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第3回 傷害予防のためのセルフチェックのすすめ
2010年10月01日
サッカー選手の健康を守るためには、定期的なメディカルチェックを行うことが望ましいといわれています。しかしわざわざ病院に行って、ドクターのチェックを受けることは時間的、経済的に難しく思われています。
コンディショニングや傷害の発生予防、早期発見を目的としたチェックという点から考えると、さほど難しい検査は必要なく、ポイントを押さえると誰でも簡単に自分でチェックすることは可能です。ここでは筋緊張(タイトネス)を調べる方法と、圧痛点を調べる方法を紹介します。
筋緊張(タイトネス)テスト
選手が成長期の場合は骨と筋肉の成長にアンバランスが生じ、筋肉の緊張が高くなることがあり、障害発生の要因になります。成長期でない場合は筋肉の緊張度が高く、柔軟性が低下している状態は障害につながりやすくなります。
ここでは
① 傍脊柱筋
② 腸腰筋
③ 大腿屈筋群
④ 大腿四頭筋
⑤ 下腿三頭筋
の5つの筋群のチェック法をご紹介します。
以下の状態であれば要注意
傍脊柱筋 指床間距離が+(指先が床につかない)、②腸腰筋 5cm以上、③大腿四頭筋 SLRが70°未満、④大腿四頭筋 踵部殿部間距離が+(踵が殿部につかない)、⑤下腿三頭筋 足関節背屈角度が10°未満
圧痛テスト
サッカーでは腰部、下肢の障害が多く、①腰、②膝蓋骨、③脛骨粗面、④脛骨内側、⑤アキレス腱、⑥足部、⑦足関節に圧痛があるか注意してチェックします。それ以外のところに圧痛がある場合にはその部分も記載しておきましょう。腰に関しては圧痛の有無だけではなく、腰椎屈曲時痛、伸展時痛の有無もチェックしておきましょう。成長期の腰痛で腰椎伸展時痛、圧痛がある場合には腰椎疲労骨折(分離症)があることがあり、スポーツ医を受診し、検査を受ける必要があります。
定期的にセルフチェックをすることにより、傷害の発生防止、早期発見ができ重症化を防ぎ、早期復帰が可能となります。これらのセルフチェックに問題があり、それが続く場合はスポーツ医の受診をお勧めします。
大分県サッカー協会のスポーツ医学委員会のホームページ にタイトネステストと圧痛テストの方法が詳しく動画で紹介されていますので、是非ご参照ください。
参考文献
大場俊二:少年サッカー選手用ヘルスチェックシートの作成‐U-12サッカー選手整形外科的メディカルチェックの結果より-.
臨床スポーツ医学 17:370-376,2000
2010年10月
JFAスポーツ医学委員会 森川 嗣夫
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