「刺激し合って上のレベルへ」本田裕一郎監督（流通経済大付柏高）×黒田剛監督（青森山田高）対談 高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ2019

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「刺激し合って上のレベルへ」本田裕一郎監督（流通経済大付柏高）×黒田剛監督（青森山田高）対談　高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ2019

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2019年04月04日

「刺激し合って上のレベルへ」本田裕一郎監督（流通経済大付柏高）×黒田剛監督（青森山田高）対談　高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ2019

高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグ2019が4月6日(土)に開幕します。ここでは、開幕で対戦する流通経済大学付属柏高校の本田裕一郎監督と青森山田高校の黒田剛監督が本リーグの意義、新シーズンの展望を語りました。

――9年目のプレミアリーグがいよいよ開幕を迎えます。

本田　リーグ戦を導入した効果がさまざまなところで表れています。指導者にもプラスをもたらしました。カップ戦のような一発勝負では、選手に負担をかけてしまうなど悪影響もありました。その点、リーグ戦では「今回の敗戦を次のゲームで取り返そう」という姿勢になれる。練習、試合、練習のサイクルが根付いた点も大きいです。

黒田　我々にとっても、プレミアリーグが生活の中心にあります。青森山田は高体連のチームですので、いかに学業とサッカーのバランスをとるか考えつつ、その中でJのアカデミーには絶対に負けないぞというハングリー精神を培うことができる。ありがたい環境です。このリーグで戦い、勝利を目指すことが選手育成につながっていきますから、意義のあるリーグという印象です。

――選手たちの判断力を養う場としてはいかがでしょう。

本田　正直、「この試合では勝点1を持ち帰ろう」とか、「1-0で試合を終わらせよう」とか、選手たちが賢く判断する力を身につけるにはもう少し時間がかかるかと思います。海外の選手たちを見ると、18歳前後の選手が大人のようにプレーしている。日本の高校生も明日には30歳以上の大人と戦うことを想定してプレーできればいいのですが、そうなるとサッカーだけではなくて、教育まで話が及びます。

黒田　指導者がどのように選手たちと接し、人間として成長させるか。現場でのアプローチが最も重要ということは言うまでもありません。こればかりは、良い環境を与えたり、国際経験を積ませたりしても補えないと思います。

本田　人を育てるって、そんなに簡単ではないですよね。サッカーだけではなく、人間性も教育しなければならない。そういう意味では、多少の困難にもまれる環境がちょうどいいのかもしれません。

――開幕戦に向けて、お互いの印象は。

黒田　流経大付属柏には、昨年度のリーグ戦や高校選手権に出場していた1年生の選手がいるので、経験値はかなり高いと思います。青森県は3月まで雪に覆われるため、どうしてもチームをつくるのに時間がかかります。ですので、雪が解けた後、冬場のトレーニングの成果がどれだけ出たかを見極めながら、自チームの現在地を確かめたい。2月、3月の段階では、われわれが圧倒的に負けていると思います。

本田　そこまで差があるとは思えないですね。青森山田さんは、雪のハンディを負った環境でサッカーへの取り組み方を考えている。そこがすごいと思いますし、日本の高校サッカー界をけん引している所以です。私も、U-18年代の全てのチームのレベルを上げたい。そのためにも、ただ相手に勝つのではなく、刺激して勝ちたいと考えています。

――なぜ、刺激することが大事なのでしょうか。

本田　インテンシティ（プレー強度）の高い試合で戦える選手を輩出したいからです。われわれは今、ボールを保持することよりも、いかにボールを奪うかにこだわっています。そうするとどうなるか。相手チームにはわれわれのプレスをかいくぐる技術、例えばパス精度が必要になり、相乗効果が生まれます。
　同じ形で最終ラインからボールをつなぐチームがあるけれど、もうそんな時代じゃない。選手も指導者も目の前の相手をきちんと見て、その上でどう戦うかを考えるべきです。そういう意味では我々はもっと順応性を身につける必要があります。

――最後に、今シーズンへの意気込みをお願いします。

本田　自分のチームはもちろん大事ですし、まずは残留することが第一ですが、その傍らで、U-18年代の選手たちが現在どのレベルにあるかも追っていこうと思います。

黒田　我々の目標も、まずは残留することです。今年のチームは優勝争いを繰り広げるのは難しいだろうと思いつつも、3年生にとっては最後の学年になる。彼らにとって悔いのないように導いてあげられればと思います。