ニュース
西宮が浦安との激戦を制して3大会ぶりの頂点に! JFA 第20回全日本女子フットサル選手権大会3位決定戦・決勝
2024年02月13日
JFA 第20回全日本女子フットサル選手権大会は2月12日(月・祝)に栃木県の日環アリーナ栃木で大会最終日を迎え、3位決定戦と決勝の2試合を行いました。
決勝の前に行われた3位決定戦では、地域リーグチームで唯一準決勝に勝ち上がったS.Lダスペード(北海道)と2大会連続準優勝のアルコ神戸(女子Fリーグ/兵庫)が対戦しました。第1ピリオド2分に神戸はハンドで得たPKを山川里佳子選手が決めて先制します。その後も神戸はダスペードを攻め立てます。右サイドを突破して、ファーポスト前で合わせる形から第1ピリオドだけで3つのゴールを加え、4-0でハーフタイムを迎えました。
第2ピリオドに入っても神戸はゴールを重ね、山川選手はハットトリックを達成。ダスペードも最後まで懸命に走り、中辻唯選手、酒井ちなみ選手が得点を挙げますが、最終的には神戸が8-2で勝利。直後の表彰式では3位になった神戸だけではなく、ジャイアントキリングを起こし4強入りを果たしたダスペードにも、会場からは熱い声援や温かな拍手が送られました。
バルドラール浦安ラス・ボニータス(女子Fリーグ/千葉)とSWHレディース西宮(女子Fリーグ/兵庫)が決勝で対戦するのは、2020年度大会以来のこと。そのときは西宮が1-1で迎えたPK戦を7-6で制しています。浦安は翌年度から2連覇を達成。今回は3連覇をかけての対戦となりました。
互いに強度の高い守備を保ちながら、相手の隙を探り合う緊迫感にあふれた一戦は、第1ピリオド10分に動きます。西宮がキックオフから痛恨のミス。これを逃さなかった宮原ゆかり選手が確実にゴールネットを揺らして先制点を挙げます。西宮の上久保仁貴監督は「浦安は勢いに乗ると手が付けられなくなる」と、すぐにタイムアウトを取り、流れを切ろうとします。これが奏功する形になり、1分後には斉下遼音選手が同点ゴールを決めました。
その後も試合は浦安が点を取り、西宮が追いつく形で進みます。第1ピリオド13分に江川凜選手が筏井りさ選手の折り返しからゴールを決めると、西宮も斉下選手のパスから高尾茜利選手が同点ゴールを決めます。第2ピリオド2分には倉持杏子選手のシュートをGKが弾いたところを平井成美選手が詰めて、またも浦安がリード。しかし西宮も藤江沙樹選手が網城安奈選手のシュートのこぼれ球を押し込み、3-3に追いつきます。
球際で激しい攻防が繰り広げられる中、浦安はファウルが重なっていきます。第2ピリオド14分には、江口未珂選手の折り返しに松本直美選手が合わせて浦安が4度目のリードを奪います。第2ピリオド16分から西宮はパワープレーで反撃に出ると、残り59秒で第2PK(累積ファウル6つ目からの直接FK)を獲得。これを斉下選手がゴール右に決めて、同点に持ち込みました。さらに残り7秒でも再び第2PKを得ましたが、このシュートはGK小関美穂選手が抑えて試合は延長戦に入ります。
延長戦でも浦安は流れの中からチャンスをつくりますが、西宮の懸命な守備にゴールを割れません。西宮は三度目の第2PKを得ましたが、ここも斉下選手のシュートが枠を外れて、得点は動きませんでした。4-4のままで延長戦は終わり、試合は3大会前と同じくPK戦に突入しました。
PK戦では先攻の西宮が4人目まで全員成功します。浦安も3人目まではシュートを決めましたが、4人目の平井選手のシュートが左ポストをたたきます。西宮は5人目のキッカーを務めた追野沙羅選手もPKを決め、西宮が5-3でPK戦を制しました。この結果、西宮が3大会ぶり3度目の優勝を果たしました。
なお、フェアプレー賞は、ダスペードが受賞。大会得点王には通算6得点を挙げた西宮の斉下選手と神戸の山川選手が輝きました。
監督・選手コメント
伊藤汀 選手(S.Lダスペード)
ベスト4に入れるとは思っていませんでしたが、持ち前のチームワークと仲の良さで4位になることができて良かったです。女子Fリーグのチームは想像しているよりも速く、体も強くて、パスの精度も高くて北海道(内のチーム)とはまた格が違うと感じました。今回、学ぶところがすごくあったので、北海道に帰ってたくさん練習して、来年も出場したいと思います。
米川正夫 監督(バルドラール浦安ラス・ボニータス)
タイトルを取りたかったので、悔しいですし、残念です。振り返れば細かいことはいろいろありますし、そういうところで勝敗を分けるような相手との試合だったと思います。もう一つレベルを上げないといけないと感じています。相手の良さが出ながらも、こちらが点を取れるのではないかという想定内の展開でしたが、とはいえトラブルがあると難しいですね。正直、勝ち慣れていた部分もあったので、もう一度、頑張りたいと思います。
上久保仁貴 監督(SWHレディース西宮)
今日の浦安戦も先に点を取られる展開で、昨日の神戸戦もあまりよくなかったのですが、それでも勝ち切れました。点差を離されるときつくなる印象がリーグ戦でもあったので、そこを選手たちがよく頑張って食いついていってくれました。浦安さんがタイトルを独占していましたが「浦安を倒せるのはうちしかいないよ」と選手たちに話していたことを、選手たちが体現してくれました。想定していないほどすごい試合になりましたが、本当に選手たちが頑張ってくれた結果です。
尾川奈穂 選手(SWHレディース西宮)
人生初めての優勝なので、本当にうれしい気持ちでいっぱいです。試合中でも相手にリードされる展開が続きましたが、それを跳ね返す力もありましたし、守備を全員で頑張り続けられたことが勝因だと思います。先に失点して監督がタイムアウトを取って悪い流れを断ち切るタイミングをつくってくれたのが良かったです。来シーズンは大会連覇もそうですが、リーグ戦でも勝てるように、また一からチームみんなで頑張っていきたいと思います。
大会日程:2024年2月10日(土)~2月12日(月・祝) 【全試合入場無料】
会場:栃木県/日環アリーナ栃木
大会情報はこちら