1）　東山高校
京都サンガF.C. U-18　3-1（前半3-0、後半0-1）　京都橘高校

前半を同点で折り返したガンバ大阪ユース（大阪）は、後半に3得点を奪いサンフレッチェ広島F.Cユース（広島）に大勝。3連勝で首位をキープしました。セレッソ大阪U-18（大阪）は大熊裕司監督がトップチームの試合に帯同したため、監督不在で名古屋グランパスU18（愛知）との一戦に挑みましたが、2-1で勝利し、首位・G大阪をピタリとマークしています。ヴィッセル神戸U-18（兵庫）は東山高校（京都）に2-1で勝利し、連勝を6に伸ばしました。京都サンガF.C. U-18と京都橘高校による京都ダービーは、3-1でサンガが勝利。8戦負けなしでリーグ5位に浮上しています。

チーム紹介

高円宮杯U-18プレミアリーグに参加する全チームの普段の練習模様を取材。

　コンサドーレ札幌 『 これぞ育成の札幌。未来を見据えたチーム作り 』 
　流通経済大学付属柏高校 『 個性と個性がせめぎ合う場所 』
　京都サンガF.C.U-18 『 サッカーも学校生活も、常に全力で打ち込む日々 』 
　柏レイソルU-18 『 刺激的な環境で、たくましさを育むポゼッション集団 』
　富山第一高校 『 自主性を重んじ、互いに刺激し合うのが富一流 』 
　東山高校 『“怖い”指揮官が慕われる理由』 
　市立船橋高校 『 グラスポの日常に、強さの真髄を見る 』
　JFAアカデミー福島 『 環境に感謝しながら、サッカーに打ち込む日々 』
　ヴィッセル神戸U-18 『悩み、戦い、そして帰る憩の我が家へ』
　東京ヴェルディユース 『 ヴェルディをヴェルディたらしめる成長サイクル 』
　京都橘高校 『 京都橘を“大人”に変える大事な日常 』 
　セレッソ大阪U-18 『 “走るセレッソ”が見据える、世界基準という未来 』
　青森山田高校 『厳しい日常の中から、青森山田の強さが生まれる』
　名古屋グランパスU18 『 好調・名古屋U18の、“叱らない”指揮官と意識の高い選手たち』
　ガンバ大阪ユース 『今季のG大阪ユースに共存する"明るさと厳しさ" 』
　三菱養和SCユース 『プレミア唯一の街クラブ、そのたくましさの秘密』
　サンフレッチェ広島F.Cユース 『 誇りと伝統の広島ユース。プロを夢見て研鑽を積む日々』
　鹿島アントラーズユース 『 トップチームと下部組織、縮まった両者の距離』
　清水エスパルスユース 『変幻自在の清水ユース、頂点に立つために必要なこと』
　東福岡高校 『 高校総体優勝。伝統に裏打ちされた”ヒガシ”の強さ 』