ニュース
2017年度 第2回女性指導者スキルアップ研修会を開催
2017年07月21日
7月14日(金)から16日(日)の3日間、2017年度の第2回女性指導者スキルアップ研修会を大阪府堺市で開催しました。本研修会は、JFA公認指導者の上位ライセンス取得を目指す女性指導者を対象として昨年から開始したものです。今年度第2回目となる今回は、4名の女性指導者が参加し、指導実践やレクチャーを中心に3日間のプログラムを実施しました。
初日はガイダンスの後、「コーチング法」と「プレー分析とプランニング」の2つの講義を行いました。「プレー分析とプランニング」の講義では、6月に行われたなでしこジャパンの国際親善試合(オランダ戦)の試合映像からゲーム分析を行い、翌日からの指導実践に向けた指導案を作成しました。
2日目、午前は「攻撃」、午後は「守備」をテーマに指導実践を行い、指導のポイントや選手への働きかけ方等をインストラクターと受講生がディスカッションを繰り返し、前日に学んだ「コーチング法」のポイントが上手く表現できるよう取り組みました。夜の講義では、JFAテクニカルスタディグループによるFIFA U-17女子ワールドカップヨルダン2016の分析報告と指導実践の振り返りを行いました。
最終日は、同じ会場で開催されていた「JFA女子インターナショナルコーチングコース」のレクチャーを見学した後、最後の指導実践を行いました。これまでの振り返りを活かしながら、トレーニングからゲームまでの実践の中で、積極的なコーチングが行われました。
女性指導者スキルアップ研修会は今後、第3回:9月1日(金)~3日(日)(広島)、第4回:11月17日(金)~19日(日)(静岡)の開催を予定しています。
インストラクターコメント
清瀬一剛 ナショナルトレセンコーチ(女子、北信越チーフ)
今回の女性指導者スキルアップ研修会は、受講者が資質向上、コーチングのスキルアップ、また自身の指導力の現在地を知り、今後向上心を持って学んだことを取り組んでいくことを目的に行いました。受講者は、コーチング法・プランニングを学び、映像から指導プランを作成し、実際に中学校の男子サッカー部をトレーニングし指導実践を行いました。指導プランに基づいたオーガナイズやコーチングにトライするものの、思うようにいかないこともあり、インストラクターによる強い介入やオーガナイズの変更にも、受講者に笑顔を絶やさず積極的に取り組む姿勢がみられ、それにより選手が活性し、受講者のコーチングにも大きな変化が現れました。また、レクチャー開始前には受講希望の動機など6分間スピーチを行い、指導者を続けていく上で、彼女たちの様々な思いや、家族や職場の協力が男性指導者に比べてより必要であることが実感出来ました。
最終日にはJFAインターナショナルコーチングコースを見学し、アジアの女性指導者の取り組みを感じ世界観を広げていました。研修会を終えて、選手同様に指導者にとっても、日頃のコーチング・指導のあり方が大切であるということを伝え、質の高い基準で取り組む仲間を増やして欲しいと伝えました。指導実践に協力いただいた、中百舌鳥中学校サッカー部の皆様に、改めてお礼を申し上げます。
受講者コメント
小松美里 さん(長野県)
私は、指導実践をあまり経験したことがなかったので、最初は凄く不安がありました。しかし、少ないながらも受講者の方々とお話できたり、インストラクターの方々の指導により、とても充実し、私の中での指導者のあり方や指導者としての考え方がより明確になりました。色々な練習法を見られたことも収穫でした。研修に関わった全ての方々に感謝いたします。またこのような機会があれば、是非参加したいと思います。
土生直美 さん(大阪府)
指導の仕方についてプロフェッショナルな観点からのご意見を頂きたかったこと、それから女性指導者の現状や女子サッカーの取り組みなどを理解したかったことなど、今後のモチベーションを上げるために、今回のスキルアップ研修会に参加しました。今できることを全部出しきろう、という気持ちで指導実践を行いましたが、最初は選手に対しての言葉かけはおろか、オーガナイズもうまくいかず、ただ声量で乗り切ったような形で終えました。指導に問題点があり、指導実践中にインストラクターの方々の介入もあり、オーガナイズを変更する場面もありました。自分には見えていない世界がたくさんあるのだと実感して、とても悔しかったです。常に緊張感があり、炎天下の中での指導ということもあって、心身ともに疲弊しましたが、全てのプログラムを終えて、最後までやりきったという達成感で満たされました。この経験を忘れないように、これからコツコツとライセンスを上げていく方向へ進みたいと思います。
吉永結希 さん(群馬県)
今回初めてスキルアップ研修に参加させていただいて、たくさん指導実践を行うことができました。その際も実際に地元の中学生を指導すると言うことで、自分の中にたくさんの課題をみつけることができました。今後の指導に活かしていきたいと思います。