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名勝負が生まれた“最後のセントラル”。フウガドールすみだがプレーオフ出場最後のひと枠に滑り込む! ~Fリーグ2019/2020 ディビジョン1 第32節・第33節 駒沢セントラル~
2020年01月14日
1月11日(土)から13日(月・祝)の3日間にわたり、Fリーグ2019/2020 ディビジョン1 第32節・第33節 駒沢セントラルの12試合が行われました。来季からは全チームが一堂に会するセントラル方式での試合が行われないことが発表されており、"最後のセントラル"となった2連戦では、残るひとつのプレーオフ出場枠を懸け、激しい戦いが繰り広げられました。
第31節終了時点でプレーオフ出場の可能性を残していたのは勝点61で3位のシュライカー大阪と、勝点56で4位のフウガドールすみだ。初日の第3試合でFリーグ選抜と対戦したすみだは、6対2で快勝し、勝点を59に伸ばします。勝点でアドバンテージのある大阪は、直後の試合で立川・府中アスレティックFCと対戦。勝てばプレーオフ出場が決まるこの試合で、まず試合を動かしたのは立川・府中でした。6分、左利きの上村充哉選手が右足でゴールを決め、先制に成功します。13分にはアンドレウ選手のループシュートで同点に追いついた大阪でしたが、その後2失点。3対1で前半を折り返します。25分にはドゥドゥ選手のアシストから小曽戸允哉選手がゴールし1点差に迫った大阪でしたが、その後も激しい攻防が繰り広げられ4対3で試合終盤を迎えます。1点ビハインドの大阪は加藤未渚実選手をGKにパワープレーを仕掛けますが、立川・府中のGK田中俊則選手にパワープレー返しを浴び2点を追う苦しい展開に。終了間際、加藤選手のゴールで1点を返しますが、5対4で敗戦しプレーオフ出場枠を懸けた戦いは最終節までもつれ込むことになりました。
勝てば自力での出場権が得られる大阪。引き分けでも得失点差で有利な状態にあり、アドバンテージを持ったまま、翌日の湘南ベルマーレ戦に臨みました。既にプレーオフ出場は閉ざされている湘南でしたが、奥村敬人監督が「悪く言えば消化試合ですが、1節から33節まで毎回来てくださるサポーターの方にとにかく勝ちを見せたかった」と話したとおり、上位の大阪に対し真っ向勝負を仕掛けます。序盤に不運な形で退場者を出した湘南は、この状況が起爆剤となりGKフィウーザ選手が好セーブを連発。しかし、数的優位を生かした大阪が相井忍選手のゴールで先制に成功します。そのわずか17秒後には小曽戸允哉選手のゴールで湘南を突き放しますが、ここから湘南が反撃を開始し、前半のうちに逆転に成功します。3対2で迎えた後半、今シーズン限りでの引退を表明している大阪の稲田瑞穂選手がゴールを決め、3対3の同点に。ここで先手を打った湘南は、ロドリゴ選手をGKに置いたパワープレーからマルロン選手のゴールで1点をリード。しかし、ここで負けるわけにはいかない大阪も試合時間残り33秒、キャプテンの田村友貴選手が同点ゴールを決めます。このまま試合を終えればプレーオフ出場に限りなく近づく大阪でしたが、最後まで勝利を目指す湘南は残り5秒、本田真琉虎洲選手がゴールし、5対4で逆転勝利を収めました。Fリーグの歴史に残る名勝負を繰り広げた両者には、会場から惜しみない拍手が送られました。
勝てばプレーオフ出場が決まるすみだは、最終日にバルドラール浦安と対戦しました。観客も1200人を越え、注目度の高さを感じさせたこの試合。プレッシャーに負けず、落ち着いて試合に入ったすみだは5分、ガリンシャ選手のゴールで先制すると、8分にはデネル選手のシュートがオウンゴールを誘発し2点をリード。そのまま迎えた後半も終了間際まで積極的にゴールを狙い4対1で快勝を収めました。この試合の結果により、すみだがプレーオフ出場残りのひと枠を獲得しました。
