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森保オリンピック代表監督、メダル獲得へ「全身全霊で」
2017年10月31日
2020年に東京で開催される第32回オリンピック競技大会で、サッカー男子の日本代表を率いることになった森保一監督が10月30日(月)、東京のJFAハウスで就任会見に臨み、「重責だが全身全霊で五輪へ向かい、メダルを獲得できるようにがんばりたい」と抱負を述べました。
森保監督は、2012年から率いたサンフレッチェ広島で就任1年目にチームをJリーグ優勝に導くと、翌2013年と2015年にもリーグ制覇。今年7月に退任するまでの4年間で3度のリーグ制覇を遂げ、2015年のFIFAクラブワールドカップでは3位に導きました。J1通算戦績は92勝40分55敗です。
五輪代表監督として、森保監督が目標に掲げたのは1968年メキシコ五輪大会以来52年ぶりとなるメダル獲得です。
森保監督は、「自国開催の東京五輪で監督をすることは結果を求められる重責ですが、みなさんに喜んでもらえるような結果を出せるように、全身全霊で五輪に向かっていきたい。メダルを獲得できるようにがんばりたい」と決意を表しました。
プレースタイルについては、「日本人の良さを活かして、チームが組織として連係連動して攻守に関わるサッカーをしたい」と話しています。
男子五輪サッカー競技は23歳以下の選手中心に競われ、日本代表へも直結する年代です。2016年のリオデジャネイロ五輪を戦ったチームからは、MF井手口陽介選手(G大阪)や森保監督が広島で指導したFW浅野拓磨選手(シュツットガルト)らが現在、日本代表で活躍しています。
森保監督はJリーグ発足前、JFLのマツダ時代から広島でプレーしましたが、選手としてまだあまり知られていなかった頃、ハンス・オフト日本代表監督に見出されて代表入りし、守備的MFとして立ち位置を確立。1994年のFIFAワールドカップアジア最終予選などを含め、国際Aマッチ35試合で活躍しました。
森保監督は、「実績に関係なく、五輪に出たいと思う選手には夢を持ってひたむきに頑張ってほしい」と選手たちへメッセージを送り、「埋もれて終わることなく成長してもらえるように、いろいろな選手を見ながら、選手個人の力を引き上げていきたい」と語っています。
今年49歳の長崎生まれの新指揮官は、35歳で現役を引退して指導者へ転身。古巣の広島で育成コーチを務め、2005年からはJFAナショナルコーチングスタッフに加わり、コーチとしてU-19日本代表では2006年にAFCユース選手権、U-20代表では2007年のU-20 FIFAワールドカップカナダを経験しています。また同時期にJFAナショナルトレーニングセンターのコーチとして中国地域を担当しました。
西野朗技術委員長は、「森保監督は若手育成の経験も豊富。その経験を活かしてJリーグでも最高レベルの成果を挙げている。そういう実績のある指導者に、輝く選手を多く育ててチームを強化して欲しい」と話しています。
また、1996年アトランタ五輪で、監督として28年ぶりの本大会出場とグループステージではブラジル戦勝利を経験した西野委員長は、「クラブから代表に来て思い通りに行かないところもあると思うが、いろいろなプレッシャーに惑わされず、自分のスタイルはブレずに、要求をストレートに上げてほしい」とアドバイスを送りました。
会見に同席した田嶋幸三JFA会長も、「プレッシャーがかかるポジションだが、森保監督はしっかり最後まで仕事をやり抜く人で、五輪代表監督にふさわしい。最大の成果を残せるように支援したい」と語りました。
森保監督の契約期間は2020年東京オリンピックまで。五輪代表監督としての初陣は12月にタイで行われる国際大会で、来年1月には中国で開催されるAFC U-23選手権に出場します。五輪監督の選考は西野委員長を中心に行われ、10月12日(木)の日本協会理事会で承認されていました。
また、この日、JFAを訪れていた東京オリンピックで女子を率いる高倉麻子なでしこジャパン監督は、森保監督の就任に「同い年でトレセンでも一緒に仕事をした。五輪監督の就任を嬉しく思う。一緒に頑張っていきたい」と歓迎と激励の言葉を送りました。
コメント
森保一 オリンピックサッカー男子日本代表監督
プレースタイルはこれから選手を見極めながら柔軟に考えたいですが、広島でやっていたことをベースに、最良なスタイルで戦っていきたい。個の成長を促しながら、日本人の良さを活かして、攻守に連係連動したサッカーをしたいと考えています。東京五輪へは予選がありませんが、予選がないことをプラスにじっくりチーム作りをしていきたい。世界の殻を破るために何が足りないか、西野委員長やいろいろな指導者と相談して得たことを練習で活かし、強化試合でどれだけ情熱を持ってやれるかだと思っています。
これから私と共に戦ってくれる選手たちは、多くの指導者に育てられてきた選手たちです。さらに良い経験を積んでもらい、育ててきた指導者や関係者の方々の努力が花咲くように、皆さんに喜んでもらえる結果を求めながら、選手の成長の助けになるような仕事をしたいと思います。日本代表のアンダーの世代なので、さらに上に引き上げて、2022年ワールドカップへ行けるように指導したいです。また、私は長崎で生まれて広島で多くの時間を過ごしました。いずれも世界で2か所しかない被爆地という平和都市です。五輪は平和の祭典でもあるので、そういう発信ができれば幸いです。
田嶋幸三 JFA会長
西野技術委員長から森保さんを五輪監督にと話を訊いた時に、新鮮で嬉しい気持ちになりました。2020年東京オリンピックは重要な大会で注目され、プレッシャーのかかるポジションですが、森保監督は真面目でしっかり最後までやり抜く人です。五輪日本代表監督にふさわしいと思っています。最大の成果を残せるように支援します。
西野朗 JFA技術委員長
森保監督は若手育成の経験も豊富な上、その経験を活かしてJリーグでも最高レベルの成果を挙げています。そういう実績のある指導者に、輝く選手を多く育ててチームを強化してほしいですし、五輪だけでなく、その先も見据えなくてはなりません。東京五輪では胸に輝くものを得て輝けるように、必ず成果を挙げてくれると期待しています。協会もしっかりサポートして、男子・女子のサッカーが五輪成功の一助となりたいと思います。
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