ニュース
強豪校同士の戦いを制した神村学園、修徳が準決勝へ 第28回全日本高等学校女子サッカー選手権大会
2020年01月07日
第28回全日本高等学校女子サッカー選手権大会は1月6日(日)、準々決勝4試合が行われました。
ピックアップマッチ1
神村学園高等部 3-1(前半2-1、後半1-0)大商学園高校
大商学園高校(関西2/大阪)が開始5分でのファーストシュートをゴールに結びつけますが、この失点でスイッチが入ったかのように、神村学園高等部(九州1/鹿児島)の前線からの守備が勢いづきました。
相手ボール保持者に2人、3人と素早く寄せて、すぐさま攻撃に切り替えるとゴールを目指しました。クロスからゴールわずか左に外れるヘディングシュート、クロスバーをたたくシュートと惜しい場面もつくります。すると25分、CKの流れからPKを獲得。これをキャプテンの菊池まりあ選手が決めて追いつくと、その6分後にはクリアボールを拾った桂亜依選手が遠目からシュート。これがゴール右上隅に吸い込まれ、前半のうちに神村学園が逆転に成功しました。
ハーフタイムを挟んで落ち着きを取り戻した大商学園は、攻守に選手同士の良い距離感を保ってリズムをつかみます。セカンドボールの回収も増え、シュートにつなげる場面も増えました。しかし、決定機を生かせない決め切れないでいると、終了間際、カウンターから駄目を押される失点。ベスト4進出をつかんだのは、最後まで攻守に足を止めずに走り抜いた神村学園でした。
ピックアップマッチ2
東海大学付属福岡高校 0-2(前半0-0、後半0-2)修徳高校
ここまで無失点で勝ち上がってきた東海大学付属福岡高校(九州2/福岡)は、修徳高校(関東2/東京)にボールを持たれる展開になっても、最終ラインを中心に粘り強い戦いを続けていました。一方、ただし、その分攻めに出る人数が少なく単独突破に頼りがちとなり、なかなかチャンスをつくり出せません。修徳も攻めあぐねている印象で、お互いにゴールを奪えないまま前半を終えました。
ハーフタイムで力を取り戻した東海大福岡は、後半開始早々に修徳ゴールに迫ります。53分には敵陣でのスローインからゴール前でのシュートにつなげますが、赤尾侑里選手の一撃はクロスバーを直撃しました。
両チームとも交代カードを切って打開を図ると、ついに試合が動きます。修徳の中盤から飛び出した栃谷美羽選手がボールを呼び込み、PKを獲得。前線で体を張っていた片山由菜選手がこのPKを決めると、79分には交代出場していた三尾梨々子選手が左からの崩しに逆サイドから走り込んで決め、修徳が3大会ぶりのベスト4進出を果たしました。
監督・選手コメント
菊池まりあ 選手(神村学園高等部)
インターハイでは2試合でして無失点だった一方で無得点でもあったので、この冬に向けて攻撃を強化してきました。私たちの一番のベースは走力なので、最後のカウンターでもみんながスプリントして1点を取れて良かったです。監督から、2回戦に勝っても今日の試合に勝てなければ意味がないと言われていました。今日も、ここで満足していたら、次の試合で負けてしまうと思います。だから準決勝でも、相手をリスペクトしながらも、細かい部分にこだわって勝利に徹することを意識していきたいです。
岡久奨 監督(大商学園高校)
立ち上がりは良かったのですが、その後は怯んでしまったのか球際で強く行けず、劣勢になってしまいました。気持ちを切り替えた後半には押し込めていたので、それが最初からできていたら良かったですね。このチームは新人戦の頃から比べてたくましくなりましたが、やはりこういう大会で、こういう相手に勝たなければいけません。この舞台でしかできない経験もしましたし、3年生は次のステージで、下級生は次のシーズン、また頑張ってほしいと思います。
栃谷美羽 選手(修徳高校)
相手のセンターバックを動かせなくてどうにかしたく、私の武器である中盤から相手の裏への抜け出しが効くかもしれないと考えていました。流動的にポジションを変えていましたが、うまくパスが来た時にPKを獲得できて良かったです。今年は絶対に日本一になるという目標を掲げていたので、ここまで来られたことは想定内です。関東予選決勝など負けた試合からも多くを学び、次の試合につなげてこられました。チーム全体が仲良く、支え合うことで全員の力が発揮できていると思います。集中もできているので、次の試合でも頑張ります。
山本ひろな 監督(東海大学付属福岡高校)
押し込まれる流れだった前半を耐え抜いたのはすごく良かったのですが、点を取れそうなところで決め切れなかったのが響きました。前線にボールを入れても、押し上げが遅くなってしまい、つなぎ切れませんでした。もう1つ勝ち進めたかもしれないなとも思いますが、相手も必死ですし、出た結果が全てです。去年初めてベスト4に入り、3年生にはすごくプレッシャーがあったと思います。それでもチームの仲を取り持ってここまで来てくれたので、頑張ってくれたと思います。
第28回全日本高等学校女子サッカー選手権大会
大会期間:2020年1月3日(金)~2020年1月12日(日)
大会会場:三木総合防災公園(兵庫県三木市)、五色台運動公園(兵庫県洲本市)、いぶきの森球技場(兵庫県神戸市)、ノエビアスタジアム神戸(兵庫県神戸市)