高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2023EASTは第3節を4月15日(土)、16日(日)に行い、各地で熱戦が繰り広げられました。

ピックアップマッチ

FC東京U-18 0-4（前半0-1、後半0-3） 尚志高校

16日の東京ガス武蔵野苑多目的グランド(人工芝)ではFC東京U-18（東京）と尚志高校（福島）が対戦しました。FC東京はここまで2引き分け、対する尚志は今季からプレミアリーグに復帰を果たし、ここまで1勝1分けと好スタートを切っている状況での激突でした。

立ち上がりからボール支配率で上回っていたのはFC東京。今季はあらためて「トップチームと同じ、クラブとして目指すスタイル」（奥原崇監督）であるポゼッションサッカーに取り組んでおり、後方から丁寧にビルドアップを試みます。ただ、「ずっとボールを持つだけになってしまっていた」とDF永野修都選手（#3）が振り返ったように、なかなか思うような形で相手ゴールに迫ることができません。

対する尚志は「立ち上がりはあまり良くなかった」とFW桜松駿選手（#11）が振り返ったように、思うような試合の入りではありませんでした。仲村浩二監督が日本高校サッカー選抜の監督のために不在で、代わって指揮を執った小室雅弘コーチは「チームと個人を成長させるためにこのリーグへ参加しているのに、チャレンジしないようでは成長がない。だから厳しく言いました」と、前半途中で選手を一喝。安全第一のプレーをするのではなく、トライすることを求めました。

徐々に本来のプレーを取り戻した尚志は攻撃のリズムが出てきます。守備では粘り強くFC東京に対応しつつ、相手ゴールに迫るシーンもつくると、前半アディショナルタイムにはセットプレーから先制点を奪い取ります。「あそこは自分たちに隙があった」とFC東京の奥原監督が振り返ったその場面は、ショートCKから。無警戒だった相手の隙を突いて素早くリスタートすると、こぼれ球を拾っての二次攻撃でDF市川和弥選手（#4）とFW網代陽勇選手（#9）が頭で競り合い、最後は「あそこにいたことが大事」と胸を張ったストライカーの桜松選手が抜け目なく蹴り込んで先制点を奪い取ります。

そして後半開始早々の53分にも尚志が追加点。今度はFKからMF藤川壮史選手（#14）が入れたボールのこぼれ球を「迷わず思い切り蹴った」網代選手の強烈なシュートがゴールネットを揺らします。さらに65分にも藤川選手のヘディングシュートで追加点を奪うと、72分には途中出場のFW笹生悠太選手（#12）もCKを頭で合わせてゴールを奪い、4-0と大量リードを奪いました。

その直後に尚志は190cmの長身DF渡邉優空選手（#20）を投入して5バックシステムに変更。ゴール前に壁を築いて逃げ切りを図り、後半はFC東京のシュートを0本に抑えて完封。ボールを支配される時間こそ長かったものの、試合を通してのシュート数では12対3とFC東京を圧倒。勝負どころを見逃さずにゴールを決め切っての快勝となりました。

コメント

奥原崇 監督（FC東京U-18）
勝負事に関する経験値の不足、つたなさが出てしまった試合だったと思います。指導者が与えるというより、もっと自発的なところを促さないといけないと感じています。チームで積み上げているところはありますが、まだまだ結果とリンクできていないと感じています。次に向けて、あらためて取り組んでいきます。

DF #8 伊藤ロミオ 選手（FC東京U-18）
自分たちの実力不足が出た試合だったと思います。練習では攻撃の形もできてきた感触はあったのですが、いざ試合になると通用しませんでした。もう1回、練習から全員で意識を変えないといけないと思います。ビルドアップはやらされているだけで、有効ではなかったです。もっと背後への動きを生かすこともそうですし、自分を含めて足を使うところが必要だったと思います。

小室雅弘 コーチ（尚志高校）
セットプレーは選手たちにアイデアがありました。いつも通り、練習した通りのことがピッチに出ればいいんだという話をして試合に入りました。何よりチャレンジしないと成長しないので、そこが大事だと思っています。「負けたくない」だけで試合をすると楽しくないですから。

FW #9 網代陽勇 選手（尚志高校）
プレミアリーグでの初得点を取れて本当にうれしかったです。前でポストプレーをして起点になるところもできていたと思うので良かったと思います。第1節の流通経済大学付属柏高校戦で当たりの強い相手とやって自分が全然ダメだったので、動き出しのところやワンフェイク入れて受けに行くところとかを見つめ直した成果を今日は出せたと思います。1点取れて本当に良かったです。

その他の試合結果

横浜F・マリノスユース 2-0（前半2-0、後半0-0） 昌平高校
旭川実業高校 0-3（前半0-0、後半0-3） 青森山田高校
大宮アルディージャU18 0-1（前半0-1、後半0-0） 川崎フロンターレU-18
流通経済大学付属柏高校 0-1（前半0-1、後半0-0） 前橋育英高校
柏レイソルU-18 2-1（前半0-0、後半2-1） 市立船橋高校

横浜F・マリノスユース（神奈川）は前半の2得点で昌平高校（埼玉）を破り、今シーズン初勝利を挙げました。旭川実業高校（北海道）と対戦した青森山田高校（青森）は、前半こそ互いにスコアレスで折り返しましたが、後半に青森山田が3得点を挙げ、開幕3連勝を達成しました。川崎フロンターレU-18（神奈川）は23分のDF加治佐海選手（#22）の先制ゴールを守り抜き、大宮アルディージャU18（埼玉）を破りました。流通経済大学付属柏高校（千葉）と前橋育英高校（群馬）による高体連対決は、試合開始直後にオウンゴールで前橋育英が先制。これがそのまま決勝点となり前橋育英が前節に続いて勝ち点3を挙げました。柏レイソルU-18（千葉）と市立船橋高校（千葉）は同点で迎えた後半アディショナルタイムにFW戸田晶斗選手（#15）が勝ち越しゴールを決めて柏が勝利しました。

高円宮杯 プレミアリーグ 大会公式Twitter

大会期間：2023年4月1日(土)～2023年12月3日(日)

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