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なでしこジャパン、アメリカに敗れて大会準優勝 ~FIFA女子ワールドカップ決勝~
2015年07月06日
なでしこジャパンは7月5日(日本時間6日)、バンクーバーのスタジアムで行われたFIFA女子ワールドカップ カナダ2015の決勝でアメリカと対戦し、2-5で敗れて準優勝で大会を終えました。
アメリカは1999年大会以来初の、史上最多の3回目の優勝です。
負傷したMF安藤梢選手(1.FFCフランクフルト)がベンチ入りして見守る中、前回大会決勝の再演となった決勝で連覇に挑んだなでしこジャパンでしたが、立ち上がりから厳しい展開になりました。
キックオフからアメリカの猛攻にさらされ、スピードのある攻めでテンポ良くボールをつながれて押し込まれ、5分までにセットプレーから2失点を許してしまいます。
左から右に展開されて3分に最初のCKを与えると、ペナルティボックスの外からゴール前へCarli LLOYD選手が突進し、DFの前に走り込むと右からのクロスに右足で合わせて先制します。
その2分後、勢いづいたアメリカは右サイドから仕掛けてFKを得ます。するとLauren HOLIDAY選手のFKにJulie JOHNSTON 選手、Alex MORGAN 選手がニアに入って日本選手を引きつけ、中央に開いたスペースにLLOYD選手が走り込み、JOHNSTON選手が後ろに流したボールを捉えて2-0にしました。
日本の選手たちはピッチ内で集まって落ち着きを取り戻すべく声を掛け合いますが、アメリカは14分に中盤で日本のパスをカットして右サイドへ展開。Tobin HEATH選手が遠目から狙ったシュートを日本DFがクリアします。しかし頭上に高く上がったボールをHOLIDAY選手にボレーで捉えられて3失点目を許し、さらに16分には、LLOYD選手がハーフウェイライン付近から狙ったロングシュートが日本ゴールに吸い込まれて4-0にされました。
日本はこの直後にボランチのMF宇津木瑠美選手(モンペリエHSC)を左サイドバック、左サイドバックだったDF鮫島彩選手(神戸レオネッサ)を左MF、左MFだった宮間あや選手(岡山湯郷Belle)をボランチへ置くポジション変更を行い、試合を落ち着かせます。
すると27分に中央の宮間選手からのロングボールを受けたMF川澄奈穂美選手(INAC神戸レオネッサ)が右サイドからクロスを入れ、ペナルティボックス内でこれを受けたFW大儀見優季選手(VfLヴォルフスブルク)が反転して相手のマークを外してゴールを揺らし、1点を返します。
その3分後にも鮫島選手-川澄選手-大儀見選手とつないで最後は宮間選手がシュートを打ちましたが、アメリカGK Hope SOLO選手に阻まれました。
日本ベンチはさらに動き、33分にはDF岩清水梓選手(日テレ・ベレーザ)に代えてMF澤穂希選手(INAC神戸レオネッサ)をボランチに投入してMF阪口夢穂選手(日テレ・ベレーザ)をセンターバックに移します。その6分後には川澄選手に代えてFW菅澤優衣香選手(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)を送り出して、FW大野忍選手を右サイドに置き、攻撃力アップを狙います。
前半を1-4の3点差で折り返して後半反撃に出たい日本は、50分にMorgan BRIAN選手のシュートをGK海堀あゆみ選手が右手一本で弾いてゴールを守ると、52分に宮間選手のFKにゴール前で澤選手が反応。すると澤選手をマークしていたJOHNSTON選手のオウンゴールを誘発して2点差に詰め寄ります。
しかしアメリカはその2分後、左CKをBRIAN選手が折り返し、これを中央でHEATH選手が捉えて再び日本からゴールを奪いました。
日本は60分に大野選手に代わって入ったFW岩渕真奈選手(FCバイエルン・ミュンヘン)が、ドリブルで切り込んで仕掛け、攻撃のリズムを作ります。62分には宇津木選手がミドルからシュートを放ち、68分には宮間選手のクロスを澤選手が落として大儀見選手が相手ゴールを脅かします。その後もDF有吉佐織選手(日テレ・ベレーザ)や阪口選手がゴールを狙い、76分には菅澤選手が宮間選手のクロスに頭で合わせますがSOLO選手に止められ、80分には宮間選手のFKに澤選手が頭で合わせましたが、ボールは枠の外に流れました。日本の追い上げは実らず、試合終了を迎えました。
試合後、個人各賞が発表され、この試合でハットトリックを決めて大会通算6得点を挙げたアメリカの LLOYD選手が大会最優秀選手に選ばれ、宮間選手は3位に選出されました。
監督・選手コメント
佐々木則夫 なでしこジャパン(日本女子代表)監督
選手たちは最後の最後までよく走りましたし、ここまで1戦1戦よくやってくれました。アメリカがセットプレーで緻密な展開をしてきましたが、反応する力が足りませんでした。ただ、0-4から2点返したことは評価できると思います。4年前の大会で優勝して、今回再び決勝まで来たことは評価できる大きな収穫です。日本の多くの少女たちがサッカーを始めてくれることになると期待しています。選手と誇りを持って日本に帰ります。
MF #8 宮間あや 選手(岡山湯郷Belle)
セットプレーで相手がこちら以上に研究して来ていて、どのチームもやってこなかったところをやってきたと思います。そこは自分たちの準備が足りませんでした。大きなチャンスもいくつか作ったので、一番痛かったのは5失点目でした。今大会、勝ち続けることで自信がついて、結果が後押ししてくれた部分が多くあったと思います。アルガルベカップから今大会まで、チームが一つになるということへのみんなの努力がありました。
DF #5 鮫島彩 選手(INAC神戸レオネッサ)
これまで失点されることはなかったので、アメリカに最初に失点されたことで、結果的にこういうゲームになってしまいました。セットプレーで相手は相当研究していたと思いますし、何本かある中でやり方を変えてきていました。あれだけの点差があって追い付くということは簡単なことではないですし、実際にできなかったので、本当に無失点は大事だと改めて感じました。
FW #16 岩渕真奈 選手(FCバイエルン・ミュンヘン)
点差が開いた状況での投入だったので、「とにかく点を」と思って入りましたが、実際には何も生まれていないので悔しいです。4年前の前回大会や3年前のオリンピックに比べると、自分のプレーを出すという姿勢は出せたかと思いますが、何かが生まれたわけではなく、チームが負けてしまったので、もっと頑張らないといけないと感じました。
MF #10 澤穂希 選手(INAC神戸レオネッサ)
失点の時間が早くて予想外の展開でした。アップがほとんどできていない状況だったので(あのタイミングで試合に入るのは)難しかったですが、自分の役割をできる範囲で果たせたと思います。準優勝で悔しいという気持ちはないわけではないですが、悔いなくやり切ったという感じはあります。みんなよくやりましたし、団結力を感じることができました。いいチームの中で、大きな大会に連れてきてもらったという思いです。
Jill ELLIS アメリカ女子代表監督
大会を通じてステップアップした選手たちを誇りに思います。立ち上がりからプレッシャーをかけようという計画でしたが、それが完璧に運んだので、開始15分で夢ではないかと思いました。我々の選手たちに何か特別なことをやってのける能力はあると思っていました。日本のことはリスペクトしていますが、今日は自分たちのサッカーに集中して完璧にこなせたと思っています。
FIFA女子ワールドカップ カナダ2015
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