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第44回JFAレフェリーキャラバンを佐賀県で開催
2018年12月25日
第44回JFAレフェリーキャラバンを12月15日(土)、16日(日)佐賀県総合運動場陸上競技場・佐賀市健康運動センターで開催いたしました。
全国で44番目、九州で最後の開催となった今回のレフェリーキャラバンには2日間あわせて26名が参加。初日は講義を中心に夕方からは「審判と技術の協力」というテーマでディスカッションなどが行われ、2日目には指導実践に取り組むなど、充実した2日間となりました。
JFAインストラクターコメント
脇山哲郎 九州地域審判トレセンマネジャー
九州で最後となるレフェリーキャラバンを佐賀で開催いたしました。オープニングには、佐賀県サッカー協会浪瀬会長、大庭副会長、福岡専務理事を迎え、また初日には、JFAの小川審判委員長にも参加いただき、佐賀県が今抱える様々な課題解決のために今後何に取り組むべきかを見出す機会となりました。
1級審判員不在の状況が続く佐賀県にとっては、いかに若手審判員を発掘、育成するかが課題であり、グループワーク形式で行った3種、2種の技術指導者とのディスカッションにおいては、全県で一斉にユース審判員を対象とした研修会を実施する「審判の日」の創設など、課題解決への具体的なヒントとなる提言もあり、今後の取り組みにとって有意義なものでした。
また、審判インストラクターとしての指導機会がなかなか見つからない現状を踏まえて、プラクティカルトレーニングを理論の理解、解題抽出、指導実践のステップで実施しました。審判インストラクターとして今後の指導にあたって、大いに役に立つことが期待できる内容でした。
今回のレフェリーキャラバンを単なる気づきだけに留まらず、課題解決への一歩を実践として着実に踏み出すことが大変重要であると感じました。
開催サッカー協会 審判委員長コメント
原田秀昭 佐賀サッカー協会 審判委員長
全国では、44番目となり九州では最後の開催県となりました。佐賀県は、30年近く1級審判員が輩出できていないのが現状であり、九州各県と比較し10年以上不在県となっているのが、最大の課題であります。このレフェリーキャラバンの開催を機会に、その原因がどこにあったのか、審判委員会で課題解決に向け議論を事前に何度も重ねてきました。
その結果、第1日目は、講義(将来構造その他・RDOからのメッセージ・プラクティカル理論・イントレスキル紹介)を中心に実施し、16時より年代の早い時期からユース審判員を発掘し・4級・3級・2級審判員数の裾野(増員)を拡大していくことが大切でメリットになることから、技術指導者(2種委員会・3種委員会)との協力関係を構築し共生・共有するための理解を得ることも含め「審判と技術の協力」というテーマでディスカッションの場を設けることにしました。約2時間程度の話し合いとなりましたが、活発な討議(意見交換)となり若手審判員の増員や1級審判員の創出に繋がるための有意義な話し合いが、前向きにできたと実感していますが、このような会(議論)を定期的に継続していくことが、課題解決に向けての打開策に繋がっていければと思っています。
また、審判員のレベル向上を目指すためには、審判インストラクターの増員や指導技術の向上も不可欠であり、育成・強化する高い意識や審判員の大きな成長に繋がるための要素でもあるため、第2日目には、午前中、降雨となりましたが、前・後半20分の実戦形式の試合で2級昇格を目指そうとしている3級審判員2人(19歳)にレフェリングしてもらい、2級・3級インストラクターが、前半(A班)・後半(B班)の各グループに分かれ、その試合での課題点(分析)を明確に抽出し、初めての方もおられましたが、プランニングシートを各自が作成して、A班(ペナルティーキック)B班(動きとポジショニング)の課題をフィールドで半コートずつ同時にプラクティカルTRを目的に沿って実施し審判員の改善点に向け積極的にまた真剣に指導実践に取り組むことができたと思います。
終了後、指導の振り返りのまとめをA班・B班から代表者が発表し指導上でのご指摘を脇山氏・泉氏から助言いただき、共通理解を参加者全員が深め、これから佐賀県の審判員・指導者が目指す方向性を掴むことができたと確信し他県に取り残されないように研鑽し努力していきたいと思います。
最後に2日間では、まだまだ答えを見出すことの難しさは感じていますが、サポートや助言をしていただいた、日本サッカー協会小川審判委員長さま・脇山さま・泉さま、開催に至り出席していただいた、佐賀県協会・浪瀬会長さま・大庭副会長さま・福岡副会長兼専務理事さま、ありがとうございました。
