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サガン鳥栖U-15が頂点に 高円宮杯 JFA 第32回全日本U-15サッカー選手権大会

2020年12月29日

サガン鳥栖U-15が頂点に 高円宮杯 JFA 第32回全日本U-15サッカー選手権大会

高円宮杯 JFA 第32回全日本U-15サッカー選手権大会は、12月28日(月)に大会最終日を行い、サガン鳥栖U-15(九州2/佐賀)が3年ぶり2度目の優勝を果たしました。

鳥栖と鹿島アントラーズつくばジュニアユース(関東3/茨城)による一戦は、試合開始7分に動きました。鳥栖はライン際で突破を図った赤崎陵治郎選手がファウルを誘います。このFKを担った林奏太朗選手がゴール前へ送ると、ファーサイドで北島郁哉選手が頭で合わせ、ゴールネットを揺らしました。

一方、先制されたアントラーズつくばはパスワークを生かして鳥栖のゴールへと迫ります。18分には小気味良い連係から、最後はペナルティーエリア内で末原治優人選手がシュートを放ちますが、この一撃は惜しくもクロスバーを叩きました。アントラーズつくばは、後半頭から3人の選手を交代し、流れをつかもうとします。準決勝で先発した選手たちを送り込んだ采配には、「3年生を全員使って、なおかつ日本一を取らせてあげたい」という根本裕一監督の思いが込められていました。

アントラーズつくばは53分の宮本健吾選手のアーリークロスに3人が走り込むなど果敢にゴールへ襲い掛かりますが、得点には至りません。57分の太田隼剛選手の一撃など、後半だけで3本のシュートがクロスバーに嫌われました。しかし66分、ついにネットを揺らします。CKでこぼれ球を拾った平山京吾選手が左へ流れながらシュート。試合は振り出しに戻りました。

1-1となってからは互いに隙を見せずに激しい攻防が続きました。見応えある真っ向勝負は、延長戦にもつれ込んでもその強度を保ち続けます。拮抗した一戦、最後に気迫で上回ったのは鳥栖でした。96分、小笠原温音選手が相手のタックルを振り切ると、パスを受けた先田颯成選手が自らペナルティーエリアに持ち込みます。「一瞬隙が見えたので入り込んで、そこから前を向く形も相手の動きも想像したとおりで、あとは気持ちで入れという感じ」(先田選手)と左足で放ったシュートはニアサイドを破り、これが決勝点となりました。前回大会は準優勝に終わった鳥栖が、初出場ながら粘り強く勝ち上がったアントラーズつくばを振り切り、王座に返り咲きました。

監督・選手コメント

森惠佑 監督(サガン鳥栖U-15)
難しい時間帯もあったのですが、スペースアタックとモビリティの活用による相互作用で相手を崩して、少しずつペースをつかめたと思います。守備でも、状況を考えて攻撃につなげる微調整ができていました。ボックス付近での質をトレーニングから追求していたので、そういう部分が最後の大舞台の決勝点として出たことはとても良かったと思います。実戦機会の少なさが選手たちの成長に影響するかもしれないと危惧することもありましたが、選手たちは日々のトレーニングから精いっぱいの力で追求を続けてくれました。この大会の3週間でも成長できると話していましたし、毎日の積み重ねが結果につながったのではないかと思います。

堺屋佳介 選手(サガン鳥栖U-15)
先制してそのままいきたかったのですが、追いつかれて苦しい展開になりました。決勝では、自分が得点を決めたいという気持ちと、味方をうまく使って得点できたらいいという思いが混ざっていました。最後の最後に(チームメートが)ゴールを挙げてくれて良かったのですが、自分が決めたかったので、悔しい気持ちもあります(笑)。昨年は準優勝で終わり、本当に悔しい気持ちがありました。今年は練習から頑張ってやってきましたし、みんなのサポートもあったから、こうして優勝できたのだと思います。

根本裕一 監督(鹿島アントラーズつくばジュニアユース)
結果は残念でしたが、相手も気持ちを出してプレーしてくれて、それに対して僕らもしっかり立ち向かっていき、互いに良いゲームができたのではないかと思います。試合中、選手のシュートがクロスバーに嫌われるシーンが何度かありました。あれだけシュートが入らないと勝てません。決め切れなかった部分も相手に決められた場面も、相手との細かな差が出ました。次のステージではその精度を高め、またこういう舞台で活躍するような選手になってほしいと思います。今日は選手たちも良い経験ができたのではないかと思います。

小倉幸成 選手(鹿島アントラーズつくばジュニアユース)
先制されましたが、まずは慌てずにしっかり外から攻めて、相手のカウンターにだけは気をつけようと思っていて、後ろの選手もしっかり耐えてくれていました。こういう接戦の中でも、少ないチャンスから点を決められました。悔いを残さないようなプレーができたとは思いますが、最後は笑って終わりたかった。このチームは最高のチームでした。中盤の選手など、相手はすごく技術が高くて、上には上がいるんだと実感しましたし、また練習で技術を向上させていきたいと思いました。

大会期間:2020年12月12日(土)~12月28日(月)
会場:
1回戦~準々決勝
コーエィ前橋フットボールセンター(群馬県)、前橋総合運動公園群馬電工陸上競技・サッカー場(群馬県)、J-GREEN 堺(大阪府)
準決勝~決勝
味の素フィールド西が丘(東京都)

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