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スポーツ救命ライセンス講習会をJFAハウスで開催
2023年03月24日
関東大学サッカー連盟は3月12日(日)、JFAハウスで加盟大学の社会人スタッフを対象に「スポーツ救命ライセンス講習会」を開催しました。
今回は、新規講習会2コースを並行開催する形で実施し、55名全員が実技と筆記テストに合格してライセンスを取得しました。
講義では、熱中症や脳振盪(のうしんとう)などスポーツ現場で起こり得ることが多い事象の対処法について学びました。実技では心肺蘇生の中でも最も重要となる胸骨圧迫とAED(自動体外式除細動器)の使い方、バックボードによる全身固定・搬送についても学習し、実践練習を繰り返し行いました。実践的な質問も多く飛び交い、活気ある講習会となりました。
日本サッカー協会は、ピッチ上の選手の安全を守ることを第一とした「スポーツ救命ライセンス講習会」と簡易救命講習会である「JFA+PUSHコース」を2017年から実施しています。「スポーツ救命ライセンス講習会」は、(公財)日本スポーツ協会(JSPO)公認アスレティックトレーナーが資格更新のために保有しなければならないBLS(Basic Life Support:一次救命処置)資格取得のための講習会として認定されています。
※AEDのご購入・リースは、「メディカル」の「AEDのご紹介」をご覧ください。
※講習会開催希望の団体は、「講習会を開催するには」の[問い合わせフォームはこちら]からお問い合わせください。
インストラクターコメント
河又典文 医師(芳賀赤十字病院 循環器内科/帝京平成大学 人文社会学部)
本講習会は、高校生以上を対象とした、スポーツ現場での予期せぬ心肺停止・熱中症・アナフィラキシー・窒息に対する予防と対応法、および脊髄損傷が疑われる傷病者の適切な搬送方法を習得する300分の講習となっています。今回は関東大学サッカー連盟の指導者スタッフを対象として55名の受講者に対して8名の指導者で講習を開催させていただきました。今シーズンから同連盟では、スポーツ現場の安全をより重視するために、試合スタッフに必ず各チーム1名以上の本講習会を受講した者を配置することが必要となりました。規約改定シーズンの初講習会であったため、参加していただいた各大学の受講者は学ぶ意欲が高く、講義実技を通して日々の現場を想定した積極的な質疑応答が得られた活気ある講習会になったと思います。コロナ禍が終息する兆しとともに、各地で多くの試合が再開される中、スポーツ中の予期せぬ病気やケガが多くなることが予想されます。今回の講習を通して、フィールドの最前線で活動する指導者スタッフの皆さまが、少しでも自信をもって予期せぬ急変に対応できる一助となれば幸いです。
受講者コメント
谷田部將司 さん(足利大学)
今回のスポーツ救命講習を受けようと思ったきっかけは、2023シーズンがアフターコロナイヤーという通常に戻っていく状況のなか、急激にインテンシティが強い試合が想定されること、また保護者等の応援再開で暑い中での観戦において、救命に関する知識と技術が必要になると思ったからです。
車の免許を取得するとき以来の緊急対応のトレーニングはとても新鮮であるとともに、実技中心の本講習会はとても有意義なものでした。講師の先生方もサッカー現場を理解してくれていたので意見交換も気軽に行えました。選手や観客を守るということを覚えたことで、より安全な大会運営に役立てようと思います。
浅見陸 さん(一般財団法人関東大学サッカー連盟 学生幹事 幹事長)
私としては、今回のスポーツ救命ライセンス講習会が初めての参加となりました。
講習会では基礎知識を学習した後に、実技形式で講義が進み、サッカーの現場を想定しながら胸骨圧迫やAEDの使い方を学びました。胸骨圧迫は正しい位置で、適切なテンポ、適切な深さで圧迫することが大切であり、感覚を掴むのは少し難しく感じました。
また、今回は搬送にも触れ、頚部を固定しながら傷病者を安全に運ぶためにどのようにすればよいか、受講者で協力し考えながら取り組みました。
今回の講習を通して、円滑に処置を行うためには多くの人と協力することが不可欠であり、実際の現場ではこの講習会で得た知識を基に行動する勇気が必要だと感じました。日々の生活の中でいつ、どこで、だれにでも起こりうる身の危険に対し理解を深め、実際の現場において焦らずに対処するには、こういった講習会に参加し一次救命処置を再認識することが、一つでも多くの人の命を救うことに繋がるということを学ぶ良い機会となりました。