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G大阪、鳥栖を破って天皇杯連覇へ前進 ~広島、浦和、柏も4強入り~
2015年12月27日
第95回天皇杯全日本サッカー選手権大会は12月26日、各地で準々決勝を行い、ベスト4が出揃いました。連覇を狙うガンバ大阪はFW宇佐美貴史選手の2得点などでサガン鳥栖を3-1で破り、延長2-1でFC東京を下したJリーグ王者のサンフレッチェ広島と12月29日の準決勝(大阪・ヤンマースタジアム長居)での対戦を決めました。
柏レイソルは延長3-3の末にPK5-3でベガルタ仙台を退け、浦和レッズはヴィッセル神戸に3-0で快勝。柏と浦和は同29日に東京・味の素スタジアムで対戦します。
ピックアップマッチ1
ガンバ大阪(J1) 3-1(前半1-0、後半2-1) サガン鳥栖(J1)
ガンバは序盤こそペースを握れなかったものの、徐々にボールを支配すると、20分過ぎから相手ゴールに迫る場面が増えます。
21分にはCKから今野泰幸選手が頭で合わせ、24分には遠藤保仁選手がパトリックとのワン・ツーからミドルシュートを狙うも、いずれも枠を捉えることはできませんでしたが、攻めのテンポを掴んだガンバは、その2分後に先制します。
中盤でMF倉田秋選手がボールを持つと、宇佐美選手が相手ディフェンスの裏へするすると抜け出し、倉田選手からのロングボールを右足で受けてコントロール。素早く左に持ち替えるとゴール右隅へ流し込みました。
ガンバはその後も宇佐美選手や倉田選手が決定機を作り、良いリズムで前半を1-0で折り返しました。
しかし後半は流れが変わります。ハーフタイムに「自信を持って今までやってきたことを出せ」と森下仁志監督から激を飛ばされた鳥栖が反撃。立ち上がりから相手左サイドのスペースを突いてMF水沼宏太選手やMF吉田豊選手が攻め込み、ガンバを押し込む場面が続きます。
同点弾は62分でした。大きくサイドチェンジして右サイドへ送られたボールを吉田がシュート。GK東口順昭がファンブルして後ろにこぼれたところをFW早坂良太が押し込みました。鳥栖はその後も右サイドからの吉田のクロスなどでガンバゴールに迫ります。
ところが試合はその後、思わぬ展開を見せます。76分からゴールネット補修のために7分間中断。すると、試合の流れが変わります。
中断後のリスタートからボールを保持したガンバはじっくりとパスをつないで好機をうかがい、79分、「中断中に監督から起点を作ってくれと言われていた」という倉田が中へ切れ込んで長沢へパス。長沢はゴール前に顔を出した宇佐美へ落とすと、宇佐美が豪快に左足で勝ち越し弾を叩き込みました。
ガンバはその1分後にも長沢が相手のバックパスに反応してインターセプト。右足でチーム3点目を決めました。
鳥栖は最後まで追撃を試みましたがゴールには至らず、2大会ぶりのベスト4進出はなりませんでした。
ピックアップマッチ2
ヴィッセル神戸(J1) 0-3(前半0-3、後半0-0) 浦和レッズ(J1)
ヤンマースタジアム長居では、ヴィッセル神戸(J1)と浦和レッズ(J1)が対戦。
浦和は序盤から一方的に神戸を押し込んだ末、22分には中央での細かいパス交換から興梠選手がGKと1対1を迎える決定機が到来します。「良いボールがきたので決めるだけだった」と落ち着いてゴール右隅に流し込み、均衡を破りました。浦和は25分にも左サイドで仕掛けた宇賀神友弥選手のパスに中央の柏木陽介選手が反応。相手のマークをうまくひきつけて右に流すと、最後は李忠成選手が左足を振り抜き、リードを2点に広げます。反撃に出たい神戸でしたが、32分に三原雅俊選手がDFの背後に飛び出そうとした李選手を倒してしまい、この試合2枚目の警告を受けて退場に。10人での戦いとなった後、神戸は44分に浦和の宇賀神選手にゴールを許し、0-3で前半を終えました。
神戸は後半、高橋峻希選手とブエノ選手を投入して守備のテコ入れを図ります。ハーフタイムに「バランスを取りながら、カウンターを仕掛けていこう」とネルシーニョ監督の指示を受けた神戸は、果敢なボール奪取から攻撃に転じました。58分には縦パスに渡邉千真選手が飛び出しましたが、シュートはGK西川周作選手の正面に。60分には高橋選手のクロスにレアンドロ選手が頭で合わせましたが、惜しくもクロスバーを叩きました。
3-0のリードをキープする浦和は、落ち着いたパス回しで神戸に主導権をわたさず無失点のまま試合終了。29日(火)に味の素スタジアムで行われる準決勝へと駒を進めました。
その他の試合結果
FC東京(J1)1-2(前半1-0、後半0-1、延前0-1、延後0-0) サンフレッチェ広島(J1)
ベガルタ仙台(J1) 3-3(前半1-1、後半1-1、延前1-0、延後0-1、PK3-5) 柏レイソル(J1)
リーグとの2冠制覇を目指す広島は、途中出場したFW浅野拓磨選手が同点と勝ち越しゴールを決める活躍でFC東京に逆転勝ちしました。
第91回(2011年)大会以来の優勝を目指していた東京は、37分にMF東慶悟選手の先制弾でリードを奪い、前半は広島のシュートを0本に抑える展開でしたが、後半は広島が反撃。すると66分に東選手がラフプレーで退場となり、一人少ない状況になります。
