天皇杯 JFA 第100回全日本サッカー選手権大会は12月13日(日)、全国各地で4回戦が行われました。

ピックアップマッチ

福井ユナイテッド 2-1（前半1-0、後半0-1、延長前半0-0、延長後半1-0）ラインメール青森

テクノポート福井スタジアムでは、共に初の4回戦進出を果たした福井ユナイテッド（福井）とラインメール青森（青森）が対戦しました。JFL所属の青森とそのJFL入りを逃した福井が顔を合わせる緊張の一戦は、開始3分に波乱を感じさせる動きを見せました。福井がこの試合1本目のCKをファーサイドに送ると、相手選手が試みたクリアボールがオウンゴールとなってゴールネットを揺らしたのです。試合開始前に強く降り出した雨は、その後も青森のミスを誘います。15分、17分と、最終ラインからの乱れたパスを拾われシュートに持ち込まれますが、ポストに救われるなどして青森は難を逃れました。

徐々に回復していく天候とともに、青森も調子を上げていきました。22分にはゴール前で浜田幸織選手が頭で合わせますが、これは好反応したGKに弾き出されました。33分には、菊岡拓朗選手が直接狙ったFKが、ゴール右にそれました。勢いが結実したのは後半開始直後。左サイドの突破から、最後は進藤誠司選手がGKの体の下を抜く同点ゴールを決めました。

福井は無理にプレスをかけず、自陣で守備陣形を整えて速い攻撃を狙い続けます。後半半ばからはフォーメーションを3-4-3から普段通りの3-5-2へと変更して、カウンターの脅威を増すことを狙いました。青森も70分の2枚替えなど攻撃的な選手を投入していきますが、スコアはそのままで延長戦へと突入しました。

延長開始早々には、青森が投入した和田響稀選手がCKの流れから枠内に強烈なシュートを放ちますが、このGKに弾かれた一撃はクロスバーにも嫌われてゴールとはなりません。次のビッグチャンスも試合再開早々におとずれましたが、今回それをものにしたのは福井でした。延長後半開始1分後、相手陣内で奪ったボールを受けたのは延長前半に交代出場していた石塚功志選手。相手DFの対応の遅れを見逃さずにすかさず放ったシュートが、きれいにゴール右隅を射抜きました。これが決勝点となり、福井が5回戦進出を果たしました。

監督・選手コメント

寺峰輝 監督（福井ユナイテッド）
来季のことなどサッカー界ではいろいろなニュースがある時期で、リーグが上だ下だという差がなかなか出ないタイミングだとは思いますが、選手たちはよくやってくれたと思います。格上相手にしっかり守備の網を敷いて武器であるスピードと高さを生かし、特にCKを重視していたので、作戦通りに進みました。非常に強い相手でしたが、みんながうまくなる時間を与えてもらったと、延長戦突入もむしろポジティブに捉えました。こちらも来季クラブに残らない選手が数名メンバーに入っていましたが、サッカー選手として試合に集中してくれました。次の試合に進めて、彼らにとってもチャンスになる良いアピールの場をもらえたことも良かったと思います。

石塚功志 選手（福井ユナイテッド）
ゴールを決められてうれしいです。試合前からカウンターを意識していたので、その通りになったという感じです。2試合連続得点はたまたまです。先発していた方々が1点取っていたし、僕はおいしいところをもらっただけです。延長戦に入って相手も間延びして、最終ラインとボランチの間が空いていたので、そこを突けば良いボールが来るはずだと思い、狙っていました。Ｊリーグのクラブと対戦するのが僕たちの目標です。次も勝ちます。

望月達也 監督（ラインメール青森）
率直に、とても残念な結果だと思います。先制されましたが、選手たちは最後までタフに戦ってくれました。時間とともにボールを持てるようになりましたが、もっと積極的にチャレンジしてもよかったと思います。追いついた後もチャンスをつくっていたのですが、何かが足りないので勝てなかったのだと思います。道は分かれるものの、個人がもう一歩二歩と進んでいけば、チームというグループの結果も変わると思います。今日の試合では、シーズン中と同じ課題が見えました。この悔しさを乗り越えて、次へと進んでいかなければいけません。

進藤誠司 選手（ラインメール青森）
ノックアウト方式で、難しい試合になることは分かっていました。立ち上がりに軽く失点してしまったことが、非常にもったいなかったと思います。勝てる内容だったと思いますが、決め切れないという課題を露呈してしまいました。コロナ禍で大変な人たちもいる中、サッカーをできている意味をかみ締めてきたので、いろいろな人に支えられている僕らが青森県を盛り上げたいと思っていました。残念ながら負けてしまいましたが、来年も天皇杯もリーグ戦もあるので、青森県の中心になって盛り上げていきたいと思います。

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【1回戦】9月16日(水)
【2回戦】9月23日(水)、30日(水)
【3回戦】10月28日(水)、11月11日(水)
【4回戦】12月12日(土)、13日(日)
【5回戦】12月20日(日)
【準々決勝】12月23日(水)
【準決勝】12月27日(日)
【決勝】2021年1月1日(金・祝)

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