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清水利生さん(元フットサルリーグ選手)が文京区立青柳小学校で夢先生「失敗から逃げず『なぜ起こったのか』自己分析を大切に」

2018年11月21日

清水利生さん(元フットサルリーグ選手)が文京区立青柳小学校で夢先生「失敗から逃げず『なぜ起こったのか』自己分析を大切に」

Fリーグでプレーし、現在、メンタルトレーナーとして活躍している清水利生さんが11月26日(金)、文京区立青柳小学校5年1組のクラスで「夢の教室」を行いました。

授業では、“トックン先生”のニックネームで教壇に立った清水さん。小学1年生でサッカーを始め、9歳の時に開幕したJリーグに憧れを抱いた少年時代からの半生を語りました。

小学校のときは常にレギュラーで試合に出場し、中学2年生で山梨県の選抜チームに選出されてドイツやオランダへの遠征も経験しました。高校は、「全国大会で活躍してJリーグの選手になる」という目標を立て、山梨県立韮崎高校に進学。元日本代表の中田英寿さんを輩出している韮崎高は、言わずと知れた高校サッカーの名門校です。それだけに、サッカー部は120人もの選手が在籍する大所帯。選りすぐりの選手が大勢いる中で、清水選手は高1で既にAチーム(トップチーム)に入ることができました。こうして、プロサッカー選手になることを夢見て好調なスタートを切ったのです。

ところが、高2になると突然コーチからBチームへの降格を告げられます。これが“トックン先生”のサッカー人生における初めての挫折でした。「今振り返ると、このときは降格を人のせいにしていた」とトックン先生。結局、高校時代は一度も全国大会のピッチに立てないまま、卒業と同時にサッカー選手になる夢を諦めてしまいました。

サッカーから離れていたとき、Jリーグでプレーしていた高校時代の先輩から「フットサルをやってみないか」と誘われ、軽い気持ちで地元のチームでフットサルを始めることにしました。

あるとき、山梨県リーグに参加しFリーグの強豪チームと対戦。0対10と完敗を喫しますが、「この相手チームの人たちとフットサルをしてみたい。Fリーグの選手になりたい。同じ舞台で試合をしてみたい」という強い思いを抱きます。
ところが、自身のミスで試合に敗れることもしばしば。ある日、観戦に来た先輩に不満をぶちまけると、先輩から「自分のミスをなかったふりをして失敗から逃げている」と、厳しく指摘されたのです。
これによって、高校生のときもうまく行かなかいと人のせいにしていたことに気付いた清水選手は、「これからは言い訳をせずに、できることからやっていこう」と、新たな決意を持つに至ったのです。

その後、身体づくりから見つめ直すこととし、栄養学のほか、筋力トレーニングやメンタルトレーニング、コンデショニングなどの知識をつけて、疲れにくい体づくりやコンディション維持に努めるようになりました。

しかし、なかなかFリーグへの道は開けません。

かつての仲間たちがFリーグや日本代表で活躍する中、25歳になった清水選手は、Fリーグへの道を諦めようと思うようになりました。
そんなとき、仲間に相談すると、彼の口から「苦しくなって逃げ出すのは自分自身。夢が逃げたのではない」という言葉が返ってきました。

この言葉によって一念発起した清水選手はもう一度、Fリーグを目指すことにし、2009年にFUGA TOKYO(現フウガドールすみだ)への移籍を果たすと、その年、フットサル地域チャンピオンズリーグの優勝に大きく貢献しました。

そして2012年、26歳で念願のFリーグ「デウソン神戸」への移籍が決定。7年越しの夢が叶った瞬間でした。

トックン先生は子どもたちに向かってこう言います。「自分が夢を叶えられたのは仲間がいたから。夢を諦めそうなときにアドバイスをくれた仲間の存在なしにFリーグの選手にはなれなかった」。そして「大切にしている言葉が3つある。一つ目は『仲間を大切に』、二つ目は『失敗から逃げない』、三つ目は『チャレンジ』だ」と説き、「辛い期間は正直長かったけれど、辛い時間があって夢を叶えることができた。将来みんなに夢や目標が出来たとき、この授業を思い出してもらえると嬉しい」と締めくくりました。

授業のあと、トックン先生に感想を聞くと「意見を言える子どもが多かった。明るくて元気でエネルギッシュな子どもたちという印象です」と目を輝かせて話してくれました。

「夢の教室」

日本サッカー協会(JFA)の「JFAこころのプロジェクト」の活動で、各地の小・中学校の正課で実施している授業です。2007年に本格的にスタートし、これまでに13,000回を超えるの夢の教室を行ってきました。
クラスを受け持つ先生を「夢先生」といい、現役サッカー選手やプロ野球選手、プロテニスプレーヤーをはじめ、各競技のオリンピアン、パラリンピアン、そのOB・OG、さらにはアナウンサーやタレントなど多くの人材が名を連ねています。
授業は「ゲームの時間」と「トークの時間」から成り、ゲームの時間ではさまざまなゲーム(運動)を楽しみながら、ルールを守ることや力を合わせて目標を達成することなどを学びます。「トークの時間」は夢先生がこれまでの半生を振り返るもの。いつ、どんな夢を持ち、それを叶えるためにどういう努力をしてきたか、誰の言葉に勇気づけられたかなど、目標に向かって歩んできたそのプロセスを語ります。

JFAこころのプロジェクト

様々な競技の現役/OB/OGのスポーツ選手などを「夢先生」として学校へ派遣し、「夢を持つことやその夢に向かって努力することの大切さ」「仲間と協力することの大切さ」などをゲームと夢先生の体験談を通じて子どもたちに伝えています。
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