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高円宮杯第28回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会 清水が逆転勝利でU-15世代の「3冠」達成
2016年12月29日
「高円宮杯第28回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会」の決勝が12月28日(水)、東京の味の素フィールド西が丘で決勝が行われ、清水エスパルスジュニアユース(東海1)が北海道コンサドーレ札幌U-15(北海道1)に3-1で勝利して、16年ぶり3度目の優勝を果たしました。
決勝
清水エスパルスジュニアユース 3-1(前半3-1、後半0-0)北海道コンサドーレ札幌U-15
試合は開始6分で動きました。ボールを動かす清水に対して、札幌が最初のチャンスをものにします。相手ゴール前の左45度で奪ったFKで、坂下桂悟選手がファーサイドを狙います。シュートは直接ポストを叩いて混戦になり、最後は安田弐士輝選手が押し込みました。先制を許した清水ですが、風上に立ったことも踏まえ、落ち着いてプレーを進めます。そして11分に相手陣右サイドでのスローインからペナルティーエリア外から川本梨誉選手が左足を強振。この一撃がニアサイドを破り、試合は振り出しに戻りました。
これで同点とした清水は一気にたたみかけます。15分に右サイドから逆サイドへ展開すると、左サイドバックの鈴木瑞生選手が遠目から思い切ってシュート。これがゴール右隅に決まり、清水が逆転に成功。さらに2分後、左サイドでボールを拾った山崎稜介選手が、ゴール前へとドリブルしながら狙いすましたシュートを決めて、清水が3-1とリードを広げて、前半を折り返します。
一方、清水の集中攻撃を受けた札幌も後半から反撃に移ります。守備時にもサイドバックが前へと出て、ボールを能動的に奪い、かつ相手陣でスペースをつくり出します。また、ボールを受けると見せかけてのスルーや裏への抜け出しなど、2トップの連係に周囲の選手も関わります。これで前線で人とボールの動きが活性化し、43分、50分と右サイドを突破してクロスボールを送りますが、清水は冷静さを失わずにしっかりと対応します。
清水は選手投入や配置変更をしながら、要所を抑えて札幌に攻め切らせません。逆に77分には、交代出場した榊原杏太選手がカウンターからのロングシュートで札幌ゴールを脅かします。札幌も最後までゴールを狙い続けましたが、シュートは前半より1本少ない3本にとどまり、スコアは3-1のまま動かずタイムアップ。春のJFAプレミアカップ、夏の日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会に続き、清水がシーズン3冠目を獲得してシーズンを締めくくりました。
監督・選手コメント
岩下潤 監督(清水エスパルスジュニアユース)
目の前の相手に勝つという強い気持ちを持っていないと、選手たちは夢であるプロになることはできません。彼らはよく頑張って成果を残したと思います。先制される試合が多かったのですが、下を向いたりせず、可能性を捨てるなという話をしていました。できることをコツコツやって試合をひっくり返したことは、すごく良い経験になったと思います。また、選手には1対1で負けるなと話しています。いろいろな選択肢やアイディアを持つように教えていますが、それを成功させるための技術が必要です。決勝では単独や複数での突破という、得意なプレーが出せました。でも、ここは通過点です。選手たちにはプロを目指して頑張ってほしいです。
川本梨誉 選手(清水エスパルスジュニアユース)
前回大会ではPK方式で僕のキックが外れて負けました。今年の3冠で去年の3年生への恩返しになったならうれしいです。先制されても焦りませんでしたが、自分のクリアミスから決められたので、自分で取り返そうと思っていました。チームとしてシュートが少なく、僕が1本打ったら皆も続いてくれるのではと思って打ったシュートが決まりました。一人一人が努力家で、食事や体づくりで体幹などを強化できたことが、3冠の要因になったと思います。海外遠征で体や技術の差を感じてから、意識が高まりました。清水から羽ばたいていった日本代表の岡崎慎司選手のように、世界で活躍できる選手になりたいです。
森川拓巳 監督(北海道コンサドーレ札幌U-15)
選手たちはかなり緊張していましたが、試合への入り方は悪くありませんでした。しかし、サッカーを知っているかどうかの差が、開始からの15分間で出てしまいました。相手を外側に追い込んでボールを奪いたいのに、中央に入られて3失点しました。後半は積極的な姿勢が出るポジションを取れていましたが、シュートやクロスボールを出させない清水はさすがです。こちらにはアイディアが足りませんでした。それでも、選手たちは試合の状況も読めるようになり、すべきことが分かるようになりました。1年を通してやってきたことが出た大会だったと思います。
本間洋平 選手(北海道コンサドーレ札幌U-15)
清水は試合の流れというものを知っていて、(前半に)風上から打ってきたシュートに、僕らは対応できませんでした。一人一人がフィジカルで負けたことが響き、2人で止めに行ってもかわされて、シュートを打たれて失点につながりました。今大会ここまで失点がなく、大事になると考えていた先制点を取ったことで勢いに乗りたかったのですが、その後の失点が痛かったです。このメンバーで戦うのは最後なので、負けてすごく悔しいです。でも、みんなが成長して、全員が自分の役割をこなしたことで結果につながった大会でした。
JFA-TV
決勝ダイジェスト
清水エスパルスジュニアユース(東海1/静岡) vs 北海道コンサドーレ札幌U-15(北海道1)
高円宮杯第28回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会
2016年12月17日(土)~2016年12月28日(水)
1回戦~準々決勝:茨城県内会場
準決勝~決勝:味の素フィールド西が丘(東京都)
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