広島は61分に投入していた俊足の浅野選手に加えて、74分にMFミキッチ選手、78分にはFW佐藤寿人選手を投入して攻撃を畳み掛け、85分に浅野選手がMF柏好文選手のクロスに頭で合わせて同点。さらに、延長に入ると103分にミキッチ選手のクロスに再び頭で合わせて決勝ゴールを決めました。東京はこの後DF森重真人選手が2枚目の警告で退場となり、反撃の糸口もつかめず、万事休しました。
柏対仙台はシーソーゲームになりました。柏は2-1リードの70分に2枚目の警告でMF秋野央樹選手が退場になり、その直後に追いつかれました。さらに延長開始早々に仙台FWウィルソンに得点を許し、2‐3のビハインドに。しかし、延長後半終了直前にFWクリスティアーノ選手がFKを決めて同点とし、PK戦へ持ち込みました。クリスティアーノ選手がこの日挙げた3得点は全てFKでした。PK戦では仙台3人目のMF梁勇基選手のキックが外れて柏が5-3で制しました。
29日の準決勝は、浦和レッズ対柏レイソル戦が13:05、ガンバ大阪対サンフレッチェ広島戦が15:05キックオフの予定です。
監督・選手コメント
長谷川健太 監督(ガンバ大阪)
ベスト4に進出できたことは嬉しいですし、サポーターの前で選手がしっかりとプレーをしてくれた結果、万博での最後の試合を勝利で終われました。非常に難しい試合でしたが、選手たちが最後まで勝利を信じて戦ってくれて、宇佐美選手は本当に素晴らしい活躍をしてくれました。準決勝は中2日なので、限られたメンバ-でしっかりとコンディションを回復させて準備したいと思います。
FW 宇佐美貴史 選手(ガンバ大阪)
万博でラストの試合なので今日ゴールを決められたらと思っていました。ゴールはラストパスの質に尽きます。2点目は流れが向こうになっていたので、このへんで一発決めたいと思っていました。(昨日生まれた)娘が力を貸してくれたかなと思います。
DF 丹羽大輝 選手(ガンバ大阪)
立て直しがよかったですし、東口選手を中心に耐えることできたのも今日の勝因だと思います。広島との1-1の引き分けやホームでのロスタイムの失点で負けた経験が活きていると思います。いい収穫になりました。
森下仁志 監督(サガン鳥栖)
後半の内容からすると負けは本当に残念です。選手たちは周囲が騒がしい中でも自分たちのやることを見失わずに、一生懸命やってくれて感謝したいです。ゴールネットの修理に時間がかかったことは残念です。あの時間帯流れが良かったので、言い訳になりますが、あのままやらせてやりたかったです。勝敗がつくのはプレーが切れた後だと選手たちに伝えていたのですが、それが現実になりました。ガンバの選手は冷静だったと思います。
ネルシーニョ 監督(ヴィッセル神戸)
今日の試合で言えることは非常に単純、経験と高いクオリティーの伴ったチームを相手にしたとき、守備のやり方を間違ってはいけないということです。守備陣が武藤選手と興梠選手に対し、考え過ぎたのか怖がってしまったのか、ボールに対してタイトにいけず、拙い対応をしてしまいました。私には、選手たちがこの試合への決意や自信を欠いていたように思えます。来シーズンは優勝を争うチームと肩を並べるつもりで、チームも選手もレベルアップしなければいけません。
DF 岩波拓也 選手(ヴィッセル神戸)
前半は相手のボールを良い形で奪うことができず、ワンタッチ、ツータッチで崩されてしまいました。集中力を保って我慢していたのですが、先制点を許してから、ずるずると失点を重ねたことが悔やまれます。僕や高橋祥平選手でボールを奪うことができていれば、違った展開になったかもしれません。浦和のやりたいようにやられてしまった印象です。こういう試合でボールを奪いにいけないのが、自分たちの課題なのかなと思います。
ペトロヴィッチ 監督(浦和レッズ)
序盤から非常にうまく試合に入れたと思います。そうした中、良いコンビネーションから得点も奪えました。後半は3-0でリードしていることと、次の試合(準決勝)もあるということもあってか試合のテンポが少し落ちたものの、試合をコントロールしながら時間を進めてくれました。次の準決勝は中2日、決勝までは再び中2日という日程が続くので、体力の温存を考えて、3枚の交代カードを切りました。最終的に3-0で終えることができて良かったです。
GK 西川周作 選手(浦和レッズ)
前半のうちに相手が(退場で)一人減りましたが、前回対戦した際に3点リードから1点差まで持ち込まれてしまったので、前半と後半の入り方と終わり方を意識していました。失点しなかったことが良かったと思います。後半は無理に攻める必要もなく、うまくビルドアップしながら戦えればいいと考えながらも、攻撃のスイッチを入れて最終ラインを押し上げるなど、メリハリのある試合ができました。点が入ればなお良かったのですが、そこは次への課題として捉えます。
第95回天皇杯全日本サッカー選手権大会
2015/8/29(土)~2016/1/1(金・祝)
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