ピックアップマッチ

市立船橋高校　0-1（前半0-0、後半0-1）青森山田高校

高円宮杯U-18プレミアリーグEAST第13節が9月17日(土)、18日(日)、19日(月・祝)に開催され、18日は2位の市立船橋高校（千葉）が首位・青森山田高校（青森）とホームの船橋市法典公園（グラスポ） 球技場で対戦しました。試合前、一時的に豪雨が降るなどあいにくの天気となりましたが、首位決戦とあって会場には大勢の観衆が詰めかけ、キックオフを迎えました。

先に主導権を握ったのは市立船橋。この日、初先発を果たした1年生コンビ、佐藤圭祐選手と岡井駿典選手が左サイドを起点に敵陣へと仕掛けていきます。最終ラインの杉岡大暉選手も機を見てオーバーラップ。16分には原輝綺選手とパス交換を行った後、高い位置に持ち上がり、太田貴也選手のシュートチャンスにつなげました。

一方、20分過ぎまでこれといった決定機をつくれずにいた青森山田も、市立船橋の攻撃を受け止めつつ、攻勢に転じていきます。33分には味方とのワンツーパスで右サイドを突破した小山新選手が中央にマイナスのパスを供給。フリーの郷家友太選手がゴールを狙いますが、シュートはGKの正面を突きました。この後、市立船橋の矢野龍斗選手がシュートを放つなど互いに少ないチャンスからゴールを脅かしますが、決定打は生まれないまま、前半をスコアレスで終えます。

後半は両チームの選手が一つ一つのプレーで激しくコンタクトする、首位決戦らしい展開となりました。その中で最初に流れをつかんだのは青森山田。前線の選手は無理に相手を追わず、一定のラインまで進入してきたら、素早く囲い込む守備からカウンターアタックにつなげていきます。

56分には、住永翔選手の縦パスに抜け出した佐々木快選手が際どいシュート。68分には、CKのこぼれ球に小山選手が反応してゴールを脅かすなど、得点こそなりませんでしたが、徐々に市立船橋ゴールへと迫っていきます。

迎えた78分、青森山田の粘り強い攻撃が結実します。ゴール前で相手のクリアボールを拾うと、左サイドに展開。「キックという特別な武器を持っている」と黒田剛監督が称する堀脩大選手がクロスボールを送ると、ファーサイドでフリーになっていた嵯峨理久選手がコースを突くヘディングシュートを決めて、チームに貴重な1点をもたらしました。

リードを奪われた市立船橋はこの後、最終ラインの選手たちも含めてなりふり構わず攻撃に出ます。90＋4分には、杉岡選手が左サイドで二人の相手を単独突破、ゴール前に鋭いパスを送りますが、青森山田の必死の守備に遭い、同点弾にはつながりません。

1点を争う好試合は、青森山田が1点をリードしたままタイムアップ。青森山田の選手たちが優勝したかのように喜ぶ一方、市立船橋のメンバーはグラウンドに突っ伏すなど、対照的なリアクションがこの試合の重さを表していました。

監督・選手コメント

朝岡隆蔵 監督（市立船橋高校）
後半から交代した選手たちが、攻撃に違いを生むことができませんでした。先発した選手たちも積極的な姿勢を見せていたので、途中交代組にはもっとインパクトを残してもらいたかったです。もう一つの敗因は、青森山田の守備ブロックを崩せなかったこと。相手が守備を固めると分かってはいましたが、あとひと工夫が足りませんでした。今回の試合に敗れたことで、次節のFC東京U-18との試合はより重要な意味を持ちます。最善の準備を進めていきたいと思います。

原輝綺 選手（市立船橋高校）
スリッピーなピッチでしたけれど、そのほうがパススピードを上げられますし、自分たちにとって好都合だと思っていました。もう少しボールを持ちたかったです。相手の攻撃陣を走らせて、60分過ぎから足を止めたかったのですが…。蹴られたボールを跳ね返した後、しっかりと拾うことができていれば、流れも少し変わったのかなと思います。この試合では勝ちにこだわっていたので、今日得たものは特にありませんが、またすぐにFC東京U-18戦です。ここから全勝するつもりで、気持ちを切り替えたいと思います。

黒田剛 監督（青森山田高校）
無失点で試合を運べたことが大きかったです。市立船橋が普段よりも勝負を意識したのかロングボールを多用する中で、相手のパスを制限しながら守れた点がよかったです。あとは相手をペナルティーエリアに進入させないことを11人全員が徹底した結果、うまく機能しました。選手たちには、「無失点に抑えていれば必ずいいことがある」という話をしていましたし、我慢が実りました。堅守を基盤に戦いつつ、高い位置でボールを奪ったときは攻撃にギアを上げるという戦い方を、選手たちが忠実に守った末の勝点3だと思います。

嵯峨理久 選手（青森山田高校）
クロスボールを合わせた得点の場面は、相手のマークが来ていないと分かっていました。GKが前に出てきていたので、ファーサイドを狙った結果、いいコースに飛びました。いままで攻撃陣の中で自分だけがゴールを挙げていなかったので、この大一番で決めることができてうれしいです。守備ではアップダウンを怠らないよう監督に言われています。技術がなくても、泥臭いプレーで貢献することはできます。いまの自分にできること、監督がいつも僕らに言う「犠牲心」を大切にしつつ、ゴールも挙げられるように頑張っていきたいです。

その他の試合結果

流通経済大学付属柏高校　1-2（前半1-0、後半0-2）大宮アルディージャユース
FC東京U-18　7-0（前半2-0、後半5-0）柏レイソルU-18
アルビレックス新潟U-18　1-3（前半0-2、後半1-1）鹿島アントラーズユース
清水エスパルスユース　2-1（前半2-1、後半0-0）横浜F・マリノスユース

最下位に沈む流通経済大学付属柏高校（千葉）は後半途中まで1点をリードしながら、残り20分を切ってから2失点。大宮アルディージャユース（埼玉）に逆転勝利を許しました。FC東京U-18（東京）は異なる7人の得点で柏レイソルU-18（千葉）に快勝。首位・青森山田を勝点1差で追います。鹿島アントラーズユース（茨城）はアウェイでアルビレックス新潟U-18（新潟）に勝利。残留に一歩近づきました。清水エスパルスユース（静岡）と横浜F・マリノスユース（神奈川）の一戦は、清水が逆転勝利。横浜FMの連勝を4で止めました。

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