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U-23日本代表 手倉森誠監督が熊本の被災地を訪問
2016年05月04日
U-23日本代表の手倉森誠監督は5月3日(火・祝)、平成28年熊本地震により大きな被害を受けた被災地を訪問しました。
あいにくの雨模様の中、手倉森監督、秋葉忠宏コーチ、佐藤洋平GKコーチ、早川直樹コンディショニングコーチの4名は午前中、前日から全体練習を再開したロアッソ熊本を表敬訪問しました。2011年に東日本大震災を経験した手倉森監督からロアッソ熊本の選手たちに向けて「熊本の元気や勇気をサッカーの力を通じて発信する使命があることに、やり甲斐や生き甲斐を持って欲しい」と力強いメッセージが送られました。
その後、大津町運動公園に場所を移して、集まった近隣の小中学生130名とサッカー交流をしました。小学生は秋葉コーチ、佐藤コーチとボールを使って楽しく体を動かし、中学生は早川コーチとウォーミングアップをしたあとに手倉森監督から熱のこもった指導を受けました。時折強い雨が降りましたが、子供たちからは笑顔が溢れ、また見学に来ていた保護者にも笑顔の輪が広がっていきました。
午後には、避難所となっている嘉島町総合体育館と宇城市ウィング松橋総合体育文化センターを訪問しました。支援物資を届けるとともに、避難所で生活する方々にお見舞いの言葉を伝えました。
最後に立ち寄ったJFAアカデミー宇城では、近隣の小学生54人とともにゲーム形式の練習を実施。アカデミースタッフの協力も得ながら、子供たちとサッカー交流の時間を過ごすことができました。
コメント
手倉森誠 U-23日本代表監督
ロアッソ熊本の選手たちには、自分が東日本大震災の際にベガルタ仙台の選手たちに伝えた話をさせてもらいました。彼らはこれから、外にいる人間には到底感じることができない感情の中で、戦いに出なければいけません。その覚悟に対して少しでもアドバイスができたことは良かったです。ただ、頑張りすぎないでほしいとも思います。思いがあることで、思いもよらない力を発揮できるのも人間ですが、それを発揮し続けた先には必ずくたびれる時がくることも思い描いていないといけません。大事なのは戦い続けることです。
サッカー交流では、子供たちの笑顔を多く目にし、こちらが逆に元気をもらいました。こういった打撃を受けた中でも子供たちはすぐに笑顔や活力を出してくれる。好きなサッカーをやったら笑顔がこぼれる。それはこの状況での希望です。保護者の方にも笑顔が広がりましたし、笑顔が社会を明るくしてくれると思っています。5月11日(水)には鳥栖でガーナ代表との試合があります。多くのものを失った地域に対して新しいエネルギーを届けられるように、日本代表として全力を注いで戦います。そして良い戦いをして、被災地の方に勇気や感動を届けたいと思います。
大津町のサッカーチームに所属する笠奏大くん
少しずつチームの活動ができるようになりました。これからもサッカーは続けていきたいです。今日は、手倉森監督からパスやミニゲームなど基本的なことをたくさん習いました。パスのような基本的なことも大事だと思いましたし、これからも役立つと思います。ありがとうございました。
熊本県サッカー協会 河田信之副会長(宇城市在住)
手倉森監督には宇城市の小学生に一生懸命サッカーを教えていただきました。余震が続いていて不安を抱えている人が多くいますが、今日のようにJFAアカデミーもスタッフが率先してしっかり取り組むことで、地域の子ども達にも安心感を与えることができると思います。私も、市役所のOBとして災害ボランティアセンターに登録して参加しています。宮城県、群馬県、福岡県などからも、かつてサッカーをしていた方々がボランティアとしてお越しになっています。多くの支援や助け合いが広がっていて、行った先々でとても喜ばれています。手倉森監督も宇城市長の案内で避難所を慰問されました。東日本大震災のときに監督自身が仙台で被災された経験からくるものが伝わり、本当に多くの方々が励まされたと思います。