バーモントカップ 第24回全日本少年フットサル大会の準々決勝と準決勝、そして決勝戦を1月6日（火）に開催し、鹿島アントラーズつくばジュニア（茨城）が初優勝を飾りました。

準々決勝はいずれも緊迫したゲームとなりました。前回大会覇者の江南南サッカー少年団（埼玉）は、ブリンカールFC（愛知）に2点を先行されながらも5-2で逆転勝利。マルバ千葉fc U-12（千葉）と対戦した田宮ビクトリーサッカー少年団（徳島）、ピヴォ（静岡）と対戦した鹿島アントラーズつくばジュニア（茨城）も逆転勝ちでベスト4へと進出し、もう1試合は、ファンアカデミー（東京）が多摩区FC U-12（神奈川）に競り勝ちました。

迎えた準決勝、田宮ビクトリーに先制を許した江南南は4-4の同点で迎えた15分、津久井匠海選手のハットトリックとなるゴールで流れを引き寄せ、そこから4点を奪取して9-4で勝利。船戸隼輔選手も4得点と存在感を示しました。もう一方の準決勝は、鹿島が序盤からファンアカデミーを圧倒し、8分までに前田聡良選手が一人で5ゴール。その後も得点を重ねて8-0で勝利し、決勝進出を果たしました。

連覇を期す江南南と、初優勝を狙う鹿島の決勝は、両者が存分に持ち味を発揮しました。先制したのは鹿島。左サイドを抜け出した笹沼航紀選手がゴールネットを揺らします。先制点で流れをつかむと、鹿島はこの後、前田選手が3ゴールを挙げ、開始6分で4-0に。しかし江南南はここから意地を見せました。8分に竹間永和選手のゴールで1点を返すと、10分には船戸選手が決めて4-2とし、試合を折り返します。

一方、15分にも得点を許して1点差に迫られた鹿島は、木村匡志監督が前田選手を一旦ベンチに下げ、「冷静になって、強い気持ちで勝負を決める1点を取ってこい」と伝えて再びピッチに投入します。直後の17分、前田選手はこの試合で4点目となる得点をマーク。江南南も最後まで攻め込むも、鹿島が1点を加え、試合は6-3で決着しました。

試合終了の瞬間、鹿島の選手たちは喜びに溢れて泣き崩れ、江南南のメンバーは悔しさに涙してその場に倒れ込みました。勝者と敗者がそろってピッチにうずくまる光景は大会を象徴するシーンとなりました。各チームが熱い思いを胸に戦った今大会は、「この1年、チームの歴史を変えたいという思いで頑張ってきた」（前田聡良選手）鹿島の初優勝で幕を閉じました。

なお、ベストプレーヤー賞は、前田選手、笹沼選手、津久井選手（※2年連続受賞）、北嶋陸選手（多摩区FC U-12）、大森涼選手（ブリンカールFC）が受賞。フェアプレー賞はファンアカデミーに送られました。

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監督・選手コメント

木村匡志 監督（鹿島アントラーズつくばジュニア）
絶対に優勝してアントラーズつくばの歴史を変えようと選手たち自らが口にして臨んだ大会でしたので、この結果は素直にうれしいですし、選手には感謝しています。今大会では、エースの前田選手が決めるべきところで決めて、守備はGKを中心に粘り強く守れていたので自信はありました。この先の中学校では選手の半分が別々のチームでプレーしますが、このチームで学んだ感謝の気持ちや仲間への思いやり、そして今大会の経験を生かして成長していってもらいたいと思います。

前田聡良 選手（鹿島アントラーズつくばジュニア）
自分たちが目指してきた全国大会での優勝を、最後の大会でこの仲間と一緒に達成できたことが本当にうれしいです。個人としてゴールをたくさん決められたことは良かったですが、決勝では相手との駆け引きやボールキープができない場面もありました。ただ、一度ベンチに下がったことで気持ちをリセットしてゴールを奪えました。今後は、もっと綺麗なゴールや泥臭いゴールなど、得点にこだわって大事な場面でゴールを決められる選手になりたいと思います。

津久井匠海 選手（江南南サッカー少年団）
昨年の大会で優勝して、今回は絶対に連覇をしようとみんなで誓い合って臨んだので、最後に負けてしまって本当に悔しいです。ただ今大会以前の試合を含めて、自分たちの戦いが少しずつできていたので、成長を感じた1年でもありました。この舞台で、フットサルの狭いピッチで細かくボールタッチすることを学び、それをサッカーにも生かしていきたいですし、先輩でもある原口元気選手のように、ドリブルで相手を抜いてシュートを決められる選手になりたいです。

小田耕市 監督（田宮ビクトリーサッカー少年団）
江南南との準決勝は、自分たちの武器であるハイプレスを出し切れず、逆に相手のプレッシャーがかかったことでボールを奪われ、リズムを与えてしまいましたが、自分たちのスタイルを曲げずにやり切ったので悔いはありません。今大会では、勝たなければ上がれない崖っぷちの1次ラウンド最終戦をものにし、ラウンド16ではバディ.FC（福岡）との厳しい試合で最高のパフォーマンスをしてくれました。徳島代表としてベスト4までこられた選手の頑張りは素晴らしいと思います。

JFA-TV

バーモントカップ 第24回全日本少年フットサル大会

2015年1月4日（日）〜1月6日（火）
東京／駒沢オリンピック公園体育館、大田区総合体育館

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