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なでしこジャパン、イングランド戦勝利で決勝進出

2015年07月02日

なでしこジャパン、イングランド戦勝利で決勝進出

FIFA女子ワールドカップ カナダ2015で大会連覇を目指しているなでしこジャパンは7月1日、エドモントンのCommonwealth Stadiumで行われた準決勝でイングランドと対戦。後半アディショナルタイムのオウンゴールで2-1で勝利し、2大会連続での決勝進出を決めました。

イングランドは2011年ドイツ大会のグループステージで日本が唯一負けた相手ですが、今回も厳しい戦いになりました。試合開始早々から長めのボールを前線に出して日本の守備陣の裏を狙うイングランドと、それを阻止してボールを奪い、パスで組み立てようとする日本との攻防が続きます。

20分過ぎに、日本はMF宮間あや選手(岡山湯郷Belle)の折り返しにMF宇津木瑠美選手(モンペリエHSC)がシュートを放ち、その1分後には宮間選手がFKで相手ゴールを狙いますが、ゴールを割れません。

試合が動いたのは31分でした。最終ラインからのロングパスに、この試合の最優秀選手に選ばれたDF有吉佐織選手(日テレ・ベレーザ)が相手の裏へ抜け出すと、ペナルティボックスの角で相手DFに倒されて、日本はPKを得ます。これを宮間選手が冷静に相手GKの動きを見てゴール左へ決めてリードを奪います。

しかし、イングランドはJill SCOTT 選手や Toni DUGGAN選手らにボールを集めて、じわじわと日本を押し込みます。39分には右CKでペナルティボックスに入ってきたDF Steph HOUGHTON選手を日本選手が倒したとしてPKを取られ、1分後にこれを MF Fara WILLIAMS選手に決められて同点にされます。

後半、先手を取りたい日本でしたが、イングランドはFW大儀見優季選手(VfLヴォルフスブルク)やFW大野忍選手(INAC神戸レオネッサ)らへのマークを緩めず、FW陣がなかなか前を向かせてもらえません。また、日本はセカンドボールを拾えない場面が続いて苦しい展開になりますが、冷静さと集中力をキープして対応を続けます。

イングランドは60分にEllen WHITE選手を投入し、日本が押し込まれる場面が続きます。62分にはDUGGAN選手が右ボレーでクロスバーを叩き、64分にはWHITE選手に強烈なシュートを打たれますが、これはGK海堀あゆみ選手がパンチングでゴールを守ります。

日本は70分に大野選手に代わってFW岩渕真奈選手(FCバイエルン・ミュンヘン)が入り、積極的に仕掛けてチームに攻撃のリズムをもたらします。

イングランドは少し動きが落ちてきたものの、単発で遠目からゴールを狙ってクロスバーを叩く場面を作ります。

フルタイムまで残り時間わずかになった頃、スタジアムに「ニッポン!」コールが沸き起こります。均衡が破れたのはそれから間もなく、アディショナルタイム3分の表示が出された2分後でした。

右サイドでボールを受けたMF川澄奈穂美選手(INAC神戸レオネッサ)が中央をゴール前へ駆け上がる大儀見選手へクロスを送ります。これが Laura BASSETT選手に渡り、クリアボールはクロスバーを叩いて自陣ゴールへ入り、日本が勝利を手にしました。

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決勝戦は7月5日(日本時間6日)にバンクーバーで行われ、なでしこジャパンはアメリカと対戦します。前回2011年ドイツ大会と2012年ロンドン・オリンピックに続いて、主要世界大会で3大会連続の決勝での顔合わせです。

監督・選手コメント

佐々木則夫 なでしこジャパン(日本女子代表)監督
今日はタフな試合になりました。もっと自分たちのサッカーができると予想していたのですが、相手は勢いがあり、非常にシンプルなサッカーを徹底してやってきて、我々はなかなかリズムを変えることができませんでした。勝因は選手たちの決勝へ行きたいという思いで、決勝へ行けば、安藤選手をバンクーバーに呼べるということもパワーになりました。オウンゴールは、我々はカウンターでしっかりとチャンスを作り、相手選手が触らなければ、大儀見選手が待っていたので、ゴールが生まれる状況でした。決勝に行くということが最大の目標でしたので、選手たちはよくやってくれたと思います。決勝では選手たちに思い切ってサッカーを楽しんでもらいたいです。

DF #19   有吉佐織選手(日テレ・ベレーザ)
ゴールが入った瞬間は本当にうれしかったです。なかなか良い形でボールを回せなかったのですが、悪いボールの奪われ方をしないようにということと、相手には一発があったので声を掛け合いながら集中していました。アメリカとの決勝は厳しい戦いになると思いますが、日本らしくしっかりとパスをつなぎながら戦って、勝ちたいと思います。

MF #9   川澄奈穂美選手(INAC神戸レオネッサ)
(オウンゴールの場面は)クロスに対してしっかりと中に2枚入ってくれていたので、絶対にアーリークロスでDFラインとGKの間に通せば、相手が触ってCKや味方が触ってくれる、あるいは、あわよくばああいう形になるかなと思っていました。決勝ではもう一度、世界一を取りに行くチャンスがあるので、しっかりと勝てるように良い準備をしたいと思います。

MF #8   宮間あや選手(岡山湯郷Belle)
相手の8番が起点になっていると分かったので、そこを宇津木選手と自分で上手に消しながら対応しました。それは良かったと思います。毎日みんな普通の顔をして、本当にすごいことを努力し続けているので、ここに来ることができて当然だと思いますし、そういう姿を日頃から(お互いに)見ているので、仲間を信じられるところが私たちの一番の強みだと思います。

Mark SAMPSON イングランド女子代表監督
本当にタフな試合でした。この結果にチームは打ちのめされていますが、できる限りのことはやりました。ゲームプランを遂行して、我々がやらせたいプレーを日本にやらせて、決定機も作り相手陣内でのプレーも多く、ボール支配率も悪くなかったはずです。PKはちょっとしたミスで、(オウンゴールの場面は)ファウルが取られずにプレーが流れて、その10秒後に失点しました。我々も王者に対して戦える力があることを示しました。自分のチームを誇りに思います。

FIFA女子ワールドカップ カナダ2015

決勝
なでしこジャパン(日本女子代表)  vs アメリカ女子代表
日本時間 7/6(月)8:00 キックオフ(予定)

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