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SAMURAI BLUE、伊東選手のゴールでセルビアに勝利
2021年06月12日
SAMURAI BLUE(日本代表)は6月11日(金)、ノエビアスタジアム神戸で行われたキリンチャレンジカップ2021でセルビア代表戦に臨み、後半開始早々のMF伊東純也選手(KRCヘンク)の得点で1-0の勝利を収めました。
2018年FIFAワールドカップ以来初となるヨーロッパのチームとの対戦に、日本は東京オリンピックへ準備中のU-24 代表チームへOA(オーバーエイジ)として参加のDF吉田麻也選手(サンプドリア)ら守備の主力を欠き、また、FW大迫勇也選手(ヴェルダー・ブレーメン)を負傷で欠いて、攻守両面で新たな形を試す機会となりました。
日本は今月3日のU-24代表戦との強化試合の先発を中心にDFラインからボランチまでを構成します。そこに、7日のFIFAワールドカップカタール2022アジア2次予選のタジキスタン戦に先発したGK権田修一選手(清水エスパルス)を起用。MF古橋亨梧選手(ヴィッセル神戸)を1トップに置いて、トップ下にMF鎌田大地選手(アイントラハト・フランクフルト)、右に伊東選手、左にMF南野拓実選手(サウサンプトン)を並べる布陣で挑みました。
日本は相手の裏のスペースを使った攻撃を試みますが、3バックから守備では5バックに人数をかけながら固くブロックを敷くセルビアに、前半は思うように前線へパスを通すことができません。
それでも前半33分、MF橋本拳人選手(FCロストフ)のパスを受けた伊東選手が中央に切り込んでシュートを放ちますが、これは相手GKにブロックされました。
負傷などで主力の攻撃陣を欠くセルビアは若手主体のメンバーで臨み、前半の終盤にFWデヤン・ヨベリッチ選手がゴール前でパス受けて素早く反転してシュートを放ち、FWミラン・マカリッチ選手もペナルティボックスに持ち込んでゴールを狙いましたが、いずれも枠を捉えることはできませんでした。
試合が動いたのは後半でした。
後半開始から日本はFWオナイウ阿道選手(横浜F・マリノス)とMF川辺駿選手(サンフレッチェ広島)を投入。この日が代表デビューとなったオナイウ選手は、開始早々に攻撃を仕掛け、この流れから日本はCKを獲得します。
このCKを鎌田選手がニアサイドへ送るとDF谷口彰悟選手(川崎フロンターレ)が頭で流し、ファーサイドに詰めた伊東選手が右足で捉えてゴールネットに突き刺しました。48分に決まった伊東選手のこの得点は、代表通算1300ゴールという記念すべきものになりました。
その後、日本は前線でボールが収まるようになり、動きも活性化されて、相手ゴールに迫る場面を作ります。反撃を期する相手が前がかりになることで、相手の最終ラインの裏にスペースができるようになります。
このスペースを突いて64分には伊東選手が右サイドをドリブルで攻め上がり、ペナルティボックスに切り込むと、逆サイドに走り込んだオナイウ選手へパス。オナイウ選手が合わせてゴールネットを揺らしましたが、オフサイドの判定でゴールにはなりませんでした。
日本はこの後もDF山根視来選手(川崎フロンターレ)、FW浅野拓磨選手、MF原口元気選手(1.FCウニオン・ベルリン)、DF小川諒也選手(FC東京)を次々とベンチから送り出して攻撃を仕掛けます。
後半半ばには鎌田選手がミドルを狙い、終盤には浅野選手が足を活かしてシュートに持ち込み、相手ゴールを脅かす場面を作りますが、いずれも追加点にはなりません。日本は1-0のリードとクリーンシートをキープして、勝利を手にしました。
なお、試合キックオフ前には両チームの選手たちからコロナ禍で闘う医療従事者やエッシェンシャルワーカーへ感謝の拍手が送られました。
日本代表は今月15日(水)のアジア2次予選最終戦でキルギス代表と対戦します。
コメント
森保一 SAMURAI BLUE(日本代表)監督
コロナ禍で特別に試合をさせていただいたことに感謝します。無観客試合でしたが、選手たちはたくさんの方々からの応援を感じながらプレーしていました。勝利でみなさんを笑顔にして、コロナ禍で苦労されている方々に励ましのメッセージを届けられていれば嬉しく思います。
前半は、相手を探りながら攻撃することはできていたので、ハーフタイムにはゴールに向かう攻撃を素早くチームとしてやっていこうと伝えました。私が言うまでもなく、ロッカーで選手たちがそこを共有してくれていたので、私の指示ではなく選手の判断、前半の反省が後半につながりました。セルビアは局面でのインテンシティ、強度が高く、我々の攻撃に対して時間とスペースを与えずに、ある程度持たせても肝のところで抑えて、簡単にこじ開けさせないというフィジカルの強さやチームとしての戦術の強固さを感じました。
その中で選手たちが球際で非常に強い相手と戦えるか、技術を発揮できるか。攻撃でも相手DFが激しく厳しく来る中で、突破にできる技術を発揮できたか、相手がプレッシャーをかけてきた中でもボールを保持して狙い通りの攻撃をできたかなど、見ることができました。次は流れの中から点を獲りたいと思いますが、無失点で抑えて1-0で勝てたことは非常に良かったですし、リードしても守りだけにならず、2点目を奪いにいく姿勢を選手たちが見せてくれたことは良かったです。
チームが試合ごとに変わっていく中で、前の試合を振り返ってチームとしての成果と課題を選手たちが共有して、よいことは継続し、改善すべきところは改善してくれています。チーム全体の底上げができてきていると感じますし、結果を持って示してくれていると思います。練習でも国内組海外組がお互いにプライドを持って練習の中から真剣勝負で競いながら高め合っています。短いキャンプの中でも選手たちの成長やレベルアップが見られて嬉しいですし、代表での活動が選手の成長のきっかけになることは非常に嬉しく思っています。
