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S級コーチ養成講習会受講者を対象としたスポーツ救命ライセンス講習会を開催
2022年06月29日
現在開催中の2022年度S級コーチ養成講習会の一環として、「スポーツ救命ライセンス講習会」を6月15日(水)に高円宮記念JFA夢フィールドで開催しました。講習会には今年度の受講者のうち19人が参加、古家信介さん、福島理文さん(ともにスポーツ救命部会員)による講義では心肺蘇生・熱中症・脳振盪(のうしんとう)などに関する内容を学習し、実技では心肺蘇生の中でも最も重要となる胸骨圧迫とAED(自動体外式除細動器)の使い方や、バックボードによる全身固定・搬送についても学習しました。受講者同士で声を掛け合いながら患者役の受講生を丁寧にバックボードで運ぶなど白熱した講習会になりました。約5時間の講習会後、受講者全員に修了証(3年間有効のライセンス証)が手渡されました。
日本サッカー協会は、ピッチ上の選手の安全を守ることを第一とした「スポーツ救命ライセンス講習会」と簡易救命講習会である「JFA+PUSHコース」を2017年から実施しています。「スポーツ救命ライセンス講習会」は、(公財)日本スポーツ協会(JSPO)公認アスレティックトレーナーが資格更新のために保有しなければならないBLS(Basic Life Support:一次救命処置)資格取得のための講習会として認定されています。
※AEDのご購入・リースは、「メディカル」の「AEDのご紹介」をご覧ください。
※講習会開催希望の団体は、「講習会を開催するには」の[問い合わせフォームはこちら]からお問い合わせください。
インストラクターコメント
荒井隆行 さん(救急救命士/スポーツ救命ライセンス講習インストラクター)
2022年度S級コーチ養成講習の中の一つである、スポーツ救命ライセンス講習を実施しました。まず、最初に感じたのは受講生の皆さんのオーラとともに、熱意でした。講習が始まると、その熱意のまま、積極的に楽しみながらも真剣に取り組む姿を見て、さすがこれから日本のサッカーのリーダーとなる指導者なのだと感じました。この講習を受けたことで、もし、大事な選手だけではなく、スタッフや関係者などに何かが起こってしまった時に、その人の命を守るべきリーダーとなり行動を起こしてください。サッカーから悲しい事故をゼロにするため、一緒に戦ってください。
受講者コメント
林雅人 さん(FC今治)
スポーツの現場で起こりやすい事象を中心に知識と予防、対応方法について丁寧に講義をして頂き、実技ではCPR(心肺蘇生法)や自動体外式除細動器(AED)、バックボード(頸椎を痛めたケース)の正しい使用方法について研修させて頂きました。スポーツ現場で起こることが多い事象を把握し、適切な対処ができるようにすることは選手達が安全に活動出来る為に非常に重要な事であることを経験させて頂きました。
若井研治 さん(福山平成大学)
指導現場において安全・救命の重要さを頭で理解しているだけだったことを痛感させられた、とても有意義な講習会となりました。講習ではAED・バックボードを教材に、受講者がグループに分かれ実践しました。どちらにも言えることは、手順と協力が重要だと感じました。サッカーと同様、一人でできることは限られています。しかし、助けるという目的のためにできる役割・手順、サポートの意識があればより助けられる可能性が高くなることを学びました。なかなか経験できないAED・バックボードを実際に触れることで、もしもの時に落ち着いて行動ができる自信も持てたと思います。目の前にいる選手がフェアにハードにプレーできる環境を作ることが指導する者としての責任です。そのためにも、チームを率いていく者として選手の安全第一のために講習会で学んだことを常にアップデートしていきたいと思います。そして、より多くの指導者はもとより選手も学ぼうとする、そんな安全で素敵なサッカー現場になっていきたいです。