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高円宮杯U-18プレミアリーグEAST 流経大柏が終盤の決勝点で降格圏を脱出
2015年11月23日
ピックアップマッチ
流通経済大学付属柏高校 2-1(前半0-0、後半2-1) コンサドーレ札幌U-18
第94回全国高等学校サッカー選手権大会の地区予選やJユースカップの開催もあり、ブレイクに入っていた高円宮杯U-18プレミアリーグ。11月22日(日)に中断明け初戦となるEAST第16節を開催、9位の流通経済大学柏高校(千葉)は、8位のコンサドーレ札幌U-18(北海道)と対戦しました。
流経大柏は、勝点1差で一つ上の順位にいる札幌に勝てば、降格圏内から脱出できます。札幌にとっても、敗れるとJFAアカデミー福島(静岡)の結果次第では最下位に転落する可能性がある重要な一戦。両チームの勝利への執念が真っ向からぶつかり合いました。
前半、ペースを握ったのは流経大柏。中盤の底の本田憲弥選手と富樫和樹選手を中心に、攻撃を組み立てます。16分には右からのクロスを兼田晏音睦選手が落とし、菅原俊平選手がシュート。これは札幌のGK櫻庭立樹選手のセーブに阻まれます。流経大柏は32分にも富樫選手が決定的な場面を迎えますが、再びGK櫻庭選手の好守に遭い、得点できません。
0-0で迎えた後半、流経大柏の本田裕一郎監督が動きます。菅原選手と兼田選手に代えて、松本雅也選手と1年生の近藤潤選手を投入。2トップを入れ替え、攻撃に変化を加えました。すると、この交代が早速実を結びます。50分、左CKに松本選手がヘディングで合わせ、先制に成功します。これで勢いに乗った流経大柏はさらに猛攻を仕掛けます。札幌も後半からシステムを変更して、高い位置でのポゼッションを図りますが、流経大柏の勢いの前に押し込まれます。それでもGK櫻庭選手を軸に相手の攻撃を防ぐと、81分に桉田頼選手のスルーパスに抜け出した菅大輝選手が冷静に決め、札幌を同点に導きます。
しかし、「この試合を落としたら終わりだと思っていた。決着をつけたかった」と本田監督が口にしたように、流経大柏は長身の浜野駿吾選手を投入するなど、前への圧力をさらに強めます。迎えた89分、浜野選手がゴール前の競り合いに勝って頭で落としたボールを、「浜野さんなら絶対に競り勝つと思っていた」という近藤選手が強烈なシュート。これがゴールに吸い込まれ、流経大柏が劇的な勝ち越し弾を挙げました。
この結果、2-1で勝利した流経大柏が勝点3を挙げ、降格圏脱出に成功。札幌は降格圏内に転落しました。しかし両者の勝点差はわずか2と、今後の戦いも注目されます。
監督・選手コメント
本田裕一郎 監督(流通経済大学附属柏高校)
いままで残り何秒かで負けた試合はたくさんあるけれど、勝ったのは久しぶりです。今日は本当に勝たなければいけない試合でしたし、そこで勝利を収められたことは大きい。もし負けていたら、九分九厘(残留は)危なかったです。高校選手権の千葉予選に負けてから、選手たちは気持ちを切り替えたと思いますが、まだまだ予断を許さない状況なので、残りの2試合もしっかりと戦って残留を決めたいです。
近藤潤 選手(流通経済大学付属柏高校)
出場したからには決めようと思っていました。今朝、突然ベンチメンバーに入り、しかも後半から投入されて驚きの連続だったのですが、やり切ろうと気持ちを切り替えることができました。試合途中で(長身の)浜野選手が入ったことで、僕はセカンドボールを拾うことに専念でき、やりやすかったです。決勝点の場面は、ボールがちょうどいいところに来てくれたので、思い切り蹴るだけでした。
本村武揚 選手(流通経済大学付属柏高校)
正直、ほっとしています。高校選手権の千葉予選で負けたこともあって、この試合までの1週間は本当に難しかった。気持ちを切り替えられない選手もいたので、僕が声を出してプレーしようと思って、この一戦に臨みました。中盤の選手が好調で、良い流れをつくることができましたが、失点した場面は反省点です。特に菅選手はケアしていたのですが、あの瞬間だけボールウオッチャーになってしまいました。今後は細心の注意を払っていきたいと思います。
川口卓哉 監督(コンサドーレ札幌U-18)
相手には推進力があったので、自分たちは中盤でこぼれ球を拾って、攻撃を仕掛けようと意識しました。それでも、ロングボールやCKなどで失点してしまった。残り9分で追いついて、その後は勢いが出てきましたが、そこで決めきれませんでした。ポゼッションを重視する自分たちとしては、流経大柏は戦いづらい相手でした。残り2試合はこの1年間、チームとして積み上げてきたことを生かしながら戦いたいと思います。
その他の試合結果
青森山田高校 3-0(前半2-0、後半1-0) 清水エスパルスユース
市立船橋高校 2-1(前半0-1、後半2-0) JFAアカデミー福島
FC東京U-18 0-0(前半0-0、後半0-0) 大宮アルディージャユース
鹿島アントラーズユース 2-1(前半0-0、後半2-1) 柏レイソルU-18
青森山田高校(青森)は鳴海彰人選手の2ゴールなどで清水エスパルスユース(静岡)を下し、首位の座をキープ。2位の鹿島アントラーズユース(茨城)もホームで柏レイソルU-18(千葉)に2-1で勝利し、次節の青森山田との首位対決に向けて弾みをつけています。永藤歩選手の決勝点でJFAアカデミー福島(静岡)を退けた市立船橋高校(千葉)は前節まで3位だった大宮アルディージャユース(埼玉)をかわして3位に浮上。一方、大宮はFC東京U-18(東京)と引き分けたことによって首位・青森山田との勝点差が6となり、優勝は厳しい状況に追い込まれています。