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青森県で「JFA+PUSHコース」と「スポーツ救命ライセンス講習会」を開催
2019年12月25日
12月14日(土)、15日(日)の2日間、青森県で「JFA+PUSHコース」と「スポーツ救命ライセンス講習会」を開催しました。「JFA+PUSHコース」は、脳振盪(のうしんとう)、熱中症、アナフィラキシーなどの簡単な講義のほか、心肺蘇生法(CPR)の基礎と自動体外式除細動器(Automated External Defibrillator: AED)の使用方法を手短に、実技から学ぶことができます。 特別な医学の知識がなくても、小学生から保護者、指導者まで手軽に学ぶことのできるもので、今回は八戸市立市民病院でヴァンラーレ八戸のスタッフやアカデミーの選手など20人を対象に行われました。翌15日(日)に青森市の青森県立中央病院で行われた「スポーツ救命ライセンス講習会」では、熱中症・脳振盪(のうしんとう)などの講義、胸骨圧迫とAED(自動体外式除細動器)の使い方の実技のほか、バックボードによる全身固定・搬送法についてスポーツドクターを中心に27人が講習会を受講しました。
※AEDのご購入・リースは、JFA.jpのメディカルページ「AEDのご紹介」をご覧ください。
※講習会開催希望の団体は、「講習会を開催するには」の[問い合わせフォームはこちら]からお問い合わせください。
コースディレクターコメント
山本祐司(一般社団法人青森県サッカー協会 医学委員会 副委員長)
今回は、青森県で初となる「JFA+PUSHコース」と「スポーツ救命ライセンス講習会」を連日で開催しました。また、両日とも青森県スポーツドクターの会の協力のもと、石川三知さん(Office LAC-U)をお招きしてスポーツ栄養の研修会も同時に行いました。
12月14日(土)は選手や指導者を対象に「JFA+PUSHコース」を開催いたしました。参加者の大半は、ヴァンラーレ八戸のスタッフやアカデミーの選手でした。講義に引き続き、PUSHコースは古家信介先生(スポーツ救命プロジェクトメンバー)にご指導いただき、皆さん熱心に参加されていました。
12月15日(日)はサッカーに限らずスポーツ現場に携わっているドクターを対象に「スポーツ救命ライセンス講習会」を開催しました。バックボードを用いた搬送の実技を経験した方は少なく、皆さん真剣に取り組まれていました。参加ドクターも現場で人が倒れる場面を経験したことがないとのことでしたので、本講習会が有事の際にぜひ役立ってくれればと思います。今後もスポーツ現場に関わる多くの方々に講習会を受講していただけるように青森県内での講習会を企画していきたいと思います。最後に、青森県スポーツドクターの会会長の岡村良久先生をはじめ、会場となった病院の関係者、そしてインストラクターの方々に心より感謝申し上げます。
秋田幸保(一般社団法人青森県サッカー協会 常務理事)
JFA+PUSHコースを受講し、改めて脳振盪の怖さを実感しました。周りの人が気づく、知らせる、プレーを止める! 現場ではそのように対応していると思いますが、改めて周知したいと思います。また、1週間はプレーしない、次の日は休む、良くなったら少しずつ強度を上げていくことなども指導者の知識として必要不可欠なものだと思いますので、併せて周知したいと思いました。
熱中症についても同様で、命に関わることであるため熱中症対策ガイドラインなど参考に対応していきたいと思いました。熱中症対策の予防として示されたウォーキングやサウナ、自転車など、暑さに慣れておくことの必要性、また熱中症が疑われるときは太い血管が通る体の一部を冷やす(首、足の付け根、脇の下など)ことなど、とても参考になりました。
心肺蘇生とAEDについては、ビデオを見ながら胸骨圧迫の練習ができました。また、AEDの操作方法など学ぶことができたことはとても良かったです。この練習により、そのような場面に遭遇したときはいち早く駆けつけ、対応できると思います。
今回の講習会は、指導者やプレーヤーが一緒になって受講できたことがとても良かったと思います。また、とても素晴らしい講習会であり、県内全域での開催を希望するとともにサッカー関係者、すべてのサッカーファミリーが受講できれば良いと思いました。
一山紗彩(青森県立中央病院研修医)
自分自身サッカーをプレーしており、かねてから有事の対応について勉強しておかなければならないと思っていました。そのような中で、今回の講習会のことを知り、良い機会と思い参加を決めました。
講習会では、プレー中に起こりうる疾患とその対応方法、心肺蘇生法と搬送方法など、受講後すぐに生かすことができる知識や技術を習得することができました。特に全脊柱固定と搬送方法は普段行う機会がないため、新鮮な気持ちで学ぶことができました。講習会を通して、もし目の前で傷病者が発生しても、慌てずに対応する自信をつけることができました。この講習会で習得したことを机上の知識で終わらせず、現場で生かすことができるように、引き続き勉強して維持したいと思います。