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簡易救命講習会「JFA+PUSHコース」をJFAアカデミー福島のスタッフに向けて開催
2019年05月22日
日本サッカー協会(JFA)は、ピッチ上の選手の安全を守ることを第一とした「スポーツ救命ライセンス講習会」と「JFA+PUSHコース」を2017年から実施しております。「JFA+PUSHコース」は、特別な医学の知識がなくても小学生から保護者・指導者まで2時間ほどの時間で手軽に学ぶことができます。2019年はすでに3回コースが実施され約120人が受講されました。
5月15日(水)には、静岡県御殿場市の時之栖で、JFAアカデミー福島所属のスタッフを対象にJFA簡易救命講習会「JFA+PUSHコース」を開催しました。スポーツ救命プロジェクトメンバーの福島理文先生(順天堂大 循環器内科)が、熱中症と脳振盪(のうしんとう)に関する講義を行いました。
さらに実技も福島先生の指導のもと、「誰かが倒れた時に、声をかける勇気」をできるだけ多くの人に伝えるため、NPO法人大阪ライフサポート協会/PUSHプロジェクトが提唱する「PUSHコース」を行いました。心肺蘇生の中でも最も重要な「胸骨圧迫とAEDの使い方」を習得するため、CPR(心肺蘇生法)トレーニングキット「あっぱくんライト」を用いて、胸骨圧迫とAED(自動体外式除細動器)の使い方を学習しました。
約2時間の講習会の後、受講者全員に受講証が手渡されました。
※開催希望の団体は、以下の問い合わせフォームより必要事項をご記入の上、送信ボタンをクリックしてください。
問い合わせフォームはこちら
講師コメント
福島理文 日本サッカー協会スポーツ救命プロジェクトメンバー(順天堂大学 循環器内科)
今回の参加者は、JFAアカデミー福島所属の監督・コーチ・トレーナーなどのスタッフが対象で、スポーツ中の安全管理の一貫として行われました。19名の受講生の皆様は講義・実技共に熱心に受講されておりました。JFA+PUSHコースは、スポーツ現場で起こりうる熱中症や脳振盪についての講義を行ないました。さらにPUSHコース(心肺停止に対する胸骨圧迫とAEDの使い方)に加え、頸椎損傷(けいついそんしょう)が疑われる場合に用いるバックボード搬送の動画も見て頂いた後に実際にバックボードの使用方法を経験して頂きました。スポーツ中の命に関わるアクシデントへの初期対応は、その場に居る選手、指導者、トレーナー、マネージャー、レフェリー、保護者などスポーツ現場に関わるあらゆる人々の助けが必要です。本コースはサッカーに限らず、スポーツに関わるすべての方にご利用いただけますのでぜひご参加して頂ければ幸いです。
受講者コメント
金野結子 さん
今回、JFA+PUSHコースを受講し、講師の福島先生がおっしゃっていた「誰かが倒れた時に、声をかける勇気」がどれだけ大切かを再認識することができました。講義を通して熱中症の予防や対応策、脳振盪の際の対応についてより理解を深め、胸骨圧迫やAEDの使い方については実技を通して再度学ぶことができました。また頸椎損傷の疑いのある人に対してバックボードを使用して全身を固定したり、搬送したりする方法についても実際にバックボードを使用して初めて体験することができ、大変貴重な講習会となりました。今後、普段の活動の中でまずは安全に活動することに留意しながら、いざという時には、今回の講習会で学んだことをもとに声をかける勇気だけではなく、実際に行動に移すことができる勇気を持てるよう心がけていきたいと思います。
山岸範宏 さん
AEDを用いた心肺蘇生措置、脳振盪が疑われる受傷が起きた際の対応や指導者側の判断の難しさなど、私自身の中に知識としては心得ておりましたが、今回「JFA+PUSHコース」を受講させていただいたことにより改めてその大切さを認識致しました。過去に何度か心肺蘇生法の講習会には参加しましたが、自分が選手側から指導する立場になった現在では、より迅速な対応と判断の責任が求められることも感じさせていただく貴重な場であったと思います。また、ピッチ上やゲーム映像の中では何度も目の当たりにしたことのあるバックボードも「乗る側」から今回の講習で初めて「乗せて運ぶ側」を経験させていただきましたが、第三者として見ていた以上に、注意点の多さや頚椎損傷などが疑われる場合の対応や留意点なども学ばせていただきました。今回再認識した事項も踏まえた上で今まで以上に選手の安全面に配慮しながら指導に携わっていきたいと思います。