リオデジャネイロオリンピックまでちょうどあと80日となる5月16日(月)、U-23日本代表は本大会前最後の海外遠征に出発しました。毎年開催され、今年で44回目を数える歴史あるU-23年代の大会、トゥーロン国際大会に出場します。

現地で遅れて合流する南野拓実選手を除く19人の若きサムライたちは羽田空港に集合。手倉森誠監督から「オリンピックへの準備として、海外チームと何試合も戦う中で、世界の基準をピッチの中で体感し、それをオリンピックへ運んで欲しい。自分たちの力を試しにいく、そして、自分たちを高めに行くのだから、思う存分の力を表現して欲しい」と熱い檄が飛ぶと、選手たちは皆一様に表情を引き締め、遠征の途に就きました。

乗り継ぎを含めて22時間の移動を経て、チームは現地時間23時にフランスのトゥーロンに到着。翌17日(火)の午前から早速、長時間の移動で凝り固まった体をほぐすべくリカバリートレーニングに励みます。体調不良のためホテルに残った前田直輝選手、足の負傷により別メニューとなった井手口陽介選手を除く17人の選手はストレッチとジョギング、10分間の有酸素ランをこなし、じっくりと体を起こしました。午後の練習では、午前と同じメニューに加え、軽めのボールを使った練習を行いました。気温20度ながら直射日光が強く、でも湿度は30％ととても過ごしやすい気候の中で、選手たちは時折笑顔を見せながら元気に体を動かし初日の練習を終えました。

18日(水)も午前・午後の二部練習を行う予定です。

監督・選手コメント

手倉森誠 監督
トゥーロン国際大会では、中一日・40分ハーフ・交代4人という環境で、選手やチームの幅を作りながら大会を進められればと考えています。今大会での戦い方を見て、オリンピックでのポジションごとの人数構成が見えてくると思います。また、複数ポジションをできる選手については、その選手の強みを活かしながら相手の嫌がることができるなら、異なるポジションで試したいです。

今大会では4-2-3-1や4-4-2も含めて全てのシステムを試してみたい。中盤に4枚いますので、中盤を有効に鍛えようと思えば3ボランチもあり得ます。日本が色々な戦い方をすることが他国にも伝わって欲しいし、どのシステムでも勝つことができれば、相手に何で来るか分からないと思われるでしょう。そして、誰が来るのか分からない。最終予選のメンバーがこれだけ来ていないことで的を絞らせないでしょうし、でも、日本の選手全員が伸びる大会にしないといけません。怪我人は続出していますが、強化という面では順調に進んでいます。これも縁だと思います。ここに来るべき、鍛えないといけない選手がここに来ています。

選手たちには、「目の前にはチャンスしかない、チャンスを生かすも殺すも自分たち次第」という話をしました。また、「ブラジルはさらに12時間遠く、さらに50％も湿度が高いのだから、こんな気持ちのいい環境で苦しいとは言っていられない」とも伝えました。今大会でのアクシデントは大歓迎です。一点先に取られて追う状況や、ハードワークしなければいけない環境が是非起こって欲しいです。

MF #10 矢島慎也 選手（ファジアーノ岡山）
5月11日のガーナ代表戦は、自身が得点できたこと、チームとして勝てたことは良かったと思いますが、まだまだ課題は残ります。サイドハーフとボランチの2つのポジションでプレーしましたが、特にボランチの時こそ得点力があるところを見せたかったです。得点力のあるボランチはあまり多くありませんし、重宝されると思います。自クラブでも今年はそれを目標にしていますので、代表活動の中でもそれを見せられれば、本大会メンバーの競争の中でも良い方向に進むと思います。

トゥーロン国際大会では、世界の強豪国と対戦するのは久しぶりですし、まずは自分たちがどれくらいできるかを確認したいです。上手くやろうとしても上手くいかないでしょう。いつも通りしっかり守備から入って良い奪い方をして前に出て。いつも通りのことをしてリズムを掴みたいです。そして、守備をしっかりした中で、前線の選手としてゴールに絡むプレーが求められているので、結果にもこだわりたいです。

GK #12 中村航輔 選手（柏レイソル）
今シーズンは本当に色々なことを学べていますし、キーパーとしてのレベルは上がっていると感じています。このトゥーロン国際大会は、オリンピックに向けたメンバー選考、そして、スタメン争いにとって非常に重要な大会です。オリンピックは、自分のサッカー人生の中で大切な大会になります。その大切な大会で自分のレベルを試すためにも、この遠征で結果を残せるようしっかり準備したいと思います。

スケジュール

※時間は全て現地時間
※スケジュールは、チームのコンディションや天候等により急きょ変更する場合があります。