FIFA U-20女子ワールドカップ パプアニューギニア 2016は、いよいよノックアウトステージへ突入しました。各グループを勝ち抜いてきた強豪同士の対決。11月24日(木)、日本はスピードある攻撃を繰り出すU-20ブラジル女子代表と準々決勝で対戦しました。

前試合のカナダ戦とは異なり、風上にエンドを取った日本は、ボランチにMF杉田妃和選手を戻し、右サイドハーフにはDF守屋都弥選手を起用してのスタートとなりました。開始2分でFKのチャンスを得ると、キッカーのFW籾木結花選手は鋭いボールをニアサイドに蹴り込みます。長身揃いのブラジル陣営に勢いよく切り込んで行く日本。対するブラジルもFW Geyseが強引にシュートに持ち込むなど、一歩も引きません。

徐々にゲームを支配していく日本は18分、DF宮川麻都選手のオーバーラップから放ったシュートがクロスバーを直撃。21分にはFW上野真実選手が強烈なシュートを、24分にはFKを籾木選手が直接ゴールを狙うなど、猛攻を見せますが、ブラジルの守備陣も体を張って逃れ続けます。しかし前半アディショナルタイム、FW籾木選手のマイナスへのラストパスに走り込んだDF守屋選手が決め、日本が先制点を奪います。

いい流れで前半を終えた日本。高倉麻子監督がFW上野選手に代わって後半から送り出したMF松原志歩選手が期待に応えます。50分、DF守屋選手のパスをMF松原選手が合わせてゴール、早い時間帯で追加点を奪います。さらに68分、またしてもMF松原選手がこぼれ球を決め、日本はリードを3点に広げます。

守備でも日本の連動性が発揮され、ブラジルのカウンターを許しません。DF乗松瑠華選手、市瀬菜々選手を軸に、横へのスライドだけでなく、縦へのポジションの上げ下げも効果的に機能。守備が安定することで、多彩な攻撃にもつながりました。終了間際にPKで1点を返されますが、日本は3-1でブラジルに勝利し、ベスト4進出を決めました。

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中4日で迎える準決勝は、25日に行われるU-20ドイツ女子代表対U-20フランス女子代表の勝者と戦います。

監督・選手コメント

高倉麻子 監督
ブラジルは攻撃力がありますし、強いチームです。厳しい試合になるという話をして選手を送り出しました。ブラジルの強い攻撃、個の強さに対するディフェンスについて選手たちがよくやってくれました。いい時間帯に得点できたのが勝因だと思います。グループステージ3戦で、その試合ごとにいろいろな課題が出ました。それをしっかり分析して成長していこうと話をしています。選手一人一人も少しずつですがよくなってきています。あと2つ、全員で一丸になって世界一を狙いにいきたいと思います。

MF #17 松原志歩 選手（セレッソ大阪堺レディース）
今まで途中出場したスペイン戦やカナダ戦でも、「積極的に仕掛けて最後はシュートで終わること」、「点を取ってこい」と監督からは指示を受けていました。今日は後半からの出場で、1-0で勝ってはいましたが、点を取ってチームを楽にしたいという思いがあったので2点取ってチームに貢献できてよかったと思います。このチームはだれが試合に出てもチーム力が落ちない。私も途中から出場する立場なので、今日はそれを証明できたことになるのではないかと思います。

DF #16 守屋都弥 選手（INAC神戸レオネッサ）
サイドで張って待っていろと指示があって、そこへボールがこぼれてきたので押し込みました。先制ゴールを決められて良かったです。初戦のサイドバックの一つ前ということで、ゴールに絡めることが多くなると思っていました。ゴールを貪欲に狙っていこうということと、相手の裏をどんどん狙っていこうと思っていました。あと2つ、絶対に勝ってみんなで笑顔で終わりたいと思うので、頑張ります。

DF #5 乗松瑠華 選手（浦和レッズレディース）
今日の試合は攻守にわたって、自分たちがもっているものが最大限に発揮されていたと思います。最後の質も、どんどん前の試合よりもクオリティーが高くなってきていると感じます。抱いていたイメージと違ったのはスペイン戦で、自信を失いかけたところもありましたが、気持ちを切り替えて準備ができました。何が起こるか分からないのが世界大会だと思うのでしっかり準備をしたいです。

スケジュール

※時間はすべて現地時間
※スケジュールは、チームのコンディションや天候等により急きょ変更する場合があります。