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C大阪、最終戦引き分けも初のグループ1位突破でACLラウンド16へ
2021年07月12日
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2021東地区グループステージでセレッソ大阪は7月9日(金)、タイのブリーラムで行われたグループJ最終戦で傑志(香港)と対戦。0-0で引き分けて、名古屋グランパス、川崎フロンターレに続いて1位でのノックアウトステージへ進出を決めました。セレッソの1位通過は出場4大会目で初めてです。
この日までに2位以内での進出が確定していたセレッソは、第2節での傑志との対戦で2-1の勝利を収めていたため、この最終戦で引き分け以上か0-1での黒星でも1位突破が決まる状況でしたが、試合立ち上がりからアグレッシブな攻撃を展開。勝利への強い意欲を見せて相手ゴールに迫りました。
前節から先発の10人が入れ替わり、MF坂元達裕選手、MF為田大貴選手らがサイドで仕掛け、FW大久保嘉人選手、MF清武弘嗣選手が次々と相手ゴールを脅かす場面を作ります。
前半37分には大久保選手が左クロスに頭で合わせ、後半早々にはMF原川力選手が右サイドのDF松田陸選手からのパスに右足を振りますが、いずれも相手GKに阻まれます。
勝利で勝点を積み上げて2位枠での突破につなげたい傑志は、フィジカルなプレーでカウンター攻撃を試みますが、セレッソは守備でもハードワークでボールを保持して優勢に進めます。
セットプレーの機会には後半出場のDFチアゴ選手やDF瀬古歩夢選手が合わせて相手ゴールに迫り、後半終了間際にもDF丸橋祐介選手や松田選手がシュートを放ちましたが、枠を捉えることはできず、スコアレスドローで引き分けました。
この勝利で4勝2分けの無敗で2014年大会以来7大会ぶりのノックアウトステージ進出です。
清武選手は「勝ちたい気持ちが強かったので、引き分けで残念」と話しましたが、レヴィ・クルピ監督は、「グループステージ突破は選手たちの努力の賜物」とチームのハードワークを称え、選手たちの可能性への期待も口にしました。
指揮官は「勝者のチームになるには、ラストパスとフィニッシュの精度が足りない。今日の前半でもそこが課題だった」と指摘。「私たちの選手の能力や可能性をまだ全て表現できていない。これからより厳しい難しい戦いが続くと思うが、選手が力を引き出してチームが成長していけば(ACLで)優勝はできると思う。これからが楽しみ」と、2011年大会でセレッソをベスト8に導いた指揮官は、大会制覇への意欲も見せていました。
クルピ監督は、「大会を通してチーム内の競争もますます生まれてきた。これがJリーグでの結果につながるようにチームを作っていく」と語りました。
グループJもう1試合ではポートFC(タイ)が広州FC(中国)を5-1で下して勝点8の3位で終了。若手主体で臨んだ広州は勝点を挙げることができませんでした。
川崎、日本勢11年ぶりの全勝でACLラウンド16へ
すでにグループI首位での突破を決めていた川崎フロンターレは7月11日(日)、タシュケントのロコモティフスタジアムで行われた最終戦で北京FC(中国)と対戦。MF小塚和季選手の2得点に絡む活躍などで4-0の勝利を収め、日本勢11年ぶりとなる6戦全勝でグループステージを終えました。
突破を決めた前節の大邱FC(韓国)戦から先発メンバー10人を入れ替えて、これまで出場機会があまりなかった若手主体のチームを編成。若手主体でここまで1分4敗の北京に対してボールを支配して攻守に圧倒します。
開始早々にFW知念慶選手が近い距離からの連続シュートで相手ゴールを脅かし、これは相手GKに阻止されたものの、21分には今大会初出場のMF宮城天選手のクロスに右足を合わせ、右ポストを叩いたリバウンドを自ら押し込んで先制します。
37分には今季大分から加入した小塚選手が宮城選手のクロスに合わせて追加点。56分にはFW遠野大弥選手が右ポストを叩いたシュートの跳ね返りを宮城選手へ送り、ペナルティエリア右から宮城選手が決めて3-0とします。
69分には小塚選手が左サイドFKで直接ゴールを狙い、勢いのあるシュートは相手DFに当たりながらゴールに突き刺さりました。
終盤にはFWレアンドロ・ダミアン選手、MF家長昭博選手、DF谷口彰悟選手を投入して最後まで攻勢をキープ。北京のシュート1本に対して川崎は34本の猛攻でした。
川崎は勝点を18に伸ばして中2日で続いたグループステージを終了。6戦全勝は2010年大会での鹿島アントラーズ以来日本勢で2度目。また、総得点27は西地区を含めて出場チームで最多となりました。
またこの日行われたグループIのもう1試合で大邱FCがユナイテッド・シティFC(フィリピン)に4-0で勝ち、4勝2敗の勝点12で東地区5チーム中2位の成績上位3チームに入り、ノックアウトステージ進出を決めました。
今大会2度目の先発で2点に絡む活躍を見せた小塚選手は、「フロンターレで初得点は素直に嬉しい。ここからゴールやアシストをどんどんつけていきたい」と話し、宮城選手は「最後の試合で(出場の)チャンスをもらうことができて、自分の力を出してハードワークしようと心がけた。最低限のことはできたかと感じている」と語りました。
鬼木達監督は「しっかり勝って6連勝で終われたことを嬉しく思う。非常に良いゲームで締めくくれた」と話していました。
G大阪、全北現代に敗れて突破ならず