また、デモンストレーターを務めていただいた佐賀県庁・佐賀大学サッカー部の皆様、参加していただいた佐賀県協会技術関係者・審判委員会関係者の皆様、感謝しています。 ありがとうございました。
受講者コメント
熊谷正実 佐賀サッカー協会育成部長
日本サッカー協会の将来構想、ワールドカップ優勝。夢は大きくていいですよね。生きている内に実現できればと思います。
今回の研修では、プラクティカルトレーニングについて、とても良い勉強をさせていただきました。ゲームの中で課題を見つける。グループワークでその課題の原因、要因を探る。その課題を克服するために、どのようなトレーニングを行ったらよいのか意見を出し合ってトレーニングプランを作成する。そのトレーニングプランが意味のあるものにするために、デモンストレーターに仕込みを行う。実際にトレーニングを行って、反省会においてそのトレーニングをもっと効果的に行うための検証を行うといった一連の流れを学習することができました。
今後、審判指導を行う上で、プラクティカルトレーニングまでは行わないとしても、審判を指導する上で、視点であるとか、本人に気づきを与える指導ができるようになると思います。
すばらしい研修をありがとうございました。
川上泰次 佐賀サッカー協会競技部長
この度、レフェリーキャラバンに参加させて頂き、大変貴重な経験をさせて頂きました。私自身、今年度3級インストラクターとなり、現役の審判員として活動しながらインストラクターを務めて来ましたが、人のレフェリングを分析して指導することへの難しさを感じていました。今回は3級インストラクターが2つのグループに分かれ2級インストラクター指導の下、トレーニングマッチの主審を務めるレフェリーの問題点を上げ、各インストラクターがプラクティカルトレーニング案をプランニングするといった内容でした。
実際にある程度意見は出せてもどういったトレーニングが効果的なのか、自分の考えをどのように上手く相手に伝え、相手がどのように考え理解して言葉を引き出せるかの難しさを痛感しました。色々な方々に話を聞きながら「こういった時はこのようにしたらどうか」とか様々な指導のお言葉を頂くことができ大変参考になるともに、このレフェリーキャラバンを通して、自分の中の審判員とインストラクターの距離が縮まった感じがします。
最後になりましたが、今回、このような機会を与えていただいた、JFA、九州FA、佐賀県FAをはじめ、このキャラバンにご協力いただいたチームや選手、審判員のみなさんに感謝しながら、この貴重な体験を糧に、自身のインストラクターとしてのスキルアップを図って行きたいと思います。
酒井昭宏 佐賀サッカー協会審判副委員長
九州最後のレフェリーキャラバンを飾ることとなった12月15日を前に、「忘れたことはないか?足りない物はないか?技術の先生方は来てくれるか?思うように事は運ぶか?」等々、深夜まで準備に余念がなかった3日前、小川佳実審判委員長が視察に見えられるとの情報が舞い込み、緊張がMAXになりました。
聞くところによると、”技術との協力”に興味を示されたとのこと。今回、このセッションを上げたのは、技術と審判が協調して佐賀のサッカーレベルを上げなければ、という長年の佐賀の課題に取り組みたかったからで、「技術と審判がともに手を取り合って佐賀のサッカーレベルを盛り上げて行こう」をスローガンに、これは絶対に失敗は許されないぞ!と気持ちを強く持ちました。
果たして、”技術との協力”は午後4時からでしたが、時間前から続々技術の先生方がお見えになり、予想を超える9名もの先生方をお迎えすることができ、先生方も問題解決への意欲を強く持ってあるのだと感じました。セッションは、自己紹介から始まり、予定は90分間でしたが、グループごとのワークショップが予想以上の盛り上がりを見せ、”審判の日を作りましょう”で意見統一を図ることができ、予定を超えた2時間近くの有意義な意見交換をすることができました。終わりには、小川審判委員長からコメントを頂くこともでき、技術の先生方も熱い視線で耳を傾けておられたのは印象的でした。
今回、私は準備から開催まで、全体の連絡・調整役を務めさせていただきましたが、このレフェリーキャラバンで得た、技術の先生方との関係をさらに発展させ、優秀な選手の育成、1級審判員の輩出等々に労を惜しまず尽力し、佐賀のサッカーレベルを高めて行く一翼になれればと思います。
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