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女子国際審判員強化研修会を実施
2014年12月05日
「ネスレカップ 国際女子サッカークラブ選手権2014(International Women's Club Championship)」の開催に合わせ、11月29日から12月1日、岡山県・美作市にて女子国際審判員を対象として強化研修会を実施しました。
今回は、FIFAからMs. Krystyna SZOKOLAIを招いて、FIFA大会さながらの研修会となりました。
冒頭、インストラクターからは「レフェリーも競争すべき。全員がワールドカップに行けるわけではないが、チャンスを狙っていくべき。日本はワールドカップチャンピオン。監督も選手も世界一。審判も世界で一番にならなければ!」という強いメッセージが発せられました。
研修会初日、FIFA大会の映像を使用してのFIFAの基準が示されました。参加した審判員は、普段担当しているなでしこリーグの映像ではなく、初めて見る海外チーム同士の試合の事象をその場で判定し、そして全ての判定に理由を求められる。敢えてグレーな判定になるような映像を見せながら、インストラクターは適格なヒントを出し審判員から正しい判定を引き出していきます。
インストラクターから示されたのは、全ての事象で正しい判定を下すには主審と副審の適切な役割分担と協力関係が何よりも大事ということでした。
ディスカッションの場面では、どのレフェリーも積極的に発言し、先輩レフェリーから後輩レフェリーへ自分の経験から多くのアドバイスしていく様子が見て取れました。
指導はどれも国際大会を想定した内容となっており、FIFA大会に参加したことのないレフェリーにも強い刺激になったと思います。
インストラクターコメント
Ms. Krystyna SZOKOLAI FIFAインストラクター(オーストラリア)
今回、日本に招いていただき国内の女子トップ審判員を対象としたセミナー実施できたことは非常に光栄で喜ばしいことであり、セミナーを受講した審判員たちにとっても良い経験になったのではないかと思っています。
岡山で実施された「International Women's Club Championship」を視察し、翌日に全員で試合の映像を振り返りながら「良かった点」、「改善できる点」、「どうやって改善を図れるか」等をディスカッションしました。
なでしこリーグは世界で一番のリーグの一つだと思っています。そのため、審判団も世界で一番であるべきです。
このような女子審判の強化事業は必要不可欠です。審判の資質向上なくしてチームの資質向上も成し得ません。
JFAの継続した女子サッカーへの注力が女子サッカーのさらなる発展につながり、そして日本の女子審判員の育成にも同等の機会が与えられることを切に願っています。
参加者コメント
山下良美 女子1級審判員(東京)
今回の3日間の研修で、常に次により良いポジションにいるための準備をすること、選手や観客に明確なジェスチャーをすることなど、試合の映像を用いて、海外のインストラクターより細かな面までアドバイスをいただけたことは、大変貴重でした。
また、自分の担当した試合でクリッピングされた映像を続けて見ることで、自分のくせや傾向も知ることができました。
試合や研修以外の場面でも、他の審判員の方と寝食を共にすることで多くのことを学ぶことができ、さらに英語での研修ということもあり、とても密度の濃い研修となりました。
今後も振り返りと分析を繰り返し、より良いレフェリングにつなげていきたいと思います。
手代木直美 女子1級審判員/女子国際副審(北海道)
今回、海外からFIFAインストラクターを招いて研修会が開催されました。
U-17、U-20の女子ワールドカップ時の映像を使用してグループディスカッションを行い、判定だけではなく、なぜその判定をするのか、どのような理由で判断するのかを細かく理由付けする必要性を学びました。
この方法はAFCやFIFAでも同じ方法をとっているので、今回日本国内でも同じ内容の研修会が開催できたのはとても貴重であったと思います。また、試合分析では試合数が少なかったこともあり、細かく分析してくれた印象があります。トピックスも改善・向上させるためのポイントというテーマがあったため、その意図が明確でわかりやすく指導して頂けました。
AFCやFIFAで行っている研修会と同じことが国内でもできたことに、日本がとても恵まれている環境であることを改めて感じました。今後もこのような研修会を開催して頂きたいと思います。