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サガン鳥栖U-15と鹿島アントラーズつくばジュニアユースが決勝進出 高円宮杯 JFA 第32回全日本U-15サッカー選手権大会
2020年12月27日
高円宮杯 JFA 第32回全日本U-15サッカー選手権大会は12月26日(土)、味の素フィールド西が丘(東京)で準決勝の2試合が行われ、決勝に進む2チームが決まりました。
ピックアップマッチ1
FC多摩ジュニアユース 3-3(前半2-1、後半1-2、PK2-4)サガン鳥栖U-15
初出場で準決勝に進出したFC多摩ジュニアユース(関東6/東京)は、選手同士が短い距離で、少ないタッチでパスをつなぎ、サガン鳥栖U-15(九州2/佐賀)のゴールを目指しました。最前線でキープ力を発揮する貴田遼河選手は、26分に点取り屋の仕事を果たします。菅井友喜選手の正確なFKを頭で合わせてゴールネットを揺らしました。32分にPKで追い付かれたものの、その1分後には、貴田選手がシュートに持ち込もうとしてこぼれたボールに反応した菅井選手が右足を振り抜き、再びリードを奪いました。
一方の鳥栖はハーフタイムに修正を図ります。前半は4-3-3のフォーメーションで前線からプレスをかけましたが、「相手のポゼッションの質が高いので4-4-2の布陣で中盤を厚くして、ブロックの外ではボールを回させてもいいから、奪った瞬間に相手(ディフェンスライン)の裏を一気に突こう」という森惠佑監督の狙いを体現していきます。53分には自陣からの反撃で先田颯成選手がドリブルで持ち上がり、そのまま同点ゴール。その3分後には、交代出場の増崎康清選手の突破から山﨑遥稀選手が冷静に決めて、鳥栖が逆転に成功します。
それでも諦めないFC多摩は、64分にまたも前線のホットラインが躍動します。菅井選手が蹴ったCKを貴田選手がヘディングで決めて同点としました。その後、両チームともに選手交代からゴールを目指しますが、スコアは動かず80分が終了。PK戦に突入すると、準々決勝でもPK戦を経験した鳥栖のGK小池朝陽選手が2本をセーブ。鳥栖が2年連続の決勝進出を果たしました。
ピックアップマッチ2
浦和レッズジュニアユース 2-2(前半0-1、後半2-1、PK2-4)鹿島アントラーズつくばジュニアユース
2年ぶりの決勝進出を目指す浦和レッズジュニアユース(関東2/埼玉)は、「PCR検査で陰性だったものの、寮で一緒に住んでいる選手が発熱したので大事を取って」(内舘秀樹監督)と、ここまで全3戦出場のキャプテン・関谷輝選手とGK江橋勇斗選手が出場を見合わせました。2人のためにも決勝に進出したい浦和は、得点のチャンスには人数をかけて畳みかける攻撃を仕掛けます。対する鹿島アントラーズつくばジュニアユース(関東3/茨城)は1対1の局面で力強く戦い、要所をしっかり抑えます。すると32分、能登谷蒼選手が左サイドでロングパスを受けると、一度は相手のタックルに倒されながらもすぐに立ち上がって徳田誉選手にパス。徳田選手は冷静に先制点を決めました。
前半はシュート3本に抑えられた浦和。しかし、ハーフタイムに「相手選手の中間で取るべきポジションを判断してプレーしよう」と内舘監督から伝えられると、後半は盛り返します。相手ゴールに迫る回数が増えると59分、相手の意表を突くFKから松原史季選手がワンタッチで蹴り込み、試合を振り出しに戻します。
姿勢を変えず冷静にチャンスをうかがうアントラーズつくばは、追い付かれた4分後、小倉幸成選手が中盤から攻め上がりロングシュート。ゴール左隅を突いた一撃は相手GKにはじかれますが、詰めていた左サイドバックの新保柊祐選手が押し込みました。
再び追う展開になった浦和は、試合時間残り10分を切ってから交代出場した高橋昂平選手が躍動します。何度もロングスローから相手ゴールを脅かすと、終了間際にその武器からオウンゴールを誘い、ついに同点に。PK戦へ突入した試合はアントラーズつくばが制し、初の決勝進出をつかみ取りました。
監督・選手コメント
小池朝陽 選手(サガン鳥栖U-15)
準々決勝のPK戦でも1本止めていたので、全国大会でのPK戦に自信を持てていました。以前は全く止められなかったのですが、GKコーチのアドバイスを聞きながら、2週間くらい前からこの大会に向けてPKの練習をしてきました。今日の試合で2本止められたことは、将来にもつながる自信になります。ベンチで見ていた前回大会は準優勝に終わり、先輩たちからも来年は優勝してくれよと言われていました。その思いに応えられるよう、決勝では無失点を目指して頑張ります。
平林清志 監督(FC多摩ジュニアユース)
3点目を取れなかったことで、こういうゲームになったと思います。1点リードしている場面で、精神的に少し守りに入ったのか、硬さがありました。気の緩みをうまく突かれた気がします。今年はリーグ戦で多くの選手を起用してきました。逆転する試合が多く、精神面も含めてチーム力はすごく上がったと思います。リーグ戦で培った戦い方のベースと勝負強さを全国の舞台でも出そうと話してきました。こだわっている中央からの連動した崩しで得点できた選手たちは、高く評価できます。街クラブでも皆でファイトしてボールを大事に扱えば、ここまで来られると分かりました。それをこれからも変わらずやっていきたいと思います。
高橋昂平 選手(浦和レッズジュニアユース)
先発した選手は100%の力でやってくれると信じていたので、そうなれば足がつったり動けなくなる選手が出てくると思い、いつでも出られるように準備していました。左足のキックとロングスローはチームに貢献できる武器だと思って、ずっと練習してきました。試合に出られなくなった2人のチームへの貢献度はすさまじかったので、出られないと聞いた時はみんなも泣きそうでしたし、本人たちも泣いていました。絶対にチーム一丸で勝ってやると電話で伝えて、この試合に臨みました。自分たちのやるべきことをやった上でここまで来られました。ベスト4まで来られるチームでできたことを誇りに思い、自信を持って次のステージに挑みます。
根本裕一 監督(鹿島アントラーズつくばジュニアユース)
ギリギリの戦いになることは想定していました。PK戦も含めて最大限の準備が結果に出たのかなと思います。アントラーズつくばとしては初出場なのですが、アントラーズは育成の段階であっても、上達することと勝利の両方を追い求めています。今まで手が届かなかったこの大会で、毎試合対戦してくれたチームのおかげで、また選手たちは成長したと思います。最後はタイトルを取って終われたらいいですね。(決勝は)思い切って自分たちのサッカーを展開して、お互いの良さがぶつかり合うようなゲームにしたいと思います。
大会期間:2020年12月12日(土)~12月28日(月)
会場:
1回戦~準々決勝
コーエィ前橋フットボールセンター(群馬県)、前橋総合運動公園群馬電工陸上競技・サッカー場(群馬県)、J-GREEN 堺(大阪府)
準決勝~決勝
味の素フィールド西が丘(東京都)
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