グループHのガンバ大阪は7月10日(土)(日本時間11日)にタシュケントのブニョドコルスタジアムでグループH最終戦で韓国の全北現代モータースと対戦して1-2で敗れ、日本勢揃ってのノックアウトステージ進出はなりませんでした。
すでに首位突破を確定させている全北に対して、2位5チーム中上位3チームでの突破を目指して勝たなければならないガンバは「なにがなんでも勝ちにいこう」(DF三浦弦太選手)と試合に入りましたが、試合開始早々にペナルティエリアに突進したDFパク・ジンソン選手を倒したとしてPKを取られ、これをFWグスタボ選手に決められて1点を追う苦しいスタートになります。
しかしガンバは左サイドのFW宇佐美貴史選手を中心に仕掛けて、FWパトリック選手やMF井手口陽介選手がシュートで相手ゴールを脅かします。後半開始からMF倉田秋選手を投入してMF矢島慎也選手をボランチに下げると得点機会が増えて、ガンバが試合のペースを握ります。そして53分、再三相手ゴールに迫っていたパトリック選手がペナルティボックスへ持ち込み、右足を振って同点に追いつきました。
その後も相手ゴールに迫る場面を作りますが、フィニッシュの精度を欠いて得点にはなりません。試合終盤、三浦選手を前線へ上げてパワープレーを試みますが88分、反対に全北に三浦選手が上がったあとのスペースを使われて、途中出場のFWマドウ・バロウ選手に決勝ゴールを決められました。
2008年にはアジアを制し、2015年には4強入りもしたガンバでしたが、前回2017年、前々回2016年に続いて通算5度目のグループステージ敗退となりました。
三浦選手は、「立ち上がりに失点して難しくなった」と肩を落とし、倉田選手は「チャンスがなかったわけではないから、ゴール前のクオリティ、質、そこで仕留めきれる力がまだ全然足りない。そこに尽きる」と決定力不足を指摘しました。
ガンバの松波正信監督は「非常に残念。最後押しきれなかったのは我々の力がなかった」と振り返り、「崩しの場面はもっと増やさなければならない。ここでの成果はしっかり出た。日本に帰って積み上げたい」と語り、倉田選手は今大会で「あまり経験できないことを経験できたのは収穫。それをJリーグでどうプラスに持って行けるかが大事になる」と話していました。
なお、ガンバ(勝点9)の結果を受けて、勝点11でグループGを2位で終了した浦項スティーラーズ(韓国)が傑志(香港)に得失点差で上回り、2位の成績上位3チーム枠で突破を決めました。また、グループFで首位突破の蔚山現代に次いで2位のBGパトゥム・ユナイテッド(タイ)も勝点12で11日の最終戦を待たずに突破を決めています。
グループH最終節のもう1つの試合ではチェンライ・ユナイテッド(タイ)がタンピネス・ローバーズFC(シンガポール)に3-0で勝って勝点8で3位、タンピネスは6戦全敗でした。
ラウンド16組み合わせ、川崎は前回優勝の蔚山現代と
7月11日(日)までにグループステージ全日程が終了し、ラウンド16の組合わせが決定しました。
グループI首位でJリーグ王者の川崎はグループF1位突破した昨年大会優勝の蔚山現代(韓国)と、名古屋はグループIで2位に入った大邱FC(韓国)と、グループJ首位で突破したセレッソ大阪はグループG2位抜けの浦項スティーラーズ(韓国)との顔合わせで、3試合全てで日韓対決となりました。
また、グループH首位で2度の大会優勝経験のある全北現代モータース(韓国)は初出場でグループFを2位で突破したBGパトゥム(タイ)と対戦します。
なお、東地区より先にグループステージを終えていた西地区では、イスティクロル(タジキスタン)とペルセポリスFC(イラン)、シャルジャ(UAE)とアルワフダ(UAE)、エステグラルFC(イラン)とアルヒラルSCF(サウジアラビア)、アルナスル(サウジアラビア)とトラクトールFC(イラン)の組み合わせです。
ラウンド16は1戦必勝のシングルマッチ方式で東地区が9月14日(火)、15日(水)に、西地区が9月13日(月)、14日(火)に開催される予定です。
ラウンド16以降については、東地区の準々決勝は10月17日(日)、準決勝は10月20日(水)に集中開催でのシングルマッチ方式で開催され、決勝は11月23日(火)で西地区にて行われます。
コメント
レヴィ・クルピ 監督(セレッソ大阪)
グループステージ突破は選手たちの努力の賜物です。ノックアウトステージを楽しみにこれからシーズンを進んでいけます。ACLのタイトルも是非獲りたいと、今日改めて思いました。今大会を通じてボールをしっかりつなぎながらプレーすることはチームとしてできてきましたが、勝者のチームと呼ばれるようになるにはラストパスとフィニッシュの精度がまだ足りません。それが前半の課題で、後半への課題でした。大会を総合的にみるとまずまずの試合を6戦通してできたと思います。選手の入れ替わりもかなりしたので連携を高める難しさもありましたが、選手たちの力を引き出すスタイル、チームの成長を考えながら戦ってきました。私たちの選手の能力と可能性を考えると、優勝する可能性はもちろんあると思っています。ただ、まだ選手たちの力は全て表現できていない状況です。これからノックアウトステージに進めば、より難しく厳しい戦いが続くと思いますが、選手たちの力を引き出してチームが成長していければ優勝できると思っています。
MF 清武弘嗣 選手(セレッソ大阪)
最後の試合だったので、勝ちたい気持ちが強かったのですが、引き分けて残念です。すごく規制が厳しい中での大会でしたが、開催できたことに感謝しています。現地の方のサポートもあって集中開催ができたと思うので、感謝しています。
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