JFA 第24回全日本フットサル選手権大会の準決勝の2試合が3月9日(土)に駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場で行われました。

第1試合は、2018/2019シーズンのＦリーグ・ディビジョン1プレーオフ・ファイナルや前回大会の決勝と同じ対戦カードである名古屋オーシャンズ（F1）対シュライカー大阪（F1）となりました。序盤からボールを保持しながら攻め込む名古屋と、カウンターからゴールを狙う大阪という構図になった試合で、違いをつくったのは名古屋の外国籍選手でした。12分に、F1の2018/2019シーズン得点王であるヴァルチーニョ選手が先制点を挙げます。

名古屋は1点リードで迎えた後半の立ち上がり23分には、ルイジーニョ選手のパスから西谷良介選手がゴールを決めて点差を広げます。その1分後にもルイジーニョ選手のシュートをGKが弾いたところに詰めていた西谷選手がこの試合2点目を挙げ、名古屋が3-0とリードしました。一方的な試合になるかと思われましたが、ここから大阪も反撃に転じます。25分には加藤未渚実選手が直接FKを決めると、その2分後にはCKの流れから芝野創太選手が得点を決めて1点差に詰め寄りました。大阪はその後、パワープレーを仕掛け、同点ゴールを目指しましたが、このまま試合は終了。名古屋が2年連続の決勝進出を決めました。

第2試合では、12大会ぶりの決勝進出を目指す立川・府中アスレティックFC（F1）と初の決勝進出を目指すヴォスクオーレ仙台（F1）が対戦しました。2分に立川・府中は左サイドを突破した皆本晃選手のパスからジョー選手が先制点を挙げると、9分にもジョー選手がゴールネットを揺らし、優位に試合を進めます。しかし、クラブ史上初となるベスト4進出を果たした仙台も、ここから反撃に転じると10分には堀内迪弥選手からのパスを受けたアランギタヒ選手が1点を返します。さらに14分にはゴール前で荒牧太郎選手のシュートのコースを変えた藤山翔太選手、その2分後にはマルロン選手もゴールを決めて逆転、前半を3-2と仙台がリードして折り返しました。

F1リーグ3位の立川・府中は、後半開始直後からギアを上げて攻め込みます。23分にはジョー選手がハットトリックとなるゴールを決めると、32分には今シーズン限りでの現役引退を表明している岡山洋介選手が逆転ゴール。さらに37分にはジョー選手のアシストから、ゴール前に詰めていた酒井遼太郎選手が点差を広げるゴールを決め、5-3としました。その後、仙台もパワープレーから内野脩麻選手が1点を返しますが、このまま試合は終了。5-4で勝利した立川・府中が決勝進出を決めました。

この結果、10日(日)15時から行われる決勝は、名古屋オーシャンズ対立川・府中アスレティックFCの対戦となることが決まりました。 “絶対王者”の名古屋が2年連続国内3冠を達成するか、2000年の設立以来2度目の決勝で立川・府中が初優勝を遂げるのか。新たな歴史の生まれる瞬間を、ぜひ会場で見届けてください。

監督・選手コメント

ペドロ・コスタ 監督（名古屋オーシャンズ）
大阪とは今シーズン、練習試合を含めて8試合やりました。毎試合、非常に苦戦しています。彼らと戦う際には対策をしっかり立てなければいけません。今日の試合は準決勝ではありましたが、決勝のつもりで戦いました。私は2年前のこの大会で引退しましたから、全日本選手権の決勝というのは、特別なものです。ここで勝ち、タイトルを取るためにチーム全員で1年を通して努力をしてきました。決勝で勝たなければ何の意味もありません。私たちのチームは環境など、全てが他クラブより整っています。勝つ義務、プレッシャーがありますが、それをポジティブに出せれば、良い結果はついてくると思います。

芝野創太 選手（シュライカー大阪）
またプレーオフ決勝と同じ1点差で名古屋に敗れました。今シーズン限りで大阪を離れるので、最後は優勝して終わりたかったので悔しいですね。今シーズンは監督が木暮賢一郎さんから比嘉リカルドさんに代わって、攻めだけではなく、守備でもしっかり貢献しようと取り組んでいました。シーズン途中で出場時間が短い時期もあったので、個人的にはもっと結果を出したかったですね。大阪にはアルトゥール選手をはじめ、個々のレベルの高い選手もいましたし、彼らから学ぶことがたくさんありました。プレーの幅を広げることができたと思っています。

谷本俊介 監督（立川・府中アスレティックFC）
最初に2点を取ることができて、試合を優位に常にリードし続ける状態で進められるかなと思いましたが、不用意なミスから簡単に失点してしまい逆転されました。点差を見れば苦しい状況でしたが、それでも集中力を切らさずに、後半も同じような戦い方を信じてやり続けてくれた選手たちのおかげで逆転できたと思います。私たちは恵まれたクラブではありません。選手もエリートではない。それでも雑草魂のある選手が、それぞれの長所で短所を埋め合いながら助け合っているチームです。その強みを生かして明日の決勝は戦いたいと思います。

内野脩麻 選手（ヴォスクオーレ仙台）
クラブ史上初のベスト4まで勝ち上がることができましたが、決勝ならではの空気を味わってみたかったというのが率直な思いです。個人的には前半は上手く周囲と連動できませんでしたが、後半はできていました。それを1試合、年間を通してやらないと、来シーズンは他クラブからも警戒されると思うので、平均値を上げなければいけないと感じています。ジョー選手の爆発的な得点力は分かっていましたし、抑える方法があったはずなのに、それができなかったのは悔しいです。

準決勝 3/9 12:00キックオフ
名古屋オーシャンズ (Ｆ1リーグ1位) vs シュライカー大阪 (Ｆ1リーグ2位)

準決勝 3/9 14:30キックオフ
立川・府中アスレティックFC (Ｆ1リーグ3位) vs ヴォスクオーレ仙台 (Ｆ1リーグ9位)

1回戦・2回戦
大会期間：3月2日(土)・3日(日)
会場：静岡県/エコパアリーナ、愛知県/武田テバオーシャンアリーナ、大阪府/岸和田市総合体育館、兵庫県/兵庫県立総合体育館

準々決勝～決勝
大会期間：3月8日(金)～3月10日(日)
会場：東京都/駒沢オリンピック公園総合運動場 屋内球技場

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