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アジアのピッチから ~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第41回 小原一典 カンボジアサッカー協会技術委員長
2020年03月25日
カンボジアでの活動が6シーズン目に
2015年3月にカンボジアに赴任して以来、早いもので6シーズン目を迎えます。プノンペンは高層ビルが次々と建設され、5年前と比べると街の様子は変わりました。サッカーに関しては、2013年にナショナルトレーニングセンターが完成し、2014年からナショナルアカデミーがスタートしました。2017年には、カンボジアサッカー連盟(FFC)会長のイニシアチブで、FFC、カンボジア教育省協同で全国に通い型のアカデミー「サッカー指定校」新設するプロジェクトを立ち上げました。
2018年2月には、25すべての州でサッカー指定校が展開されました。また、現在9州のサッカー指定校で天然芝サッカー場が完成し、その他の州についても建設が進んでいます。
また、2023年カンボジアSEAゲームズ(東南アジア競技大会)の初開催に向けて、プノンペン北部に新国立競技場の建設が始まっています。カンボジアは経済成長とともに建設ラッシュが続いています。
日々の活動内容
私はテクニカルダイレクターとして、技術部のカンボジア人スタッフ3名と主にサッカー指定校の統括をおこなっています。サッカー指定校は2019年までU-15とU-18の2カテゴリーが活動をしていましたが、2020年からは新たにU-13とU-18の女子のチーム活動もスタートします。その他、競技部との大会形式やルールの打ち合わせ、練習や試合の視察、ユースリーグの総括、FFCサッカー指定校コーチたちとのワークショップなどを行っています。
さらに、年一度、サッカー指定校から推薦された選手たちを対象にトレーニングキャンプを行っています。優秀な選手はナショナルアカデミーに推薦し、現在は多くのサッカー指定校出身の選手たちがナショナルアカデミーに所属しています。
カンボジアには州ごとにサッカー協会が存在しないため、教育省スポーツ育成局の支部と協力して業務を行っています。
2019年の振り返り
AFCコーチングコンベンションがスタートし、各国で指導者ライセンス制度を創設することが義務付けられています。カンボジアはAFCによるコーチングライセンスコースに頼っていたため、自国のライセンス制度がありません。B級以上はAFCの基準があり、承認されるにはAFCの審査を受ける必要がありますが、C級は各国のサッカー協会に任されているので、まずはC級からスタートする方針にしました。2019年はナショナルトレーニングセンターでC級を3コース開催することができ、クラブやサッカー指定校から計57名の受講生が参加し、カンボジアサッカーの方向性を確認する貴重な機会になりました。育成年代では、AFC U-19選手権で初のファイナルラウンド進出、フィリピンで行われたSEAゲームズでU-22代表が初のベスト4進出と飛躍の年になりました。
2020年に向けて
FFCのB級新設に向けて、スケジュールとカリキュラムの作成をおこなっています。英語での事務作業が得意ではないので大変骨が折れる作業です。昨年度実施したC級での経験を活かし、カンボジアサッカー、そしてカンボジア人コーチたちにフィットするようライセンスコースの内容を考慮しています。AFC B級における足達勇輔氏のアシスタントインストラクターとしての経験、またJFAインストラクター研修に参加した経験がこのプロセスに大変役立っています。
JFAの指導者養成はアジア各国で高く評価されており、目指すべき目標です。達成までの道のりは長いですが、カンボジアのインストラクター、コーチ仲間と共に自国ライセンス新設に尽力していきたいと考えております。
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