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第96回天皇杯 神奈川大、善戦およばず磐田に惜敗
2016年09月04日
ピックアップマッチ
ジュビロ磐田(J1) 2-0(前半1-0、後半1-0) 神奈川大学(神奈川県代表)
第96回天皇杯全日本サッカー選手権大会は9月3日(土)、各地で2回戦が行われ、静岡のヤマハスタジアムではジュビロ磐田(J1)と神奈川大学(神奈川)が対戦しました。
神奈川大は1回戦でFC町田ゼルビア(J2)に1-0で勝利して、2回戦へと駒を進めてきました。Jリーグ勢を相手に、2戦連続のジャイアントキリングを狙いました。
この試合でも、神奈川大は集中力の高いプレーを見せました。全体をコンパクトに保った守備で磐田に容易にパスを打ち込ませず、球際では激しく戦います。磐田の長身FW森島康仁選手へのボールには、DFがマンマーク気味に厳しく守備。ボールを奪えば武田将平選手の得意の左足からのパスを中心に、素早く磐田ゴールを目指しました。
開始3分で磐田の清水貴文選手にペナルティーエリア内に持ち込まれてシュートを打たれますが、その後、チャンスをつくり出したのは神奈川大でした。21分には南祥巧選手のフィードに野路貴之選手がDF2人の間を抜け出してシュートを放ちます。30分には河村英侑選手が左サイドから果敢に中央に持ち込みシュート。枠をとらえなかったものの、磐田守備陣に冷や汗をかかせました。
それでも先制点は磐田に生まれました。40分、右サイドから石田崚真選手がクロスボールを供給。厳しいマークをうまくはがした森島選手が、ヘディングで合わせました。
先制を許した神奈川大ですが、攻守にわたって相手より足を動かし続けます。42分のサイド攻撃に続き、44分にはビッグチャンスが訪れます。縦パスを2トップがうまいワンツーでつないで、すかさずシュート。これは右ゴールポストを叩きましたが、ゴール前に南選手が最終ラインから走り込みます。無人のゴールが口を開けていましたが、スピードに乗っていた南選手はシュートをミートし切れず、ボールは枠外に外れました。
後半に入り、磐田は立ち上がりから果敢に前へとボールを運びます。その姿勢が判断の早さを呼び込み、ペースをつかみ始めました。54分には左サイドからのクロス、58分にはピッチを斜めに渡る大きな展開から、惜しいシュートへとつなげました。
それでも神奈川大も、集中力を落とさずにゴールを狙います。FKとCKの連続でチャンスをうかがい、73分にはゴール前で果敢に仕掛けた1対1からクロスにつなげ、クロスバーを叩くシュートにつなげました。78分には交代出場の奥田晃也選手のゴール前のドリブルから、武田選手がミドルシュート。ゴール隅を狙いましたが、磐田のGK八田直樹選手の好セーブに弾き出されました。
磐田は後半アディショナルタイムに試合を決めます。左サイドからの荒木大吾選手のきれいな弾道のアーリークロスがDF2人の頭上を越えると、走り込んでいたのはこちらも途中出場の中村祐輝選手。右足で合わせたこの追加点で、磐田が2-0と勝利しました。磐田は9月22日(木)に行われる3回戦で、大宮アルディージャ(J1)とガイナーレ鳥取(鳥取)の勝者と対戦します。
監督・選手コメント
名波浩 監督(ジュビロ磐田)
これがサッカーだと思います。相手は圧倒的に内容が良くて、決定的なシーンも多くて、自分たちが映像を見た限りでは神奈川大にとって間違いなく一番の内容だったと思います。シュート数でも上回られながらも、われわれが2-0で勝つということが起きるのがサッカーです。決してプロらしくきっちりと勝ったわけではなく、内容に不満はありますが、次のステージに進むという最低限のミッションはクリアできたと思います。今日は神奈川大を称えた方がいいのではないかなと思います。
森島康仁 選手(ジュビロ磐田)
必死に向かってくる相手に対し、苦しい試合になるのは、当然だったと思います。僕自身、この一戦に懸ける気持ちはありました。得点シーンはとても良いクロスボールが来たので、本当に合わせるだけでした。トラップでミスをしたりしましたが、気持ちを切り替えようとしていました。試合内容の拙さを指摘されるかもしれませんが、点を取りたかったし、点を取った方がいいのは確かです。勝った方がいいし、見ていた選手にも刺激になるはずです。だから、いろいろな意味がある勝利だったと思います。
長谷川大 監督(神奈川大学)
J1のチームを相手に自分たちが掲げるアグレッシブなサッカー、攻守の切り替えをしっかりとコントロールして相手の背後を鋭く突くチャレンジがどれほど通用するか、をテーマに臨みました。(磐田の先制点は)森島選手にはCBの千田(海人選手)がしっかり対応して流れの中では負けていなかったと思いますが、サイドからの高いボールに対して、GKを含めてやられてしまいました。2点目のシュートも、あれを動きながら枠に入れるのはプロのスキルの高さを感じたというか、ああいうことを簡単にできるようになるには、毎日の練習が必要だと強く感じました。負けましたが、臆することなく戦えたことを自信に変えて、関東大学リーグにまた臨んでいきたいです。
南祥巧 選手(神奈川大学)
(無人のゴールに押し込めなかった場面は)1回戦の町田戦でも点を取っていたので「無心でプレーしよう」と思ったのですが、少し力んでしまったというか、僕の力不足が出てしまいました。全体をコンパクトに保って、セカンドボールを拾ってから人数をかけて攻めていくことは、J1チーム相手にもしっかりできたし、これからのリーグ戦でも生きていくと思います。今日は決定力不足という課題が出たので、その点をしっかりと改善して、後期リーグに臨んでいきたいと思います。試合後、磐田サポーターの方々が僕らにエールを送ってくれて、本当にうれしく思いました。
第96回天皇杯全日本サッカー選手権大会
2016年8月27日(土)~2017年1月1日(日・祝)
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