MF #14 伊東純也 選手(KRCヘンク)
ゴール場面は、練習でも相手が大きいので前でニアでフリックして、俺と直通が詰めるというのを狙っていて、それが巧くはまりました。あそこに入って行って、ボールが来たらしっかり決めようと思っていました。代表通算1300ゴールのことは今初めて知りました。自分はあまり点を決めるタイプではないですが、決めることができて良かったです。所属チームではいつもやっているので違和感はなかったです。
前半は相手もタイトについて頑張ってくるが、後半は空いてくると思っていました。そこで自分の持ち味を出せて、何回かコンビネーションで崩せた場面もあったのはよかったと思いますが、前半からもう少し修正して前半のうちにチャンスを作れればよかった。今日も最終予選のための試合だったと思います。1戦1戦、相手がどこであれ勝つというところを意識して、一人ひとりが成長して勝つという意識をもって戦うことが重要だと思います。
MF #9 鎌田大地 選手(アイントラハト・フランクフルト)
今日の前半は全然納得のいくゲームではありませんでした。後半うまく修正できましたが、セルビアはいいチームですが、世界のトップと比べるともっと普通にできなければだめだと思います。ああいう少しレベルの上がった相手にも、もっと勇敢に前にボールを運んだり前にボールを付けたり、ボールを奪った瞬間にもっと早く縦にボールをつければもっとビッグチャンスになるシーンがあります。ボールを取って落ち着いてしまうとスピーディな攻撃はできなくなります。まだまだチームとして向上していかないとならないですし、選手から要求していなかければならないと感じています。後半はみんなの意識が変わったと思います。うまく前に付けたり、前を向いてボールをさばけるようになって、セットプレーでうまく点を獲れて、2点目はオフサイドかどうかわからなかったですが、崩しは素晴らしかった。今日のようなゲームでは体を張って守備をするところも必要ですし、難しい展開で90分間チームのためにやり続けることは大事だと思います。
DF #5 長友佑都 選手(オリンピック・マルセイユ)
自分たちの力を試す上で非常にいい相手だったと思います。セルビアは力があって、気持ちを入れて集中してきました。前半は相手がブロックをつくってきて非常に固く、僕らがポゼッションするなかでミスも多かった。ただ、ミスをしても相手に危険なプレーをさせないという点では、すごくDFラインを含めてチームが集中していたと思います。自分たちが今日は非常に良かったと思います。DFラインも中盤も前も、取られたあとの切り替えや相手のカウンターと止めるところの判断などが非常によかったので、相手にほとんどチャンスをつくらせず、攻撃の芽をつぶすことができました。お互いにベストメンバーではなかったかもしれないですが、それでも日本代表は出た選手たちがチーム一丸となって戦って、誰が出ても高いレベルを出せるという部分は示せたのではないかと思います。自分は非常に手ごたえがありますし、日本代表としても自信になる試合だったと思います。
DF #6 谷口彰悟 選手(川崎フロンターレ)
欧州のチームのセルビアにどこまで自分が通用するのか、楽しみにしていました。できたところとできなかったところとありますが、とにかく今日は持っているものを全て出し切ろうと考えてプレーしました。相手のシステムとこちらのプレスの行き方は多少考えてやらないとハマらなかったので、後ろの4枚がしっかりスライドして前の選手を引かせずにボールを奪うことにトライしてやっていました。いい位置で奪えていい攻撃につながった場面もあったので、手ごたえとして感じています。ビルドアップの面でも、相手が5枚で守備ブロックを作ったときもボールを出し入れしながら間を覗く。所属チームでやっていることも活かされたと思います。相手を見ながらどこにどう入れたらチャンスになるか、ある程度イメージしながらやれていて、強気でやれたのが良かったと思います。久々に代表に呼ばれて自分がこれぐらいできるというところを見せないと次はありません。そういう選手がたくさんいて、激しいトレーニングもできています。そういうことが今日の試合につながっているかと思います。
ドラガン・ストイコビッチ セルビア代表監督
日本には勝利おめでとうと言いたい。内容的にも上回ってて、チームのコンビネーションやフレッシュなところが発揮されいました。我々は今回のメンバーは攻撃陣に若手を起用してどれだけできるかを見ようとして、チャンスを与えることができたのは良かったと思っています。しかし、高いレベルにはなく、日本に勝つことはできませんでした。日本が強すぎました。ゲームを支配していて、後半早々の失点も日本の良いコントロールからでした。今回招集できなかったベストメンバーで臨んでいたら結果は違っていたかと思いますが、結果は重視していません。我々の目標は9月のワールドカップ予選です。それに向けて成果を得ることができましたし、チームを仕上げていきたいと思っています。日本の今後の活躍も祈っています。日本にはよい思い出がたくさんあります。今回はコロナ禍で日本の街を全く見ることができず非常に残念です。名古屋に行って友人にも会いたかったのですが、次の時にはコロナのない中で楽しめればと思っています。
2021年6月11日(金) 19:25 キックオフ(予定)vs セルビア代表
会場:兵庫/ノエビアスタジアム神戸
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