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G大阪1位で16強入り、柏は初黒星 ~ACLグループステージ第6節2日目~
2015年05月07日
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2015は5月6日、グループステージ最終節2日目の試合を行い、グループFのガンバ大阪はホームですでに突破の決まっている城南FC(韓国)に2-1で逆転勝ちし、通算3勝1分け2敗で4年ぶりのノックアウトステージ進出を決めました。
グループE首位ですでに16強入りが決まっていた柏は、ベトナムでビン・ズオンに0-1で敗れて今大会初黒星を喫し、3勝2分け1敗でグループステージを終えました。
ガンバがプレーするグループFでは、もう一つの試合でブリーラム・ユナイテッド(タイ)が広州富力(中国)に5-0で勝ったため、ガンバ、城南、ブリーラムが勝点10で並びましたが、3チーム間の当該対戦成績で上回ったガンバが1位になりました。
勝たなければ突破はブリーラムの結果次第という一戦で、ガンバは前半15分に先制点を許す苦しいスタートでした。
1位突破を目指していた城南は積極的にプレッシャーをかけて攻撃の機会を探り、積極的に遠目からシュートを放ちます。前半15分、左サイドでボールを獲るとMFキム・チョルホ選手につないで前線へ縦パスを入れます。これを受けたFWファン・ウィジョ選手は、右に流れてガンバDFをかわすと右足を振り抜き、豪快なミドルシュートで先制しました。
ガンバは累積による出場停止のMF大森晃太郎選手に加えて怪我人を多く抱え、右サイドバックに不慣れなMF小椋祥平選手を起用する苦しい状態で、前半はなかなかテンポよく攻撃の形を作れません。
城南に22分と前半終了間際に攻め込まれてゴールを脅かされますが、GK東口順昭選手を中心にDF陣が体を張ってゴールを守り、前半を0-1で折り返します。
1点を追うガンバは、FW宇佐美貴史選手とFWパトリック選手のホットラインで後半早々に連続シュートを浴びせる好機を演出します。
55分過ぎにはガンバのベンチが動きます。右サイドバックで健闘していたMF小椋選手に代えてDF岩下敬輔を入れて、押し込まれていたサイドの守備を強化。さらに58分には今季公式戦初先発のMF二川孝広選手に代えてFWリンス選手を投入。すると攻撃が活性化され、相手ゴールに迫る場面が増えます。
64分には、この試合の最優秀選手に選ばれた宇佐美選手が左サイドからゴール前へクロス。ファーサイドで足を延ばしたパトリック選手が届かなかったものの、ボールはそのままゴールに吸い込まれ、宇佐美選手の23歳のバースデーゴールが同点弾になりました。
長谷川監督は75分にDF藤春廣輝選手に代えてMF倉田秋選手を送り込み、追加点のチャンスを探ります。そして82分、MF遠藤保仁選手の左サイドからのクロスを岩下選手が頭で折り返し、ゴール前でリンス選手が体で押し込み、勝ち越しゴールを決めました。
遠藤選手はこの試合でACL出場41試合となり、アジア最強のクラブを決める大会で日本人最多出場記録を更新しました。
ガンバは今大会2連敗でスタートする苦しい展開でしたが、第3節でブリーラムとホームで引き分けると、続いたアウェー2連戦でブリーラム、富力に連勝。最後はホームに駆け付けた12821人の観客の前で勝ち、3連勝でグループステージを締めくくりました。
一方、前節すでに1位通過を決めていた柏は敗退が決まっていたビン・ズオンと敵地で対戦。2日のJ1リーグ戦から全員先発を入れ替えて、最終ラインに公式戦初出場の18歳DF中山雄太選手、中盤にMF秋野央樹選手、MF小林祐介選手、MF中川真斗選手の20歳トリオ、前線には負傷から約1ヵ月半ぶりに復帰したFW大津祐樹選手を起用する布陣で臨みました。
前半は0-0で折り返す展開でしたが、後半56分にコンサドーレ札幌でもプレー経験のあるFWレ・コンビン選手に得点を許して0-1にされます。柏はMF太田徹郎選手やFW浮田健誠選手を投入して得点機を探りますが、ゴールは奪えず、今大会初黒星となりました。
もう一つの試合で全北現代(韓国)が山東魯能(中国)を4-1で退けて2位に入り、山東は3位。ビン・ズオンは4位でグループステージを終了しました。
ノックアウトステージ1回戦のラウンド16は5月19,20日に第1戦、同26、27日に第2戦を行う予定。1位突破のガンバと柏はいずれも敵地で第1戦、ホームで第2戦を戦います。ガンバはグループH2位のFCソウル(韓国)と、柏はグループG2位の水原三星(韓国)と対戦します。
監督・選手コメント
長谷川健太 監督(ガンバ大阪)
気持ちを出したプレーで臨んできた城南に先制されて苦しい展開でしたが、選手たちが最後まで勝利を信じて戦ってくれました。昨日鹿島が負けていたので、これ以上JクラブがKリーグに負けられないという思いもあったと思います。(今大会開幕2連敗で)首の皮一枚で繋がった状態から、ブリーラム、広州富力とアウェーで勝って、その勝ちを今日につなげられました。(最初の2試合の苦戦は)アジアのレベルが非常に上がっていることを改めて感じましたし、Jリーグ開幕前でコンディションが本格的ではなく、準備不足もありました。選手はそういう苦しい中でも良く闘ってくれたと思います。頑張ってくれた選手を誇りに思います。
FW 宇佐美貴史 選手(ガンバ大阪)
総力戦で臨んで全員で出した結果です。Jリーグのチャンピオンとしてグループステージで終わるわけにはいけないというプライドを見せることが出来たと思います。(この試合の最優秀選手に選ばれて)それにふさわしいような圧倒的なプレーはしていないと思いますが、同点ゴールでチームが勢いづくことになったのは良かったです。試合前から自分が決めて、チームがノックアウトステージに進むことができれば、それが自分への良い誕生日プレゼントになると思っていました。なんとか軌道修正してグループステージ突破まで持ってくることができました。これを自信にしてノックアウトステージを戦いたいです。ガンバらしさを出してアジアの頂点を目指したいと思います。
MF 遠藤保仁 選手(ガンバ大阪)
(2連敗からの挽回は)最後まで諦めないことや、少しずつ攻撃陣がかみ合ってきたこともありますが、普通に戻ってきたことが一番の要因だと思います。前半戦3試合は非常にもったいなかったと思います。少しずつ僕たちも良い経験を重ねてきていますし、ACL未経験だった選手たちもACLの厳しさを経験して、球際の激しさやレフェリングの違いなどに少しずつ慣れてきたことは大きいですし、いろいろなタイプのチームと対戦して、どう崩すかを考えながらプレー出来てきたことは、僕らにプラスになってきています。ノックアウトステージではメンタルの強さも必要になります。ACL経験している選手が先頭に立って引っ張っていければと思います。
キム・ハクボム監督(城南FC)
選手たちは最後までよくやってくれました。ガンバはもともと素晴らしいチームで、対戦した2戦とも素晴らしい試合をしていました。我々は徹底的に分析して臨んだのですが、動きが予測できないところもあり、我々に怪我人が出たことが影響しました。FWファン・ウィジョ選手はともかく、DFキム・チョルホ選手を欠いてからはDFのコンビネーションが崩れたと思います。負けはしましたが、グループステージ突破を誇りに思います。ここからまた新たなスタートだと考えています。