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高円宮杯U-18プレミアリーグEAST 昨年度の上位陣が完封発進
2016年04月11日
高円宮杯U-18サッカーリーグ2016 プレミアリーグが4月9日(土)に開幕し、2日間にわたって5試合を東京都内で開催しました。
2014年、2015年ともにEAST4位で上位を保った市立船橋高校(千葉)はアルビレックス新潟U-18(新潟)と対戦。立ち上がりこそ両者とも慎重に試合を運びましたが、市立船橋が流麗なパスワークで徐々に新潟を押し込んでいきます。33分には左サイドを突破した野本幸太選手が中央に切れ込んでシュート。市立船橋に先制点をもたらすと、野本選手はその3分後にもゴールを挙げました。前半終了間際の45分には杉山弾斗選手の直接FKが決まり、市立船橋が3点をリードして前半を折り返します。後半、堅守で新潟の反撃を抑えつつ、さらに1点を加えた市立船橋が4-0で初戦を飾りました。
風が強くなってきた中で行われたFC東京U-18(東京)と清水エスパルスユース(静岡)の一戦、前半は風上の清水が優勢に試合を進めます。セットプレーからFC東京ゴールに迫り、前半だけで8本のシュートを放ちますが、相手の粘り強い守備の前にゴールを割ることはできませんでした。一方、「普段どおりのサッカーを見せよう」と開幕戦に臨んだFC東京も初戦の緊張からやや硬く、なかなかペースをつかめないまま前半を終えます。勝敗を分けたのはセットプレーでした。86分、清水は平松昇選手のCKを立田悠悟選手が折り返し、最後は途中出場の鈴木魁人選手がスコア。清水が1-0で接戦をものにしました。
4月10日(日)は3試合が行われました。昨年度の王者・鹿島アントラーズユース(茨城)は大宮アルディージャユース(埼玉)と対戦。「昨年から選手が大幅に入れ替わり、不安もあった」(鹿島・熊谷浩二監督)という中、序盤から効率的に得点を重ねます。6分、荒川弘大朗選手のFKに井村瞭介選手が合わせて先制すると、その2分後には須藤翼選手がボレーシュートで加点。鹿島が2本のシュートで2点を奪いました。この後、鹿島は「1対1で負けなければ大丈夫」(井村選手)と昨年のチームをほうふつさせる堅守を披露。大宮をシュート3本に抑え込んで勝利しました。
昨年、EAST2位に食い込んだ青森山田高校(青森)は同じ高体連勢の流通経済大学付属柏高校(千葉)と対戦しました。ボールを動かしてチャンスを伺う青森山田に対して、流経大柏は速攻に得点機を見出そうとします。試合が動いたのは16分。相手陣内でボールを奪った青森山田の嵯峨理久選手が前線の鳴海彰人選手に縦パスを供給、鳴海選手は相手CBに寄せられながらも、落ち着いてゴールを射抜きます。先制点で楽になった青森山田は後半も2点を加え、3-0の完封勝利。相手をシュート1本に抑えるなど、攻守とも充実した内容になりました。
14年のチャンピオン・柏レイソルU-18(千葉)と横浜F・マリノスユース(神奈川)の一戦は、最後まで試合の行方が分からない接戦に。横浜FMは42分、薄葉迅人選手のPKで先制に成功。この後も、高い技術を誇る攻撃陣が終始相手を押し込みますが、柏のGK猿田遥己選手の再三にわたる好守に遭い、追加点を挙げることができません。対する柏は最少失点にとどめたことで徐々に自信をつけ、後半は積極的に交代のカードを切って反撃に出ます。84分には途中出場の中村駿太選手のパスに中村陸選手が合わせて同点に。1-1で終わりましたが、果敢に横浜FMゴールに迫り、会場を盛り上げました。
コメント
熊谷浩二 監督(鹿島アントラーズユース)
今年のチームは、昨年と比べて全体的に戦力が落ちます。大宮という強豪を相手に正直、「相当厳しいんじゃないか」と思っていたので、とにかく勝つことができてよかったです。試合の主導権を争っていた中、早い時間帯にワンチャンスをものにできたことが大きかったと思います。リードした後の試合運びにはまだ課題が山積みですが、相手に決定機を与えず、最後まで集中を切らさなかった点は次節以降につながるはずです。
井村瞭介 選手(鹿島アントラーズユース)
今日の試合を迎えるにあたって、自分たちは決してチャンピオンではなくチャレンジャーだということを意識して臨みました。地に足をつけていたからこそ、結果を残すことができたのだと思います。(ゴールシーンは)最初のセットプレーのチャンスだったので、思い切りボールに向かっていこうと。それが得点につながって率直にうれしいです。大宮という強豪相手に無失点で試合を終わらせられたことも、自信になると感じています。
高橋壱晟 選手(青森山田高校)
開幕戦ということで少し硬さもありましたが、勝つことができてよかったです。2点目の場面は拮抗した展開が続いていて、「ここで自分が点を取れば、主役になれる」と狙っていました。今年から背番号10を任され、責任を感じています。歴代のナンバー10のような武器はありませんが、誰よりも走ってチームの勝利に貢献したい。サッカーは一人一人の選手がいて成り立つスポーツなので、チームのために全力を尽くします。
永井俊太 監督(柏レイソルU-18)
選手たちは試合序盤、緊張からか硬くなっていましたね。対戦相手の能力が想像していた以上に高いと感じたのかもしれません。それでも、ハーフタイムに「後半は自分たちらしくプレーしよう」と声を掛けたら、選手たちもそれに応えてくれました。パスを回して、徐々に自信を深めた結果、今回の引き分けにつながったと思います。終盤はシュートで攻撃を終える回数が増えましたし、しっかりと戦い切ったことで、試合後は充実感が漂っていました。
鈴木淳 地域ユースサブダイレクター(高円宮杯U-18サッカーリーグ2016 プレミアリーグ テクニカルスタディグループ)
開幕戦という独特の雰囲気や、春先でチームが固まっていないことも手伝ってか、慎重に試合を運ぶチームが多かったように思います。選手個々のレベルは高いので、高校生らしいアグレッシブなプレーに期待したいです。自分たちは東京オリンピックの主役を担う年代なんだと自覚を持ってもらいたいと思います。
試合結果
2016年4月9日(土)
市立船橋高校 4-0(前半3-0、後半1-0)アルビレックス新潟U-18
FC東京U-18 0-1(前半0-0、後半0-1)清水エスパルスユース
2016年4月10日(日)
大宮アルディージャユース 0-2(前半0-2、後半0-0)鹿島アントラーズユース
流通経済大学付属柏高校 0-3(前半0-1、後半0-2)青森山田高校
柏レイソルU-18 1-1(前半0-1、後半1-0)横浜F・マリノスユース
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