なでしこジャパンの佐々木則夫監督は7月21日、来月1日に中国・武漢で開幕するEAFF女子東アジアカップ2015のメンバー23人を発表。準優勝したFIFA女子ワールドカップ カナダ2015のメンバーから初選出4選手を含めて17人が入れ替わる、フレッシュな顔ぶれになりました。

17選手には、なでしこリーグで得点ランク2位のFW田中美南選手（日テレ・ベレーザ）、U-17やU-20代表でも活躍してきたMF猶本光選手（浦和レッズレディース）、攻撃的MFの京川舞選手と増矢理花選手（ともにINAC神戸レオネッサ）らが名を連ねています。

また、初選出された20歳のDF村松智子選手（日テレ・ベレーザ）、MF柴田華絵選手（浦和レッズレディース）、GK武仲麗依選手（ベガルタ仙台レディース）、GK山下杏也加選手（日テレ・ベレーザ）の4選手と代表戦56試合出場のFW髙瀨愛美選手（INAC神戸レオネッサ）を除くと、16選手が代表出場歴10試合未満という新たな戦力になりましたが、多くが昨年のAFCアジアカップやアジア競技大会を経験したメンバーです。「アジアを戦っていることはひとつの強み」と、佐々木監督もコメントしています。

佐々木監督は、「環境や大会日程は厳しいが非常に良いタイミングで新たなチャレンジができる。次のリオデジャネイロ五輪には『自分が出るんだ』という思いで臨んでもらいたいし、そういう可能性のある選手を選んだ。今大会で自信をつけて結果を出せれば、リオデジャネイロ五輪予選では大きな層になる」と、新たなステージへ踏み出す抱負を語りました。

今回2大会ぶりの優勝を目指す日本は、8月1日から8日間で朝鮮民主主義人民共和国（1日）、韓国（4日）、中国（8日）と3試合を戦う日程です。

佐々木監督は「時間がない中でどれだけしっかりとしたチームになれるか」と話し、先日のワールドカップを経験したGK山根恵里奈選手やFW菅澤優衣香選手（ともにジェフユナイテッド市原・千葉レディース）やMF川村優理選手（ベガルタ仙台レディース）ら6選手が、なでしこジャパンの戦い方を伝えてチームのまとめ役になることに期待を寄せました。

EAFF女子東アジアカップでは、なでしこジャパンは佐々木監督が就任直後の2008年に初優勝。2010年にも優勝して連覇を達成しましたが、2013年大会では朝鮮民主主義人民共和国に次いで2位に終わっています。

対戦相手について佐々木監督は、「初戦をどう戦うかがその後の2試合に関わる。朝鮮民主主義人民共和国には前回の対戦（2014年10月アジア競技大会決勝）で負けていて、攻守にアグレッシブなチーム。韓国も中国もワールドカップの経験をそのままに、チームとしてできあがっている」と指摘。「簡単ではないが、良いチャレンジとしてその先へつながると信じている。優勝を意識して戦いたい」と話しました。

チームは今月27日に集合して国内でトレーニングキャンプを行い、大会開催地の中国・武漢へ出発します。

監督コメント

佐々木則夫　なでしこジャパン（日本女子代表）監督
今大会のメンバーには、次のリオデジャネイロ五輪に『なでしこジャパンとして自分が出るんだ』という強い思いを持って臨んでもらいたいですし、そういう可能性のある選手を選びました。この大会で自信をつけて結果を出せれば、リオデジャネイロ五輪予選に大きな層の構成ができ、（五輪予選で）出場権を獲得することができると期待しています。ＦＩＦＡ女子ワールドカップ準優勝のモードから切り替えて、次へ進むことがなでしこジャパンにとっては重要です。厳しいですが非常に良いタイミングですし、志を持って新たなチャレンジをしたいと思います。

準備の時間はあまり多くはありませんが、五輪予選にも関わる相手と対戦し、日本の代表としてのプレッシャーがある中で、どれだけしっかりとしたチームになり切れるかです。カナダのワールドカップへ行った選手たちが、しっかりとまとめ、また、新たに加わった選手たちがいかにまとまろうとするか。そこは重要なポイントです。武漢は内陸で非常に暑く、厳しい環境でどれだけチームワークを持ってできるかは、この年代の選手たちにとってすばらしい経験になりますが、ただ「経験」というだけでは代表としては帰って来られません。優勝をしっかり意識して戦うつもりです。

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