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高円宮杯U-18プレミアリーグEAST 柏が鹿島を振り切って後期初勝利
2016年09月05日
ピックアップマッチ
柏レイソルU-18 2-1(前半1-0、後半1-1)鹿島アントラーズユース
高円宮杯U-18プレミアリーグのEAST第11節が9月4日(日)に開催され、柏レイソルU-18(千葉)は日立柏サッカー場で鹿島アントラーズユース(茨城)と対戦しました。
現在7位につける柏と8位の鹿島。降格圏から遠ざかりたい両チームの直接対決は、序盤から気迫あふれる展開となりました。先に仕掛けたのは鹿島でした。1分にカウンターから石津駿斗選手がミドルシュートを放つなど、果敢にゴールを狙います。鹿島はこの後、DF登録ながら前線でターゲット役となった篠崎輝和選手、MFの須藤翼選手らを中心に攻勢に出ました。
しかし、ホームの柏は少ないチャンスを得点へと結びつけます。21分、中村陸選手がドリブルで仕掛けると、サポートに来た田中陸選手にヒールパス。ここから田中選手、大谷京平選手、中村(陸)選手とつなぎ、最後は相手DFラインの裏に抜け出したFW中村駿太選手が冷静に押し込んで先制点を奪います。1点のビハインドを背負った鹿島は、さらに前線への圧力を強めますが、1年生GK小久保玲央ブライアン選手、中川創選手と城和隼颯選手が軸となって堅陣を築く柏守備陣を破ることができません。
鹿島は前半同様、後半もセカンドボールへの反応の早さで柏を上回り、中盤では優位に立ちますが、決定打を放つには至らず。すると、忍耐強くチャンスを待っていた柏が、一瞬の隙を突きました。66分、鹿島のクリアボールを拾った宮本駿晃選手が、「前を向くことができたので、打とうと思った」と目の覚めるようなミドルシュート。無回転の一撃はゴール右隅に突き刺さり、劣勢だった柏が2-0とリードを広げました。
攻め続けながらも2点差とされた鹿島でしたが、この後もゴールを狙います。67分に出津真哉選手が、79分には小沼樹輝選手が際どいシュートを放ちました。辛抱強い攻撃は89分に実を結びます。右からのクロスボールに篠崎選手がヘディングで合わせ、ようやく1点を返したのです。
試合は柏が2-1で逃げ切り。「前節、横浜FMに敗れて(1-5)選手たちの意識が変わった。守備から入ろうと練習に取り組めた」と永井俊太監督が語るように、前節の課題を克服しての勝点3獲得でした。
一方の鹿島も、「ここにきて、ようやくチームが形になってきた。クールぶらないで、思いが伝わるサッカーをしたい」という熊谷浩二監督の言葉どおり、最後まで集中を切らすことなく戦い抜きました。敗れはしたもののポジティブな要素も多く、次節以降につながる一戦となりました。
監督・選手コメント
永井俊太 監督(柏レイソルU-18)
できれば、押し込まれる展開にはしたくなかったです。得点が取れたので狙いどおりの展開ではあるのですが、自分たちがボールを保持する時間をもっとつくりたかった。一度、盛り返したのですが、そこから前に行くのか、低い位置でボールを握るのかというバランスを、もっと勉強しないといけないと思いました。守備面は、前節の横浜FMユース戦で多くを学びました。一人で奪えないならみんなで奪おうと話して、練習に力を注いだ成果が表れたと思います。
宮本駿晃 選手(柏レイソルU-18)
ゴールシーンはトラップした瞬間に振り抜こうと思っていました。枠内に飛んでくれたし、本当に気持ちのいいゴールでした。個人として、ほとんどゴールを挙げていないのでとてもうれしいです。前節の横浜FM戦の反省を生かすことができました。みんなでプレーする、相手より声を出す、もっと積極性を発揮するという意識が勝利につながったと思います。
熊谷浩二 監督(鹿島アントラーズユース)
内容は悪くありませんでしたが、失点の形が似通っている部分は残念です。簡単にゴールを許した後、最後まで追い上げ、1点差で負けるという試合が続いています。とはいえ、前期は相手の攻撃を凌ぐだけだったのが、ここ数試合は自分たちが攻める時間も増えています。シーズンの開幕当初、チームの実力は10チーム中10番目でしたが、いまでは選手たちも「勝てるぞ」と思うところまできている。あとはその信念を勝点に結びつけたいと思います。
石津駿斗 選手(鹿島アントラーズユース)
個人的に久しぶりの公式戦だったので、まずはチームのためにと考えてプレーをしました。最初のシュートを決めていれば、試合の流れも違ったと思います。前線で篠崎選手がボールを収めてくれる分、自分は相手の裏に抜けるなど、最終ラインを下げるプレーができればと思います。今年は海外遠征を経験し、格上のチームとの戦いの中でスピードやパワーの違いを体感したことで、練習の質も上がりました。今後はその成果を結果につなげたいです。
その他の試合結果
大宮アルディージャユース 1-1(前半1-0、後半0-1)青森山田高校
アルビレックス新潟U-18 1-6(前半1-2、後半0-4)清水エスパルスユース
市立船橋高校 2-3(前半0-3、後半2-0)横浜F・マリノスユース
FC東京U-18 3-1(前半1-0、後半2-0)流通経済大学付属柏高校
2位の青森山田高校(青森)は、試合終盤に住川鳳章選手がゴールを挙げ、しぶとく勝点1をもぎ取っています。清水エスパルスユース(静岡)は後半に攻撃陣が爆発。大量6得点を挙げてアルビレックス新潟U-18(新潟)に勝利しました。首位に立っていた市立船橋高校(千葉)は前半のうちに横浜F・マリノスユース(神奈川)に3得点を許す展開に。後半の追い上げもむなしく2-3で敗れ、3位に順位を落としています。FC東京U-18(東京)は、危なげない試合運びで流通経済大学付属柏高校(千葉)に勝利。市立船橋と青森山田を抜き去って首位に浮上しました。