Fリーグ2019/2020 ディビジョン1 プレーオフは1月18日(土)、19日(日)に東京・駒沢オリンピック公園総合運動場体育館で準決勝の2試合を、翌週の25日(土)、26日(日)には愛知・武田テバオーシャンアリーナで決勝の2試合を行います。準決勝ではリーグ戦2位のバサジィ大分と3位のフウガドールすみだが対戦し、勝利チームがリーグ優勝を懸け、決勝でリーグ戦1位の名古屋オーシャンズと対戦します。
その他の試合結果・日程はこちら(Fリーグ公式サイト)をご覧ください。
監督・選手コメント
奥村敬人 監督(湘南ベルマーレ)
退場者が出たジャッジの部分は、本当に難しかったと思うので何とも言えないのですが、非常に流れが悪い状況となってしまった中で、選手たちがすごく奮起してくれ、より闘志が乗った戦いをしてくれたと思います。苦しい中で、「この状況を楽しむ」ということを選手たちがみんなで体現してくれました。僕たちはプレーオフ出場がない状況の中で、とんでもない状況の試合になりました。フットサル関係者の全員が見るんじゃないかという試合を、自分たちがシュライカー大阪とできました。プレーオフには出場できなかったのですが「自分たちが出場に値するような力を見せよう」と話して試合に臨みました。出場できるくらいの実力がそこそこあるのかな、と思いますが、足りなかったのが事実です。シーズンを通して33節が終わったときに何位にいるかがすべてで、現在5位にいる。それが自分たちの実力だと思っています。一回休息をとって、全員でまた全日本フットサル選手権に向けて戦っていきたいと思います。
須賀雄大 監督(フウガドールすみだ)
湘南対大阪の試合が終わるまで最終戦がどうなるか分からない中で、ただプレーオフに行くことを信じて、年明けから行ってきた対策が全部出せた試合でした。勝たないといけないシチュエーションは普段以上にプレッシャーがかかりますが、そこで恐れることなく自分たちが信条とするゲームができました。この勢いのままプレーオフを戦いたいと思います。大分がどういう戦いをしてくるかにもよりますが、今シーズン最初に対戦したホームの初戦以外は、僕たちにボールを持たせてカウンターを狙ってきました。プレッシングに対しても、GKのロングスローや、キックインからそのまま前に蹴ってくるようなイメージだったと思います。相手を最大限にリスペクトしていく中で、どういったプレーが必要で、自分たちの持ち味を出していくか。そして、それだけでは勝てないことを過去の経験で分かっています。理想を追い求めるところと現実に戦うところのバランス感覚が大事になってきます。今週の練習は、そのさじ加減をイメージし、調整に近い準備になると思います。
諸江剣語 選手(フウガドールすみだ)
非常にプレッシャーがかかる中での試合でしたが、試合前の須賀監督の「今までやってきたことしかこの試合には出ない」という言葉で、プレッシャーから解放されました。ここで押し込まれてしまうようではプレーオフに出場しても大敗してしまうだけだと思っていたので、肩の力を抜いていいパフォーマンスを出せたのかな、と思います。今シーズンはバサジィ大分に1度も勝てていないですし、相性もよくないかもしれません。でも一発勝負ですし、リーグ最終戦のような緊迫したゲームを経験している僕らにアドバンテージがあると思っています。思い切ってぶつかりたいです。実は最終戦の前に母校の静岡学園が出場している高校サッカー選手権決勝の情報を見ていました。0対2から2対2に追いついて、アップ中に「40分を過ぎて3対2で勝っている」と聞いて鳥肌が立ちました。もし、自分が浦安戦で窮地に立たされたときにも、実際に逆転している母校の後輩たちがいることに本当に勇気をもらえました。
Fリーグ2019/2020 ディビジョン1
開催期間:2019年5月25日(土)~2020年1月13日(月・祝) 全33節/198試合
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